私たちの人生はほとんど永遠
ずっと変わらないでいる、ということはあらゆる意味で不可能なんだと今なら分かる。変化によって愛していた人と出会えなくなることは残酷で空虚に思えてしまうけど、でも長い人生の中で出会えていた時間の星の瞬きのような短さゆえにこそ、それは本当に奇跡みたいなんだと思う。長い人生の中で心が変わっても同じように何度も出会えるなら、「あなた」じゃなくても誰とでも同じような出会いが経験できるのなら、それは奇跡とは呼び得ない。
私たちは何十年生きるんだろう。魔法使いは一千年生きて、物語の登場人物は不老不死で、それは気が遠くなるような時間に思えるけど、人間の70年や80年だってまともに考えれば途方もないものだ。
長く生きることは、救われても絶望しても終わりが来ないということ。一度人生を変えるような救済に遭遇しても、それが色褪せて忘れて、また全てに絶望できるようになるために充分すぎる時間があるということ。
ここから先は
771字
役にたたないひつじ日記【2022-23】
2,000円
22年7月から23年7月までのログです。更新終了済。
とても頑張って生きているので、誰か愛してくれませんか?