リセット

ぼんやりと生きたい日の
ゆるやかな時の流れは
とても素敵だ。
音楽もかけず
ただ空を眺めて
意識もまるで離脱したかのように
遠くに飛ばしたまま
門限もないので帰りが遅い。

しかしながら
喧騒から回収された時の
わたしの耳は
とても重たい沈黙で満たされ
目を閉じても
自動再生される残像に
ため息を漏らすことは
鎮痛剤と同じで
一時的な安定でしかならない。


気がついたら
音のない深夜になっていて
わたしはまた
自動再生される残像と戦うことになる。

過去なんてサッパリ忘れてしまえれば
都合よく生きられるのに
蓄積される残像に埋め尽くされる。

ボロボロになる前に
わたしは自然と意識を捨てる。

これが、わたしなりのリセット作業だ。

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