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FP1級 2023年9月試験(感想~応用編第1問)

おはようございます。🐤

FP1級の9月試験を受けてきました、自己採点の結果は114点。
120点で合格なので応用編の部分点があればまだわからない状態です。(前回は自己採点と実際の点数の差が11点ありました)

が、不合格と見積もってFP1級の勉強は継続します。合格していたら儲けもので、なおかつ次の実技の試験勉強にもなります。不合格だったらまた同じ勉強を継続です。

こんなに勉強しているのになぜ不合格なのか?

私なりに答えはあります。それは過去問が出ないからです。特に基礎編。問題作成にコストかかってますよ~。


FP1級が2級3級と違うところ

FP1級はテキストを買っても、過去問を10年分解いても合格しません。試験が終わって、答え合わせをするのはテキストを見ても見つからなくて、ウェブで検索しないといけません。

一例をあげてみましょう。っていうかどこを切り取っても初見の問題ばかりです。

…健康保険の被保険者の資格喪失後の保険給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
・資格を喪失した際に出産手当金を受給している者が、資格喪失後に配偶者が加入する健康保険の被扶養者となった場合、出産手当金を受給することができる期間内であっても、出産手当金は支給されない。
・資格喪失後に傷病手当金を受給していた者が、当該傷病手当金を受給しなくなった日から3カ月以内に死亡し、そのものにより生計を維持されていた者が埋葬を行った場合、埋葬料が支給される。

2023年9月 基礎編問2から抜粋

まさかの資格喪失後の世界にスポットをあててきました。しかも、単純に資格喪失だけではなく、その後配偶者の被扶養者になったらどうなるかという、すごく実務寄りでありそうな話にしてきました。

埋葬料も実際の手続きには必ず出てくる問題ですからね。すごくお役立ち情報です。

しかしもちろんテキストには答えは載っていません。

良い問題~。

こんなクオリティの高い良問を試験ごとに大量に生みだし続けるのたいへんじゃないですかきんざい様、ちょっとサボって過去問をそのまま出しましょうよ。

ということで、毎回新しい傾向で、受験生としては対策をたてるのがとても難しいんです。しかしさっきの問題のように、実際によくある場面を切り取られていたり、表面だけ過去問どおりの文章のリズムを覚えていたら解ける問題ではなく、中身をしっかり理解していれば解けないことはないという絶妙な問題が出されるのです。

もう一つ例をあげます。CAPMとβに関する問題。

β値と安全資産利子率がともに一定である場合、市場全体の期待収益率が2倍になると、資本資産評価モデル(CAPM)によるポートフォリオの期待収益率は2倍になる。

2023年9月 基礎編問21より抜粋

ほほう、この問題には見覚えがあって

市場全体の期待収益率と安全資産利子率がともに2倍になると、β値が一定であれば、資本資産評価モデル(CAPM)によるポートフォリオの期待収益率も2倍になる。

2016年9月 基礎編問23より抜粋

文の構成が似てますよね、しかしこの問題はCAPMとβの意味を理解していないと解けない問題です。具体的には、次の図が頭にあって、市場全体の期待収益率が何を指しているか、安全資産利子率がどこを指しているか、βが何を表しているか、そしてグラフの読み取りに関する基本的な理解ができていないといけません。

原点がゼロにないので、期待収益率が2倍になってもβは2倍にならない

選択肢の正誤を雰囲気で覚えている受験生を狙い撃ちしているのです。表面的な理解では合格できないようにと出題者側が知恵を絞って、内容は同じでも文章の作り方を変えてきているのです。

それに加えて、新しい知識もどんどん取り入れます。情報量の多さと細かさゆえに、分厚いテキストでもカバーしきれないのです。

応用編第1問(ライフプランニング)

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験より

[問51]

厚生年金保険から出題されました。支給停止調整額の①48万円はホッとしますね。これは答えられそうです。

しかし次の②4月から6月(定時決定)とか標準賞与額の限度額③150万円というのはテキストには載っていないので「一般常識」で知っているか、どこか他のウェブサイトなどでより深く社会保険のことを学ばないと身につかない知識です。

賞与の範囲 | こんな時に健保 | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)

そして在職定時改定の9月は基準日で⑤10月からだったか~。それと退職改定については、退職してからすぐ⑥1カ月で年金額が増えるらしいです。

[問52]

問52についてはマクロ経済スライドの説明。これも理解ができていたら楽しい問題(私は楽しくありませんでした)。

ほんとうに、「試験のための勉強」ではなく、みんなが興味ありそうなところをしっかりと深く掘り下げるような、現実の経済活動に役にたつような勉強を積み重ねるととれる問題なんだなと感じます。FP1級資格保有者はほんとうに誇っていい、そんな資格です。

