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『ぶんけいのラジオ』に痺れた話

ぶんちゃんこと、ぶんけいさんを知ったのは数年前のこと。
ご存知の方も多いだろう、男女二人組のコンビ『パオパオチャンネル』がきっかけ。
カップルではない2人の微笑ましいやりとりや、優しい空気感が流れる動画たちにいつも癒されていた。
何か大袈裟なことが起こるわけではないが、吸い込まれるように見たくなる。
一時期、あーずーこと@小豆さんの喋り方がうつってしまったほど。
(休止を挟んで、今も季節ごとに更新されていますね。好き。)

改めて考えたい、ぶんちゃんってどんな人?

『パオパオチャンネル』を視聴していて、ぶんけいさんに持っていた私の勝手なイメージは、

「朗らかで優しくて包容力がありそう。そして笑顔が素敵〜!」

だった。めちゃくちゃぼんやりしていて申し訳ないがそんな感じのイメージ。
あと知っていた情報としては、『踊ってみた動画』でダンスを披露していたり、振り付けをしていたり。大学を辞めて自分で会社を立ち上げていること、くらい。
この情報だけでも、いち会社員として働いている私には割とパンチがある情報だ。

そんな彼が、YouTubeで顔出しのラジオ配信を始めた。
なんの気無しに、パオパオチャンネルの延長線上くらいの気持ちで視聴を始めた。
彼の声は優しく心地よくて、作業中に聞くのに持ってこい。
また、寝る前に人の声を聞きながら寝落ちするのが好きな私にとって、照明を落としベットで聴くのに良いコンテンツを見つけてしまったとにやけていた。
オカリナチャンネルに次ぐ重要コンテンツだ。(ときどきオカリナ大好き)

ラジオであるため、視聴者からのお便りに答える。
メールで寄せられたお便りを印刷して読み上げ、彼なりの意見を述べる。
まだ数回しか配信されていないが、既に大量のお便りが来ているそう。(大変!!)

私はもっぱらアーカイブを視聴しているし、お便りを送ったりお返事を待ったりはしていない純粋な意味での“視聴者“だ。

先日、作業をしながら2回目のラジオを聞いていたところ、思わず手が止まってしまった回答があった。

わがままな人は嫌いですか?

ここからは、動画を見た私の感想というかレポートのようなものになります。
まずは動画を視聴していただくことをオススメします。
あくまで全て、私個人の感想です。

ラジオのアーカイブには、ご丁寧にお便りの内容とその話をした時間が概要欄に記され、すぐに飛べるようになっている。
その終盤に、この見出しにした問いかけとそれに付随する相談があった。
(抜粋して書きまーす)

彼女はわがままな人が嫌いで、わがままな人には絶対にならないと決めているそう。
何故なら、迷惑をかけるのに本人ばかり得をしていると感じているから。
そんな彼女が最近気づいたことがあるらしい。
それは、「わがままな人は意外と許されている」ということ。
アピールが上手くて、ことを上手に進める才能がある、とも。
周りも、「あの子はあぁだからね。まあいっか。」という雰囲気になる。
そして、自分が意見を言うと周囲からは「え?」と言われてしまい、リーダーを務めることが多い彼女はいつも受け止める側に回るしかなく、「ずっとやりたいことができない人生なんだ」と涙が止まらなくなってしまう。とのこと。

様々な意見が生まれそうな議題だ。
さて、肝心のぶんけいさんの回答は

「わがままな人は嫌いじゃないです。」

だった。
そして、自分もわがままな人である、とも。(「嫌い」と言われて「ショック…」と笑っていました。)
そこから丁寧に理由を説明してくれる。

わがままな人は、その本人に説得力があり発言できるだけの信頼を持っているからこそ、自分勝手だととられる発言ができる。
中身が伴っていれば、わがままを実行する“権利“を持っている、とも。

