見出し画像

ぬいちゃんが座れるようになった話

自ジャンルのぬいがめちゃめちゃかわいい。
具体的に表現すると、でっかい赤ちゃんみたいなサイズ感とパンっって擬音が似合うような限界まで綿が詰め込まれているパツパツのお肌がかわいい。


今までにも別ジャンルでぬいちゃんを購入したことはあったが、下着や小物にいたるまで別パーツで作られていて、なおかつその全パーツをオタクに着用させようとしてくるぬいちゃんは初めてだった(購入直後はパンイチの素っ裸で送られてくる。一応ドラマで俳優さんがいるぬいちゃんなのに……)
自分でぬいにお洋服を着せるとわが子のお世話をしているようで愛着が増すのか、幼いころに遊んでいたシルバニアのような気持になってくる。しかもこのぬいちゃんデフォルトで自立するのだ……付属の靴を履かせると、平らな地面であればぬいの自立用金具や何かに立てかけるようなことをしなくても自立して立ってくれる。
自立型ぬいの新鮮さとそのたぐいまれなかわいいお顔(そこそこのお値段なので造形が良い)に魅了されて日々のぬい写や妄想が捗りまくっていた。
そこである日、邪な欲望が芽生えてしまったのだ


……ぬいをお座りさせたい


オタクは一つのことでは満足できない。指をくわえて眺めることしかできなかったはずの海の向こうのぬいちゃんの実物がなんと我が家にいて、しかも自分の好きな角度で写真を撮れることに喜んでいたのに、なんだかそう……言いにくいのだが、直立不動で並べて写真を撮るだけじゃなくてポーズを撮らせてみたくなったのだ。

最初は自力でワイヤーを入れてみようと考えていた。
別ジャンルでワイヤーを入れていた人の成功例を見ていたためだ。
だが、私はものすごく不器用である。ぬいちゃんの背中の糸をほどいてなんとかワイヤーを入れられたとしても、ワイヤーによってぬいちゃんがいびつな形になってしまうかもしれない。奇跡的に形が気にならなくてもワイヤーがうまく動かないかもしれないし、何より一度ほどいた背中をきれいに直す技術が全く思いつかない。

絶望の中、自由自在に動くぬいに思いを馳せていたらタイムリーにTLにぬいのボーン埋めの動画が回ってきた。その動画自体は手先が器用な方がボーンパーツを購入して自力で埋めている動画だったのだが、ここで私は一つ衝撃を受けた。
この世にはボーンパーツなるものが存在する……?????!!!!

もしかしたらワイヤーという選択肢はやや古かったのかもしれない。ぬいぐるみ専用のボーンパーツなら適切に埋め込みをすればちゃんと可動するはずだ。
その動画自体はボーンパーツ自体には触れられていなかったので、適当にそれらしい単語でボーンパーツなるものを検索してみた。
https://paraboxshop.jp/index_ja_jpy_214.html
調べていく中で「トイスケルトン」なるものがヒットした。
サイズもいくつかあるようで、1体20cm越えのCQLぬいでもなんとか合うサイズがありそうな感じだった。

ただ、問題はこれを埋める技術なんだよな……とだらだらと販売店舗を調べていくうちに天啓のようなサービスにぶちあたった。
http://www.parabox.jp/kyoto/ts_service
それがこれ、PARABOX 京都店様の「トイスケルトン入れ代行サービス」だった。
プロの人にボーンを埋め込んでもらえる……??というまさにこれぞ私が求めていたサービスです!!!!な内容で、一応TLでどうしようかな……と悩むそぶりはしたもののわりと早々に見積もりの依頼はお願いしていた。
遠出が憚られるようなこのご時世に郵送でやり取りができるのも魅力的だった。

余談だが、我が家にはCQLのぬいが2セットいる。これは別に手術用に2セット目を購入したわけではないのだが、万が一のことがあってもまあ2セットあるしなという気持ちは正直あった。2セット目の用途は撮影用だったこともあり、2セット目の子達の方を手術に出すことに決めた。

ちなみに薄々勘づいてはいたが、PARABOXさんではCQLの依頼実績が無いため、詳細な見積もりは実物を拝見してからとの返答はいただいた。
見積もりの連絡時点でおおよその概算でいただいた金額も、個人的には全然気にならなかった。わが子の手術だ。やはりお肌に傷は残らないのが一番良い。

