少年を乗せた黒い大鳥は空高く飛んだ。 険しい山に囲まれた島は見渡す限り灰色の瓦礫。 黒い大鳥は言う。 「ここは虹の町。 全ての色と全ての光がごちゃまぜで 何もかもありすぎて何もない。 野牡丹と晴れた空と太陽の色が黒く混ざり、 林檎と葉っぱと菫の色が白く混ざり、 黒と白とで灰色に」

梅が咲くと桜を待ちわびると同時に、今年は梅を何キロ漬けようとか紫蘇ジュースを何リットル作ろうとかなどと、花より団子的な事が頭をよぎります。 色味を変更したイラストを Respective coloursに投稿しました。 https://respective-colours.net/illustration/2896

旅の途中で枯れた大地に立ち寄った。 そこには少女がただ一人。 緑の髪には白い花が咲いていた。 少女は枯れた大地に根付いて、大地を生き返らせるのだという。 「私は花の種ですから」 少女は微笑むと種をひと粒託した。 「きっと旅の役に立ちます」 少年は別れを告げ、最果ての島を目指した。

冬から春へと引き渡され、受け継がれていくもの。 ・・・すっかり夜が更けてしまった。寝ますー