読書メモ 津村記久子『水車小屋のネネ』を読みました。
最初に本を手に取って「分厚い、平和な日常っぽい、読めるかな?」と思いました。
いつも寝るまえに読むので、寝落ちしてしまうことも多く、このほのぼのとした感じは読み進まないのではないかと思いました。
はじめは、母の婚約者に虐待されてる8歳の女の子、大学進学を諦めた18歳の姉が家を出て、2人で頑張る感じだったので、泣ける話なのかなとおもっていました。
でも、そうではなく2人を中心にした生活を綴った本でした。感動とか復習とか人生逆転劇とかじゃない話です。表紙もそういう雰囲気ですが。
小さな街での暮らし、そこには当たり前にいろんな価値観の人がいて、新しい人も去っていく人もいました。
その中でネネの存在がとても良いです。
人と人との出会いの中で、ネネが緩衝材としてはさまることで、時間と共に絡まった糸がほどかれて、新しい結び目をつくっていくような話でした。
ヨウムの賢さは2歳の子供程度と、以前にテレビで観た気がします。そのとき「ヨウム欲しいなぁ」と思いましたが、確か特定保護動物なのでと動物園に書いてあった気がします。もともと日本の鳥でもないので環境を変えて連れてくるのは、やはり良くないことなんでしょう(今の価値観)。
この本の設定は、30年くらい前なのでヨウムもインコと同じようにペットとして輸入されてたのかなと思います。
まぁ、そうだとしても水車小屋の番をさせるのは斬新すぎる発想だと思いますが…。
ネネはヨウムの中でも特に賢い子だったと思います。
話の中でみんなが無理なく親切で、手の届く範囲の幸せを大切にして、その親切が拡がっていってるのがわかって、嬉しかったです。
理想的だなと思いました。
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