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「LPにしておくと自動でナンピンしてくれるから」の誤解について

おはようございます。🐤

今日は「LPにしておくと自動でナンピンしてくれるから」という考え方には誤解があるんじゃないかな、ということについて考えを整理していきたいと思います。

最初に答えを書いておくと、LPはペアの価格比が安定するであろう資産で行うものであって、「LPにしておけばBTCが下がっても損失がひかえめで安心」というものではありません。BTCが将来下げると思うなら、いますぐBTCを売るべきです。

今日の記事はDeFiに詳しくないと読めないかもしれません。予備知識としておすすめの記事を2つほど置いておきます~。

LPのリバランスとナンピンとの違い

前提として、Uniswap v2方式のDEXで、ステーブルコインとBTCなど、ステーブルコイン+変動性の資産のペアで組むLPを想定します。

LPにしておくと、BTCが安くなったらドルでBTCを買うような動きをしてくれます。

【t=0】1 BTC=$20,000のとき
LPの内訳⇒1 BTCと20,000 USD

【t=1】1 BTC=$15,000のとき
LPの内訳⇒1.155 BTCと17,320 USD

つまり、$20,000だったBTCが$15,000に値下がりした時、$2,700くらいで0.155 BTCを買っているということです。

もっとかみ砕いて言うと、最初$40,000もっていたわけです。そこから$20,000を使って1 BTCを買った。つまり平均取得単価は$20,000です。これがスタートで、BTCが下げたから約$2,700で0.155 BTCを買いました。これで、$22,700で1.155 BTCを買ったことになり、平均取得単価は$19,641くらいになります。

平均取得単価が下がっている、これは間違いなくナンピン買いのように思えます。ここまでは確かにそのとおりなのですが、ここからです。このBTCがいつか$20,000に戻ったとします。

【t=2】1 BTC=$20,000のとき
LPの内訳⇒1 BTCと20,000 USD

結局スタート時点(t=0)に戻りました。これって「ナンピン買い」という言葉からイメージできる結果でしょうか? ナンピン買いとはもっと中長期的なロング思考でガチホをする時に使うのではないでしょうか。

せっかく下げ時に自動でナンピン買いをしてくれたのに、上がる時に自動で利確もしてくれやがるものだから、せっかくのナンピン買いがだいなしです。

ナンピン買いを目的とするなら、素直にバイナンスなどの取引所(CEX)で指値注文をしておくのが良いと思います。それでBTCの値上がりを待つのが健康的だといえるでしょう。なぜなら、LPのリバランスは資金がゼロになるまで機械的にナンピンし続けるからです。損切りすることもありません。

以上が下げ相場の時の考え方です。

一方で、上げ相場の時は

一方で、上げ相場の時はLPの自動リバランスが精神衛生上有効だと思います。それは「DeFi入門 (6) 資産の安定的運用(インパーマネントロスは損失じゃない)」で書いたとおりです。

しかし、人間心理が正しい投資判断を邪魔しているだけで、ほんとうは上げでも下げでも同じはずです。青い線は常に赤い線の下にある、つまり50:50で最初から持ち続けることに比べてLPを組むことは常に損なのです。

もちろん、手数料収入があるのですが、それも年間10%程度です。リスクに見合うものかどうかは値動きによります。

暗号資産の王様で、ボラティリティが比較的小さいと言われているBTCでもこのような値動きです。1年間で$58,700から16,700まで値動きをします。仮に1年前にLPを組んでいたとしたら現在の価値は半分近くになっています。仮に年間10%の利子がついたところで40%ほどの損失になります。

このような値動きをするものにはLPは向いていません。

LPに投資をするのは、オープン時とクローズ時で、ペア間の値動きがあまりないと考える時です。

タイプ別投資方法

だいぶわかってきました。それでは次のような声に答えていきましょう。

Q. 上がる時はとか下がる時はとか、そんなのわからないよ、とにかくどんな相場の時でも安定して利回りが稼げる投資がDeFiにはあるんだろう? それを教えてくれっつーの!

A.わかりました。きっとドルベース(もしくは円ベース)なんですよね。素直にレンディングでドル預金しときなさいってーの。

Q. レンディングっていっても、DeFiの利率めちゃしょっぱいじゃねーか。

https://app.aave.com/

A. 確かにそうですね、銀行の定期預金の方がだいぶ利率が高そうです。

https://moneykit.net/visitor/rate/fd.html

Q. 銀行ねーわ。わかった、ステーブルとステーブルでペア組めばいいんだ、ペア間の値動きがなければいいんでしょ。DAI/USDCとか、ね?

A. そのとおりですが、利率はさらにしょっぱいです。もはやボランティアとしか言えません。

せめて、値動きが比較的よく似たBTC/ETHとか。あ、これだとドルベースじゃないのか。

Q. やっぱDeFiだめだな~、CEXにするわ

A. ちょっと待ってください、なんかいろいろやってて見つけました。ETH/USDCペア、約44%の年利です。

これなら、LPにして仮にここから1年後にETHの価格が半分になっても、このペースで取引がされて44%のAPRが保てるなら、若干利益がでるくらいです。すごい、やった! DeFiバンザイ!\(^o^)/

まとめ

途中から話がずれてしまい、結局何がいいたいかわからなくなってしまいました。

要するに、「ナンピン買い」という言葉の裏には「BTCロング」という含みがあるので、LPでそれを期待しているとちょっと違う結果になりますよということが言いたかったのです。

LPは50:50で持っておくことに比べて常に損です。
利子も普通はリスクに見合うものではありません。

独自トークンの報酬とか、いろいろ考えて自分にとっての最適解を得るプロセスがDeFiの楽しみ方です。正直いって計算嫌いな人には向いてない不親切な世界です。

というわけで、せっかく読んでいただいた方の9割がたを絶望に陥れただけの記事になってしまいました。ごめんなさい。

それではまた、DeFi~(@^^)/~~~

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