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4週間の隔離生活体験記その2(カナダ編)

前回に続き、私の隔離生活体験記です。
その1(日本編)からの続きです。

バンクーバーへの帰路

福井の実家で家族との時間が少なからずとも持て、
『また近いうちに来るね。』と、
しばしの別れ。

今度、日本に帰国できるのはいつになるのだろうと
コロナパンデミックの非常事態のこの時期、
日本の新規感染者は毎日1000人超えし、
増加の一途を辿っているというニュースが流れます。

今まで感じたことのない不確かな未来を感じながらも
『きっと、大丈夫、また会える。』
そう、信じてJAL便で成田空港を出発し、
いざバンクーバーの自宅へ!

来たときと同じように人がほとんどいない成田空港。
私が乗るJAL便には搭乗者50人弱ほどでした。

行きの便も40人近くの乗客しか乗っていなかったので、
機内は、私の前後、そして同じ列には誰もいない状況で、
機内で感染するかもしれないという可能性は
ゼロではないにしてもとても安心できました。
しかも、帰りの便では4つの席を使って足を伸ばして
悠々自適な空の旅ができました。

しかし、こんなに乗客が少ないと経営は本当に大変だろうなあと、
航空会社の未来を案じます。
出発数日前にJALとANAの経営状態が破綻寸前だという
↓このニュースを読み、心が沈みました。

ttps://news.yahoo.co.jp/articles/1942e5ba625f619f5f9c4e906bb1862ea750342f

これまで当たり前だったことが当たり前でなくなるかもしれない。

今年、3月にコロナパンデミックが始まって以来、
そんな当たり前でないことをこの数ヶ月の間、
いろんな分野で経験してきたことですが、
こうやって日本に一時帰国することが
すでに普通でなくなっていて、
今後、さらにハードルが高くなるかも
という可能性を思うと
やっぱり海外に住む私たち、、、少なくとも私には
いろいろ突きつけられるものがあります。

バンクーバーでの隔離生活

バンクーバー国際空港に無事到着し、
そして夫の迎えで無事自宅に帰ってきました。

変わらぬ自宅。変わらぬ風景。
でも、私の生活空間は自宅の限られた場所のみ。

帰ってきたのに、娘たちとハグもできず、
遠く離れたところから顔をみて、
会話のやりとりは電話のみ。
愛犬ラテとの時間もしばらくお預け。
こうして、また2週間の隔離生活が始まりました。

バンクーバーでの隔離生活の時間は、
まだ3日目、、、まだ4日目、、、
ゆっくりと、すごくゆっくりと
時間が流れました。

時間の流れって本当に面白いものです。

同じ2週間でも日本での2週間とバンクーバーでの2週間が
なぜこれほど感じ方が違うのか。

理由をいろいろ考えてみました。

例えば、

日本での隔離生活=
初めての体験・ワクワク・非日常・やりたいことが沢山そして実行

カナダでの隔離生活=
2回目で新鮮ではない・日常・やりたいことがあるのにできない

もともと、せっかちな性格ということもあって、
早く日常に戻りたいという
気持ちもあったのでしょう。
カナダでやりたいことは
日本でのものとはちょっと違っていました。

でも、この隔離生活をいかに気分良く過ごせるか考えた挙句、
『ゆっくりすぎる時間』
ただただ楽しむことにしました。

ゆっくりを楽しむ

ゆっくり流れる時間の中で、やったこと。

幸い天気がよく、室内でずっといるのはキツかったので庭に出て雑草をとることに専念しました。

庭仕事はまさに瞑想のような時間。
黙々とただただ草むしりしたり、
庭の一角を手入れしたり。

そして、天気の悪い日は、ちょっと難しいシュタイナーの本を読みながら、大事な文章を新しく手元にきた万年筆を使ってノートに書くという写経のような時間。ゆっくりした時間の流れの中、
万年筆との出会いで学んだこともありました。

その体験についても書いたものがこのページです。

そして、寝たい時に寝て、日本から買ってきた本を読み、
疲れたらボーッとする時間を持ちました。

食事は、朝や昼は家族が準備してくれた食材で適当にまかない、
夕飯は娘たちが夕飯を交代に用意してくれます。

頑張らなくてもいい時間。

こんな贅沢な時間をもったのは何年ぶりでしょう。
何十年振り?
もしかしたら人生で最初で最後??

だんだんとこのゆっくりすぎる時間を
愛おしいと思えるようになりました。

いつもちょっと頑張りすぎていた自分に
もっと力を抜いて生活していいという体験を
こういう時にこんな形で実現するとは
予想していなかったので不思議なものです。

普段の生活に戻って

一連の日本とカナダでの隔離生活体験が、今思うと
夢の中の出来事にも思えますが、
そこから得た体験はやっぱり貴重でした。

でも、忘れてならないのは、
家族の多大なるサポートと理解があってこそ。

そんな中で、娘たちも母親である私が居ない生活で
得た体験は多かったようです。

まず、料理することに目覚めたと嬉しそうに語ってくれました。

これまでも時々、ベーキングや簡単な料理はしていましたが、
今回は長い期間だったので、料理のレパートリーも増えたようです。

掃除と洗濯、そして、多くの名もなき家事を体験して、
いつの日か、一人暮らしをすることに少し自信を持ったようです。

そんな嬉しい話を聴きながら、子ども達の成長と
親業が終了する日が間近に迫ってきたのを感じています。

そして、いよいよ自分人生を生きる第2章へ
徐々にシフトしていくのだということを
思いがけずこのタイミングで感じています。

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