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ラストシェルター(4) 同盟

「そうだ、同盟を作ろう。」

同盟についていろいろと考えた結果、結局、自分で同盟をつくることにした。

前回、YIU同盟のボス:badleroybrownに「もう少し、一人でやってみたいんだ」とかっこつけて言ってはみたものの、この世界は弱者一人でやっていくのは難しい。身を守ることもそうだが、メンバーと共同でこなすタスクもあるし、同盟に所属するともらえるギフトもある(これが中盤では大きなメリットとなる)。ゲーム的には同盟が推奨されているのだ。

とにかく海外プレイヤー達は気安く攻撃してくる。シミュレーションゲームってまずは町の開発をして食料の備蓄ができてから軍隊を集め、軍隊の訓練と武装が整ってから攻撃する、はずではなかったのか。どうもそういう教育を受けていないらしい。資源は奪うものという文化が世界にはあるのだな。

同盟はたくさんあって、構成メンバーの戦力を合計した「総戦力」順にリストされている。最大勢力の「CCG」は中国や台湾を中心とした中華帝国、CCGに勝るとも劣らない勢力をもつ欧州連合「VFX」、日本人同盟の「JAP」、ロシア人同盟の「RUS」、インドネシア人同盟の「Ind」、なんの略称だか分からないDea、raD、AfH、などなど、ひしめき合っている。

各同盟はメッセージボードに自己紹介と募集要項をのせている。だいたいどこの同盟も注意事項として、基地レベルは10以上とか、毎日のドネーションは忘れずにとか、友好同盟はどこどこなので攻撃してはいけません、などと書いている。イスラエル同盟は「Make Israel Great Again」という標語を載せていたが、何やら隔世の感があるね。

コミュニケーションを考えると日本人同盟がよさそうだが、戦力的にどうだろうか。総戦力はベスト5に入っているとはいえチャットへの書き込みが少なく外交的な弱さを感じる。中華系やロシア、インドネシアなどは公用語にそれぞれの言語を指定しているのでコミュニケーションが難しそうだ。翻訳機能があるとはいえ、ちょっと気の利いた表現をされると途端に意味が分からなくなる。面白そうではあるが。。。

眺めていると上位ランクのすべてに「NAP10」と書かれているのにきづいた。これは「No Attack Policy」の略らしいのだが、「10」というのは総戦力ランク上位10位以内の同盟はお互いに攻撃をしないという意味になる。我々の所属するステート897(ステートと呼ばれるが要するに「国家」)ではNAP10だが、他のステートではNAP20というのもあるらしい。ゲームの仕様ではなく、プレイヤー同士で自然発生した概念のようで面白い。

ただ、なんだか腑に落ちない。強いものはますます強く、弱いものは弱いままとなってゲームバランスが崩れるではないか。案の定、このゲームのレビューをみると、「外国勢にボコられるだけのクソゲー」的な怒りの投稿が多い。まぁ確かに、目的は荒廃した世界で戦って生き残ることだし、職業として「プレデター」を選ぶと資源のために攻撃をすることは必要なのだと理解できる。理解できるけど、納得できない。大きな同盟に入るということは、この不条理なルールを許容するということだ。

ゲームの中くらい突っ張って生きたい!

ということで、自分で同盟を作ることにした。ちなみに「NAP all」というものもあるらしい。すべてのプレイヤーが戦闘を禁じられている世界だ。(実は、このNAP allを巡って、大激論が勃発する)

世界のプレイヤーにも訴求できる同盟名は何か、と考えたところ「ドラゴンボール」を思いついた。アニメや漫画はゲームプレイヤーと親和性が高く、世界共通で愛されている。キャプテン翼やガンダムなども広く世界に知られているし、ドラえもんなどでもよさそうだが、肉弾的な戦いという環境にはドラゴンボールがベストマッチだろう。

ということで同盟名は「Get Dragon Ball」。略称は「DgB」だ。大文字と小文字を混ぜるのがオシャレらしい。メッセージボードには「ka-me-ha-me-ha---」と書いておいた。

メンバーの地位は5段階に分かれていて、盟主は自動的に最高ランクのR5になる。他のメンバーの地位は貢献に応じて自由に設定できる。ランクの名前を参加者にも分かるように決めた。

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ネーミングが良かったようで、どんどん参加者が増える。1時間に5、6人が入ってくれて、翌日には65人になった。国籍も多様で、日本、台湾、フィリピン、インドネシア、南アフリカ、ウクライナ、デンマークなどなど。素晴らしい。さすがドラゴンボール。

同盟のリーダーとしてメンバーの役に立とうと、ゲームの攻略法などを同盟専用チャットに流したり、日本同盟のJAPに声をかけて友好同盟になったりと、すこしづつ同盟の体裁が整ってきた、ある日。。。。

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