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FPの実務経験、恐るるに足らず

おはようございます。🐤

FP2級は合格したけど、FP1級は実務経験が必要と聞いて、二の足を踏んでいる方は多いのではないでしょうか。私もそうでしたからわかります。でも大丈夫、FPの実務経験はすごくハードルが低いので、おそらくあなたでも大丈夫です。

すでに大丈夫の可能性が高いかもしれないし、仮になくても簡単に作れます。今日はそれを説明していきます。

つれーわー

「FP2級受かったわー、次はFP1級だけど、実務経験ないから受験できねーわ、つれーわー、実務経験ないからなー、つれーわー」

この光景、どこかで見たことがないでしょうか。これは自分の身を「挑戦する立場」ではなく、解説者とか卒業生のように一段高いところに置きたいための言い訳です。

ほんとは誰でも実務経験できちゃうのです。誰でもです。

もしあなたがどうしてもFP1級をとりたい場合は、すでにその資格をもっている可能性が高く、もし現在はもっていなくても1年あれば片手間で資格を有することができるようになりますので、その方法も合わせてお伝えします。

もちろん、「実務経験がない」というのを、挑戦を避けたいがための隠れ蓑に使いたい場合は、これからも「ほんとはFP1級取りたいし、取れる自信はあるけど、実務経験ないからなー、つれーわー」と言い続けてOKです。あなたには確かに実務経験がないですから。😊

FPの実務経験

きんざい氏のHPによると、FP1級の受験資格として「FP業務に関し1年以上の実務経験」が必要だということです。

実務経験について | 一般社団法人 金融財政事情研究会 (kinzai.or.jp)

FP(ファイナンシャル・プランニング)業務に関する実務とは、FP協会さんによると、次のようなものです。(これは2級、2級は2年の実務経験か3級をもっていれば受験できます)

「実務経験を有する者」とは、資産の設計・運用・管理及びこれらに係わる相談業務、コンサルティング業務等ファイナンシャル・プランニング業務に携わった経験が通算2年以上ある者をいいます。なお、「業務」(仕事)として担当した経験を対象とします。個人的な取り組み(趣味など)は含まれません。実務経験の判断につきましては、自己申告となりますので、ご自身でご判断ください。

2級FP技能検定 受検資格「実務経験」について | 日本FP協会 (jafp.or.jp)

そして具体的な事例もあげられています。

・銀行、保険会社、証券会社、クレジット会社等の金融機関に勤務している方
・保険会社の代理店の職員
・税理士、公認会計士、不動産鑑定士、宅地建物取引士、社会保険労務士、中小企業診断士、弁護士、司法書士、行政書士などで資産に関する相談業務に従事している方
・会計事務所の職員
不動産会社、建設会社など土地建物の取引・建築・相談業務に従事している方
・投資顧問会社の職員
・生活協同組合などの共済等担当職員
・商品先物取引会社の職員
一般事業会社および官公庁の福利厚生担当者および金融・財務・経理担当者
・商事会社の商社金融担当者、商事会社やコンピュータ会社等の金融機関営業担当者および金融機関向けソフト開発担当者

実務経験について | 一般社団法人 金融財政事情研究会 (kinzai.or.jp)

金融関係だけかと思いきや、不動産会社で土地建物を扱ったり建設会社で建築業務に従事していてもOKとか、一般事業会社の福利厚生や経理担当(庶務でもいけそう)とか。また、金融機関営業担当、金融機関向けソフト開発担当なども実務経験に含まれるようです。

かなり幅広いと言えます。もはや会社にいたら可能性はあるかもとさえ思えます。

そもそもFPに興味を持つ時点で、しかも1級にまで挑戦しようかという人はこの分野の職業に就いている可能性はとても高く、一般会社でも経理担当だったり資産管理の担当だったりする可能性はすごく高いのです。

しかもそれは「自己申告」

私がFP1級の受験申請をした時は、そんなチェックがあったのか記憶もないくらいです。実務経験の有無で「有」にチェックしたっけ? くらいです。会社の証明も不要。それくらい自己申告なのです。

それじゃ嘘つき放題じゃないの?