彼の結論としては、「(中身を伴っている)わがままな人はすごい」だった。
そういった人が新たなものを生み出しており、彼の理論で言うと、スティーブ・ジョブスもわがままだと言うのだ。

なんとわかりやすい例えだろうか。

事実として、私自身も彼が『わがまま』から発展して生み出したであろう、iPhoneやiPadを愛用している。

彼の回答が新鮮だったのは私だけではなかった。
疑問が浮かんだ視聴者たちによって、チャットが活性化していくことになる。

「じゃあ、わがままじゃない人は一生悔しい思いをして生きてくしかないんですかね。」

というチャットが飛んできた。
それに対しての回答が、まさしく痺れたのだ。

「それを、『悔しい』と思うのも、僕はわがままだと思いますけどね。」

自分が思い通りにならないことを『悔しい』と思うこともまた『わがまま』であり、『わがまま』でない人はいないはずだ。と言ってのけたのだ。

「うわ、まじそれ。」

と、私は1人で家にいながら思わず声を漏らしてしまった。
激しく共感したのと同時に、おそらく“ファン“と呼ばれる人たちに向けてのラジオでここまで自分の意見をはっきりと言い切れることに感動してしまった。
それだけ彼は一つ一つのお便り(意見)を丁寧に捉え、噛み砕き、伝えてくれているのだ。

そしてしっかりと、自分の発言の意図まで説明をしてくれる。

「うーん、僕のこの回答は…前をできるだけ向くために回答しているので、慰めることを言うのであればそう言うんですけど…あまり有意義じゃないかなと思ったので今みたいな回答をしました。」

と、最後は捲し立てるように早口で締めくくった。
正直、こんな真剣な表情をしたぶんけいさんを見たのは初めてだった。

このお便りの回答を軸とした展開に私の心がザワついたのは他の視聴者も同じだったようで、チャットを通して半ばディベートのような展開に発展していったのは、生配信の面白さだ。
「わがまま」というワードを扱うことは、本当に難しいと初めて知った。

途中に

「ぶんちゃん大丈夫?」

とチャットでコメントした人がいたのも、ぶんけいさん本人は通常運転であることから疑問であったようだが、送った人物の気持ちに少し共感してしまった。
もちろん、私なんかが本人の心配するだなんて、大それたことは考えたりしていない。
ただ、ディベート的な思考で意見をはっきりと言う姿に、衝撃を受けたのは私も同じだった。かなり良い意味での衝撃だった。
それは、『パオパオチャンネル』などで私に見えていた“誰かと映ったぶんちゃん“とは違う彼の一面だったからだ。
今まで私に見えていなかった部分が見えた瞬間だった。

コーヒーを片手に

このラジオは、ラジオでありながらラジオの域を超えてかつてイギリスで流行した『コーヒー・ハウス』のような雰囲気を感じた。

コーヒー・ハウス(Coffeehouse)とは、17世紀半ばから18世紀にかけて、イギリスで流行した喫茶店で、社交場の機能も兼ね、大きな社会的役割を果した。

(Wikipediaより抜粋)

社交場として意見を交換しつつ、情報収集のためにこぞって人が集まる場だったのがコーヒーハウスであるとすると、『ぶんけいのラジオ』はぶんけいさんが店主のコーヒーハウスみたいだ。
議題(お便り)に対して意見を聞き、視聴者は自分の見解を(チャットで)述べる。

絶対にリアルタイムで視聴したくなるコンテンツ。
生配信ならではの魅力が詰まっている。
普段は見守る専門なので送ったりすることはないけれど、ここまで話題が広がる『お便り』は、流石に送ってみたくなってしまう。

これからはコーヒーを片手に視聴してみようと思う。(夜寝れなくなっちゃう)

そして何よりも、このラジオを通してますますぶんけいさんのことが好きになったし、彼のことをもっと知りたくなってしまった。
まずは第一歩として『腹黒のジレンマ』を買いに行こうと思う。

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