talk with me.

きらり光る星空の下
路地裏で丸まる子猫みたいだね。
懐であったまっていきなよ
一夜限りの友だちになろう。
ミルクがいい?
それともお酒?
ブランデーを紅茶にたらそう。
柔らかな毛布を肩にかけて、
ランプのオレンジ色の明かりに横顔を染めて、
夜の間中、話そう。

嘘を散りばめた小さなすれ違い。
吐息を幾つ重ねても、
触れる度に指が震える。
甘い痛みで痺れてしまうから、
見せないように胸にしまった。
一緒に見上げた一面の星、
宝石箱みたいで手を伸ばした。
一緒に見届けかった夜明け、
掴めそうでまだ掴めない夢。

こぼした涙が星屑みたいにきらり光る。

遠ざかるばかりで振り返りもしない、
睨みつけた先にある背中。
投げつた言葉に震える。
氷柱のように尖っていた。
思いやれば突き刺さる。
笑い合っていたかった夕暮れ、
長く伸びた影はもう一人分で。
ふたり同じ景色になるまで、
あといくつ言い訳を越えるだろう。

目を細めてそよ風みたいにフワリ笑う。

寝顔を見届けたら、そっといなくなるね。
サヨナラは言わないよ。
偶然街角で出会えたら、
そしたらまた話をしよう。
まばゆい朝日が一条差したら、
夜が終わるのと一緒にいなくなるね。
大丈夫。
さびしくなんかはないよ。
朝が来ただけだから。

一番星が夜明けを告げる。


お読みくださり、ありがとうございます。 スキ、フォロー、励みになります。頂いたお気持ちを進む力に変えて、創作活動に取り組んで参ります。サポートも大切に遣わさせて頂きます。