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情報リテラシー論⓭

〜画像認識の技術と流出問題〜


○写真技術の発達
 
1900年、コダックから最初期の一般消費者用カメラ「ブロニー」が発売される。この機種が布教する以前から既に数百万枚の写真が撮影されている。アナログ写真の黄金時代20世紀で、2000年には毎秒2500枚、合計850億枚もの写真が撮影された。(1960年までに撮られた写真の55%は赤ん坊の写真だったと推測されている、という話も....)21世紀になるとデジタル写真が躍進し、今では25億人もの人々がデジタルカメラを持っているとされる。現在の人々は年間700億以上物写真をFacebookにアップロードしている(1年間に人々が撮影した合計枚数の約20%)。現在までに撮影された写真の合計枚数は”3兆5000億枚”で、その合計枚数のうち10%はここ1年の間に撮られた。

○画像認識による検索技術

*Pinterest*
 Pinterest(ピンタレスト)=Pin(止める)+interest(興味・関心)
わかりやすくいうと、リアルで写真を集めたコルクボードのSNS版。PinterestはEtsy,Google画像検索、FlickrなどからPinされている。

・ズームイン検索
 
Pinterest内で一枚の写真を表示して写真右下の白枠をタップすると、画像の中の範囲を設定することができ、設定範囲に連動した類似画像が下部に表示される。Instagramの検索では出来ない画期的な機能である。

・スマホ撮影画像の検索
 Pinterestのアプリでカメラを起動し撮影(QRコードの読み込み、カメラロールからの選択も可能)をすると、画像を認識して検索が始まる。画像によっては周りにカテゴリ表示されることもある。画像の意味よりも見た目の関連性が高く、Googleとは全く違う検索結果になる。


*Google画像検索*

・Googleレンズ
AIによる枠があれば絞り込み検索が可能であり、見た目のひらめきから類似したものを永遠と探すことが出来る。2019年8月からGoogleレンズへ対応しているが、Pinterestはそのとき既に実装されていた。指で画像をなぞって絞り込みすることも可能である。※PCブラウザではGoogleレンズはない×

・Google検索アプリ
iosのみの機能として音声入力に続き、Googleレンズによる検索ができる。今までGoogleフォトやGoogleアシスタントで利用されていた。カメラを起動すると、翻訳、テキスト、自動ショッピング、食事と並んでおり、目による検索が可能。画像から検索してその結果からそのままWebへ飛ぶ。


*Instagram*
 若者はInstagramを画像の検索エンジンとして使用し始めている。主に髪型・洋服・ネイル・メイク・食べ物・観光地などの画像に関することを探すことを目的として使われる。ハッシュタグを活用して自分にあった直感的な検索をする。今SNSで話題となっているものをリアルに知ることが出来る。

*その他のアプリ*
 スマホをかざすだけでものを認識して検索できるアプリは多数存在する。ビールやワイン、日本酒などの種類を検索するものや動植物を認識して検索できるものなど、多種多様である。

○画像認識と創作

*Auto Draw*
お絵かきをGoogleの人工知能が補正してくれる。画面に絵を描くと人工知能が何の絵かを認識して、選択すると描いていた絵をきれいな線画に補正してくれるという機能。

*QUICK,DRAW*
描いている途中から人工知能が絵を認識して答えるサービス。ニューラルネットワーク⇨シナプスの結合によりネットワークを形成した人工ニューロンが、学習によってシナプスの結合強度を変化させ、問題解決能力を持つようなモデル。

*remove.bg*
AIが写真から人物を切り抜き、無料で投下画像にしてくれるサービス。画像URLや写真を指定するとAIが数秒で切り抜きを行う。画像はダウンロード可能でLINEスタンプ作成などにも役立つ。

*Google Chrome拡張機能*
物体認識切り抜きで投下画像を作成することが出来る。


○画像認識と様々な技術

*文字起こし ばりぐっどくん*
QRコード読み取りかリンクから友達を追加する(検索しても出ない)。画像を送るだけでGoogleのAIが文字起こしを行う。縦書きを横で送っても認識する、横書きでもOK!無料で利用可能だが、1日10万回が上限。友達数は4万人を超えており、LINE運用でも面白い。

*Clarifai*
「Clarifai」を利用すると、動画の中身を「人工知能」が理解して、その映像に表示されている「モノ」をすべてキーワードに置き換えて「タグ付け」してくれる。ユーザーがある言葉を検索すると、動画の中でその言葉に対応する映像が何時何分から何分にかけて登場しメインに出ている場所などが折れ線で表示される。

*Facebook*
顔認識技術により写真で人物のタグ付けを自動認識が可能に。DeepFaceはまだ実験段階の技術だが、将来的にはFacebookの自動顔タグ機能など採用されるかもしれない。

*運転を見守るパートナー*
常時AIカメラが顔認識し居眠りや脇見などを感知すると警告してくれる。目を閉じたときや、よそ見した場合などに警告が鳴る。

○画像検索と権利問題


*Google画像検索のサムネイル表示*
写真家のKellyは1999年4月、Arriba Softが同社のソフトを使い、同氏のデジタル写真のサムネイルや通常サイズの画像を記録し、検索エンジンを介してアクセス可能な状態にしたとして、著作権侵害を理由に同社を提訴。第9巡回控訴裁判所は、検索エンジンでのサムネイル画像の使用は合法との判決を下す。同判決の通常サイズ画像の表示に関する部分により、Arriba Softは、新規のウィンドウを開いて通常サイズの画像を表示する、インラインリンクあるいはフレーミングと呼ばれる技術を使用していた点について、著作権侵害の罪に問われる可能性がある

*不正コピー問題*
CEPICの加盟者らによると、画像検索システムによりネット上で見つかる画像の85%は不正コピーであり、そうした不正画像の80%は、Google画像検索などの検索エンジンで広まっているという。

*スクリーンショット*
スクショを撮って保存する人は若い世代ほど多い傾向にある。
博報堂生活総合研究所は15~34歳男女2,080人を対象に、「スマートフォン・SNS内の保存データ調査」を2020年9月に実施した。どを聴取。両世代の比較分析を通してZ世代の特徴を浮き彫りにした。分析の結果、Z世代は平均2,914.0点の写真・動画をスマホ内に保存しており、特に10代後半では自分自身の写真より自分が“推し”ている芸能人の写真の保存点数が多いことが明らかになった。

*ダウンロード規制の著作権法改正案*
「著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律」が令和2年6月5日に成立し,6月12日に令和2年法律第48号として公布された。
 今回の改正案ではスマートフォンの「スクリーンショット」への写り込みや、数十ページの漫画の1コマなど、軽微なダウンロードは違法としないこととした。二次創作品のダウンロードも対象外。

○感想・まとめ

 画像検索はとても便利でよく利用している。服のネット通販では画像検索によって類似する商品が候補として挙げられ、より自分の理想とするデザインや値段に近いものを気軽に探すことが出来る。便利な一方でスクリーンショットや無断転載などの権利問題についてもよく耳にする事柄なので、画像の保存や使用をするときは気をつけていきたい。


↓今回の授業概要