私は事前見積もりの時点で以下の2点のお願いはしていた。
・ドラマ作品のぬいぐるみのため、「過去にご依頼いただいたぬいぐるみ」にはお写真を控えていただきたい旨。
・付属品の靴に底がついているため、靴を履かせると自立のみ可能な状態がデフォルトである旨。
また、洋服については装飾品が細かく紛失のリスクがあるため、裸の状態で送らせていただきたいこともこのとき同時に伝えた。
靴の話をしたのは、ボーンをいれることで重心が変わって自立しなくなることがあるかな……?とふと思ったからだ。でも、ぬいを座らせるのはボーンを入れないと難しいが、立たせる方法なら他にもある。そのため、念のため……という形の申し出だったのっだが、シューズも同梱くださいというお返事をいただけたため、ありがたく靴も送らせていただいた。

送付前には一応写真を撮っておいた。

画像2

これは心なしか手術を前にして、精悍な顔つきをしている気がするぬい。

シューズはバラバラになって紛失すると泣いてしまうので、こんな感じでパッキングした。

画像2

これは送付前にシューズと共にとった一枚。
手術、頑張ってくるんだよ……

画像3

手術中、ぬいがいなくて寂しくてしぬかな???と思っていたが、わりと早く帰ってきたような気がする。(メールを確認したら、2/5に送付して2/16に帰ってきていた。私がメールで予定よりも早くてうれしいです!と興奮しているので予定より早かったらしい。)感想メール送っておいてよかった。
※これは、私が頼ませていただいた時期での話です。

ぬいちゃんは店舗に着いた後に正式な見積もりをいただいた際に、手術前写真みたいのを確認でいただいていた。

画像4

※店舗に掲載許可をいただいております。
これがなんとも、いよいよ手術に向かう前のぬい……という感じで趣深い。
この簡素な作業台?の背景がまさに手術台の上って雰囲気があってこちらもドキドキしてくる。
地味にぬいの前髪が耳にかけられているのもちょっと愛を感じた。

手術が終わった後も手術成功の連絡と共にお写真をいただいていた。

画像5

わが子ながらめちゃめちゃかわいい。これは親ばかにならざるを得ないだろう。
PARABOX 京都店様でも元気にしてるよ!という感じが写真からあふれている。
本来は手術後もちゃんと自立してます!というPARABOX 京都店様のありがたい配慮故のお写真なのだが、なんかいい感じの背景で撮ってくれているおかげで、“命”を感じる。
というか、ボーン入れても自立するんですね。プロってすごいな。

これは我が家に戻ってきた後のぬいだ。
なんか心なしか、命を感じる。足が意思を持っている感じだ。

画像6

洋服を着せた後に大喜びで足と手を動かしてお座りさせた。めちゃめちゃ安定している。貫禄のぬい。

画像7

これはボーン入れたぬいと入れていないぬいを並べた写真。
ボーンを入れていないぬいはやや足が開き気味で、手も真横の位置が自然なのだが、なんとボーンを入れると、こんなにもポーズを取ることができる。
(お顔が違うのは元からです)

画像8

ちなみに同梱でボーンを入れた分、抜かれた綿も送られてきた。
なんだろう。このぬい達から出てきたというだけでなんか愛しく感じる。ただの綿なのに。
この綿でお守りとか作りたい。気分としてはへその緒を大事に取っておくみたいな感じだ。

画像9

やはり気になる点としては、手術後のお肌状態だが拡大しても全然わからなかった。プロってすごいな(2回目)

画像10

画像11

ちなみに触り心地だが、生地表面はもちろん変わらないがボーンを動かすために腕や脚を握るとややごつごつしてるかなというぐらいだ。
可動域としては、手の先まではボーンは入っていないが、腕自体はかなり自由度が高い。まっすぐ前に前ならえはもちろん後ろに手をつかせることも可能だ。
元々の脚の長さがあるので体育座りは無理だが、脚も腕とほぼ同様の可動ができる。



これが私のぬいに骨格を入れた際のだいたいのレポだ。
PARABOX 京都店様には感謝してもしきれないので、御礼メールはすぐに送った。
(御礼メールを見返していたが「仕上がりにつきましても、一度開いたことがわからないくらいの丁寧な縫製で、自分で行うとできない作業なので大変満足です。」と書いていた。本当にこれに尽きる。)

もし気になっている方がいればサービス内容だけでも是非覗いて見てほしい。これからのぬい活が楽しみすぎる体験だった。


※画像やレポの掲載許可は店舗にいただいております。

#パラボックス京都店
#トイスケルトン代行入れサービス

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?