マクロ経済スライド

令和5年4月分からの年金額は前年度からどのように改定されたのですか。|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

※9月12日追記
国民年金のマクロ経済スライドって耳にしたことありませんか。なんか社会情勢に従って年金額を変更するんですよね? 私はそんな感じの曖昧な知識でした。ちょっとしっかり勉強してみようと思って動画を探すと、やぱり社労士試験の動画にたどり着きます。

年金のマクロ経済スライドとは、一言でいうと現役世代の味方です。

高齢者には味方しないの? と思われるかもしれませんが、圧倒的にかわいそうなのは現役世代です。現役世代の味方をしないといけません、そこは異論ないとして話を進めます。

現役世代の支払う国民年金の保険料は、賃金の変動によって毎年変動します。そのうち、賃金が上がった時に、その上昇率をそのまま国民年金の保険料にあてていては現役世代の働く意欲を削いでしまう、賃金が一定以上に上がった時は、保険料の上昇率はちょっと抑えましょうというものです。

マクロ経済スライド|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

上の図の青い矢印が「マクロ経済スライドによる調整」です。現役世代の味方してるでしょ。これが上を向くことは想定していません。必ず下を向きます。

一方、これが味方になってくれるのは「賃金が一定以上上がった時だけ」なのが少し残念なところです。賃金がほとんど上がらないとか、むしろ下がっている時はこのマクロ経済スライドによる調整は発動しません。

マクロ経済スライド|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

年金の2つの額

で、令和5年4月からはさらに年金生活者の立場での「物価」と、現役世代の「賃金」について、賃金の上昇の方が高かったので(ほんとか?)67才以下の年金額は賃金上昇率によって2.8%アップ、68才以上の年金額は物価上昇率によって2.5%アップと、2つの年金額が違うことになりました。

さらに、令和5年のマイクロ経済スライド調整率-0.3%と、未調整だった令和3年~4年のマイクロ経済スライド調整率-0.3%を合わせて-0.6%を2.8%から引いて、67才までの人は④2.2%、68才以上の人は1.9%の上昇となっています。

  • (新規)777,800(前年度額)×(102.2%)=794,911(≒795,000円

  • (既裁定)777,800×(101.9%)=792,578(≒792,600円)

ただし、賃金変動率よりも物価変動率の方が大きい場合、つまり、給料が上がらないのに物価だけが上がる、という時にはどちらも②名目手取り賃金変動率を使います。

なぜか?
ルール通りなら年金受給者は物価にあわせてたくさん年金をもらえるのですが、ここでちょっと年金受給者が我慢してくれないと支出>収入になってしまいます。ここでいう支出は年金の給付、収入は現役世代の年金保険料です。

支出>収入にならないもう一つの手段は年金保険料の値上げですが、収入が上がらないから現役世代から文句ブーブー言われるのが目に見えています。現役世代あっての年金ですから…。

ここで、物価変動率は前年度のものを採用し、賃金変動率は2年度前から4年度前の③3年度の平均を使います。

令和5年4月分からの年金額は前年度からどのように改定されたのですか。|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

再評価率という言葉も初めて聞きました。私は5.481という数字しか知らなかったですけど、現実にはこのような数字も使っている(?)ということなんだと思います。

年金額の計算に用いる数値|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

在職老齢年金の調整

[問53]

応用編で在職老齢年金の調整が出たのも初めてだったのではないでしょうか。経過的加算額を足す前の基本月額を調整するのがポイントでした。基本月額というのはビジテキp70にしっかり記載があります。経過的加算額、加給年金額、繰下げ加算額を除いた老齢厚生年金の額を12で割ったものです。

間違えたけど、でも、加給年金を足さないことと、48万円を超える額に1/2を掛けていること、そして報酬比例部分の計算が正しければ部分点2点はもらえるかな?と私は見積もっています。

さて、今日のところはここまでにしておきます。疲れた~。

ちょっと控えめに部分点を見積もって114点なので、あと6点。正直ちょっと合格できるかもと期待…してぬか喜びになるのが一番辛いのであまり期待はしないのですが、でも期待していないかというと少しだけ期待しています。

仮に合格していたとしたら実技の勉強を始めないといけないので、なんだったら実技の勉強を始めてしまおうかなとも考えています。そして不合格だったとしても同じFP1級の勉強なんだから学科対策としても無駄にはならないでしょう。

発表は10月20日(予定)です、ドキドキ…

それではまた、FP~(@^^)/~~~

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