見出し画像

FP1級 2023年9月試験 応用編第4問

おはようございます。🐤

第4問、不動産はすごくスタンダードな問題の中に、やはり初見の部分が散りばめられていました。いろんなネタがあるものです。楽しんでいきましょう。


[問60]

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験より

とうとう出ましたね、

「反対側はがけ地や川等ではない」の決まり文句でおなじみだった「川」が実態となって現れました。川じゃないのが前提だったのに、ただの定型文で空気だったのに、「都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない」とか、「本来水準の価額」とか、「ファイナンシャルプランナーのMさん」と同じく、無視して良い文言の一つだったのに、それが牙を剥いて襲い掛かってきました。

川はセットバックしてくれないから、川から4mが道路になります。この問題の場合だと甲土地の右側が1m削られます。道路を4m確保しないといけませんから、これはしょうがありません。なんてったって相手は川ですから。

FP1級 2023年9月試験 応用編第4問より引用

というわけで穴埋めに戻ります。

用途地域の種類は①13種類でした。住居系が8種類、商業系が2種類、工業系が3種類です。住居系多いですよね。低層×2、中高層×2、住居×2、田園、準住居で8種類です。

そして敷地が2つの用途地域にまたがる場合は、面積の多い方の用途地域になります。またがる系もややこしいですよね。

  • 用途地域がまたがる場合⇒面積の多い方

  • 防火地域がまたがる場合⇒制限の厳しい方

  • 建蔽率や容積率などが異なる場合⇒加重平均

バラバラなように思えますけど、それぞれに理由があって、その感覚を感じることができれば良いと思います。

防火地域の制限は、火事が起こったら困るので、制限の厳しい方に合わせるイメージです。制限が厳しい方に合わせて、火事が起こりにくくなるにこしたことはありません。だから防火地域の制限は厳しい方に合わせます。

一方で用途地域については一意の厳しさというよりは特性であるので、どちらが良い悪いということは一概にいうことはできません。低層住居は低層の良さ、中高層は中高層の良さ、工業は工業の良さがあり、それぞれの相性もあります。それにそもそも用途地域はグラデーションになるよう考えて決められていて、商業地域と低層住居とか、工業専用と住居系地域のように、隣り合うと具合が悪いものが隣り合うことはありません。だからなんというか、ちょっとくらいは良いよねというイメージです。

神戸市情報マップ | トップ (wagmap.jp)

なので、敷地のうち広い方の用途地域を代表と決めます。

最後に、建蔽率や容積率については、数字なので、それぞれの面積に応じて計算した面積を合計するというやり方ができ、それが一番公平っぽいので、そのやり方を採用しています。

次に③特別用途地区という聞きなれない単語が現れました。建設業界に生きる私も知りませんでした。これは用途地域の制限を補完していろんな制限を市町村の考えで決めることができる地区だそうです。

関西屈指の文教地区「六甲エリア」

借家契約に進みます。普通借家契約は賃貸人(大家さん)は正当な理由があれば、申し入れから④6カ月で契約を終わらせることができます。一方で、借り手(賃借人)からの申し入れは⑤3カ月で契約を終わらせることができます。

また、⑥200㎡未満の自分が住んでいる賃貸住宅の場合、借り手に転勤など一定のやむを得ない理由があれば、借り手は1カ月で契約を終わらせることもできます。

[問61]

建蔽率と容積率の計算ですね、これは私が知る限り出なかった年はありません。必ず出ます。これは絶対に落としてはいけない計算問題です。とれるので確実にとりましょう。

FP1級 2023年9月 応用編第4問より抜粋

建蔽率

まず建蔽率です。

  • 建ぺい率はそれぞれの率で計算して合算。

  • 防火地域の規制は厳しい方を敷地全体に対して適用

  • つまり、全体が準防火地域

  • 準防火地域に耐火建築物を建てると建蔽率+10%のボーナス

というわけで、1mのセットバックを合わせて

  • 上半分:15m×14m×(60%+10%)=147㎡

  • 下半分:15m×8m×(50%+10%)=72㎡

  • 合計:147+72=219㎡

容積率

前面道路の幅が12m未満なので、道路幅×率が容積率の上限のひとつになります。住居系なので掛け率は4/10。

  • 上半分:6m×4/10=2.4(240%)<指定容積率300%なので、240%が採用

  • 下半分:6m×4/10=2.4(240%)>指定容積率100%なので、100%が採用

  • 上半分:15m×14m×240%=504㎡

  • 下半分:15m×8m×100%=120㎡

  • 合計:504+120=624㎡

ここは取りたい、取りたかった…専門家の私がここを間違うのはいけない…いけない…😭

[問62]

空き家の3000万円特別控除、そして相続税の取得費加算の特例の計算問題です。このへんの計算は練習あるのみです。

空き家の方は3000万円という数字を覚えていたら大丈夫でしょうか。

4900万円(収入)-取得費(4900万円×5%)-費用900万円=3755万円
3755万円-3000万円(空き家の特別控除)=755万円①

相続税の取得費加算いっときましょうか。この不動産についてはもらった時に相続税を支払っていて、その分は取得費と言えるんじゃね? という考え方によるものです。だから、この不動産に関して払った相続税額を計算します。

相続税660万円×(対象の額3600万円/全体の額7900+100万円)
=297万円…取得費に加算できる額

100万円プラスがすごくポイントですね。よく忘れます。

3755万円(上の式と同じ)-297万円(取得費加算)=3458万円②

で、755万円に20.315%をかけて1,533,782円⇒1,533,700円③(100円未満切り捨て)

私はブログではこんな簡略計算していますが、試験では採点者に媚を売るために15%と2.1%と5%を行を分けて計算しています。媚の効果があるかどうかは不明ですが、模範解答もそうなっているので、媚を売りたい方は模範解答のマネをしましょう。

それではまた、FP~(@^^)/~~~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?