と思われるかもしれませんが、この実務経験は「業務」(仕事)として担当した経験を対象とし、もし嘘が見つかった場合は試験の中止、合格の取り消しを行う場合があるそうです。

「ほらね、ウソはだめだよ、ちゃんとした実務経験がないとFP1級は受験できないんだよ、つれーわー、実務経験ねーから受験できないのつれーわー」

ちょっと私の中のこいつの口調がうざいので黙らせたいです。

「業務」とは

業務の法律上の定義はこのようなものです。

【業務】
社会生活上、反復継続して行われる事務又は事業。利益を伴うかどうかを問わない。業務が正当に行われることの重要性から、法律は、これに対する妨害を処罰する一方、一定の業務を行う者に特別の義務を課し、又は通常人に比して責任を加重している(刑二三三・二三四・二一一等)。

[有斐閣 法律用語辞典 第4版]

よく例に出されるのが自動車の運転です。仮にレジャーだとしても車を運転して事故を起こせば「業務上過失」とみなされると聞いたことがあるのではないでしょうか。つまり車の運転は業務にあたります。反復継続の観点であることと、車の運転は公の道路を走るので、社会的に安全運転ができる者である必要があるからです。

ところで車の運転であなたは利益を得ているでしょうか? ほとんどの人は利益を得ていないと思いますが、業務にあたります。つまり、利益がなくても業務にはあたるのです。

一定の利益を伴うかどうかを判断基準にしていては、「開業しているのにほとんど客が来ないFP」はいつまでも業務経験が積めなくて、1級資格がとれないことになってしまいます。だから、例えば副業でも自分がFP=ファイナンシャルプランナー(2級で十分)と宣言して、誰かの資産に関する相談や設計、管理を受けていればそれは正式な実務経験と言えます。

もっと具体的にいくと、例えば私がこれからFP試験のためのブログを週に1本、年間52本書いたとします。すると反復継続と言えますね、毎週ですから。

その過程で自分のための資産設計、管理ではなくて、他人の資産の設計、管理のために情報を提供したとするとそれは業務にあたりますし、TwitterやDMなどで相談を受けて回答したりするとそれは利益を受けていなくても業務経験にあたるのです。

(仕事)とは

ただ、FP試験の受験資格の判定にあたっては(仕事)という条件もついていて、これはカッコの中の文言にしては重いです。なぜなら、お金をもらえないのに仕事とは一般的には言いにくいからです。ただ、この資格要件の中には「〇万円以上の収入があること」などの要件はありません。

そして、仕事なのにお金が発生しないことは社会生活上多々あります。自治会活動とか、職場の周辺清掃とか。なので、ものすごく曖昧ではありますが、少なくとも収入がゼロではなく、反復継続してFPに関する活動をしていれば、それは業務経験だと言えるのだと思います。

そうでなくても数が少ないFP1級の受験生です、大丈夫、必ずあなたは大事にされます。なんだったら、あなたのこれまでの人生経験の中から、きんざい氏が何か掘り出して見つけてくれるかもしれません。どうしても不安であれば直接お問合せしてみればいいかと思います。

ただ、きんざい氏もなかなか全てに対応できないから、「自己申告」となっているのだと思います。要するに虚偽や不正でない限り、自分で実務経験だと判断したらそれでいいのです。

認められなかったら

それでも、自分の判断した「業務経験」が「虚偽や不正」だと判断された場合は、試験の中止や合格の取り消しをされる場合があるということです。

それはどんな場面でしょうか。ちょっときんざい氏の立場になって想像してみましょう。

まず、その人が何も問題を起こさなければ、FPなんてそもそも独占資格でもなんでもないのですから、誰も傷つけないはずです。そんな人をわざわざきんざい氏が人件費をかけて調査したりするでしょうか。絶対にしないでしょう。

虚偽や不正による受験により問題が発生するのは、FP1級の合格者としてセミナーを開き、詐欺などで不正に利益を得たなど、FP資格の名誉を傷つける問題を起こした場合だと考えるのが自然だと思います。

しかし何度でも言いますが、FP1級なんてそもそも独占資格でもなんでもなく、ただのお飾りなのですから、セミナーを開くのにわざわざFP1級を名乗る必要はありません。なので詐欺をする人はそもそもFP1級を受験して合格しようとは思わないし、そもそも受験資格じゃなくて合格の方を虚偽ります。(きょぎりますという語感が好き)

私の想像でしかありませんが、きんざい氏やFP協会さんが言いたいのは、「他の技能士は実務経験が必要だから、FPも無いわけにはいかないかな」とか、「1級まで受験するなら、ちょっとはFP業界に貢献してほしいな」ということなので(推測)その気持ちを汲んで、FP業界にプラスになるようなことを頑張ればそれで良いのではないでしょうか。

例えば会社で積極的に資産設計、運用、管理、およびこれらに関する相談の仕事を作って自分でやるとか、副業で資産設計、運用、管理、およびこれらに関する相談の業務を行うとか。そのついでにFP資格の素晴らしさをみなに吹聴して回るとか。

具体的には、あなたが会社員だったとすると、会社の備品の在庫管理や更新計画をたてたり、予算管理や経理に関わらせてもらうなど、資産の設計、運用、管理およびこれらに関する相談と言える何かの仕事を自ら進んで引き受ければいいのです。福利厚生や経理、予算管理などひねりだしてください、それが実務経験になります。

そもそも会社員じゃないとか、会社員だけど他の仕事はやらせてもらえなかったとしたら、副業でFP2級の立場でブログを書いたり、ウェブで相談を受け付けたり、そんな片手間でも週1回、数時間が確保でき、せめて少しでも実績と収入があれば、反復継続といえる実務経験が獲得できます。

あとあと指摘された時のために業務の記録をとっておくとなお良しだと思います。

ダメもと

そして最後に身も蓋もないことを言わせてもらいます。

こうやってちゃんと1年間の実務経験を作り、FP関係の書籍を購入し、FPに関するウェブの情報を溢れる広告をかき分けながら日々チェックし、FPに関する勉強を積み重ね、FP1級の受験料を支払い、みごとFP1級に合格したとします。そして、何の問題も起こしていないあなたを、きんざい氏が人件費をかけて調査して、「これは業務経験にはあたりませんよ」と、受験の際はいったん認めたにも関わらず後出しかつあいまいな根拠で指摘されて、あなたのその積み上げた業務経験を虚偽や不正として認めないとしたとします。

いったんきんざい氏が認めたあなたの受験資格を、後からきんざい氏が「やっぱりダメ」と覆したとします。

あなたのFP1級合格が、万一、いや、百万に一で取り消されたとします。

だから何だというのでしょう。そもそもFP1級が必要な業務は特にありません。そしてあなたがFP1級の勉強を積み重ね、FP業界に数万円単位でお金を落とし、10人中1人と言われる難関試験を勝ち抜いたという実績と経験は消えないのです。

それでいいんじゃないですか? ダメ?

金で解決

ちなみに実務経験がどうしても作れなければ(作れるけど)、金で解決する方法があるにはあります。FP2級は実務経験がなくてもとれるので、次のようなルートをたどります。

FP2級⇒AFP認定⇒CFP合格⇒(FP1級学科免除)⇒FP1級実技合格

お金は果てしなくかかりそうですけど…うーんちょっと試算してみましょうか。

  • AFP認定=認定研修(約30,000円~)+入会金(10,000円~)+年会費(14,475円~)

  • CFP合格=受験料(約30,000円~)+みなし実務研修:(87,000円)+登録料(5,000円)+年会費(24,950円〜)

「みなし実務研修」とは、2日間で1年間の実務経験が得られる研修のようです。精神と時の部屋かな。

というわけで合計いくら? 軽く20万円は超えそうですね。これ最低限ですからね。でもそんな道もあるにはあります。

まとめ

  • FP1級の実務経験のハードルは結構低い

  • 不動産会社の営業や建設会社の建築担当などでも良い

  • 一般の会社の福利厚生担当や、金融、財務、経理担当でも良い

  • 副業でも継続していれば良い、利益を得ることは要件ではない

  • 最後は自己申告

  • お金で実務経験を買う方法もある

というわけで、FP1級をどうしても受験したいなら、意外とハードルは低いと思うよというお話を長々と5000文字以上もかけてしてきました。あなたの貴重なお時間が無駄になっていないことを祈ります。

「それでもやっぱり実務経験がないと不正だよ」という方は、あなたが正しいですので、受験はやめておきましょう。残念ですね、実務経験さえあれば受験できていたし、あなたならきっと合格できていたのにね。つれーですね。

それではまた、FP~(@^^)/~~~

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