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楽天NFTで気づいた絶望

ヒヨコロ

おはようございます。🐤

昨日「楽天NFT」のニュースが流れて気づいたことがあります。（日経新聞ウェブサイト、無料会員登録で全文を見ることができます）

楽天NFTの概要

  • 22年春に2つのサービスを開始

  • 1つはBtoC、1次販売のサイト

  • 1つはCtoC、購入したユーザー間の取引（「ラクマ」のNFT版）

  • 楽天オリジナルのブロックチェーン

  • 楽天がすべてのNFTを発行

  • 決済はクレジットカードもしくは楽天ポイント（暗号資産決済不可）

  • 発行したNFTでも消去可能（違法コピーなど）

  • 楽天のマネタイズは、1次流通は販売者から徴収、2次流通はユーザーから徴収し楽天と販売者でシェア

ヒヨコロ雑感

Twitterでは、「NFTの意味がない」「僕の知っているNFTと違う」など、一部でこの事業を批判するようなコメントが飛んでいて話題になりましたが、今の日本国内でNFTを事業にしたい立場から言わせると、「ほならね、自分で作ってみろよ」って感じなんだと思います。

楽天NFTが成立する大事なところは、ここだと思います。

  • 暗号資産を使わない

  • 管理者が商品をコントロールできる（違法性のある商品を消せる）

ここが「NFTっぽくない」と批判を受けているのですが、ならどうしろっていうんですか。この日本では、楽天のような巨大企業でも、暗号資産を使うことに高い高い壁があるのです。

そして、仮に不正コピーが出回ったとしてそれを削除できない時に販売者から損害賠償請求を受けたとして、誰が助けてくれますか？

そう考えると、今の日本ではこの道しかなかったのかなとも思います。ブロックチェーン禁止縛り……飛車角落ちでの世界との戦い……改めて日本の未来に絶望です。

「本物を所有する楽しみ」を提供したい

さて、楽天のNFT事業部の方はこうもおっしゃっていました、「本物を所有する楽しみを提供したい」と。

つまり、ユーザーは「購入者側の立場」です。クリエイター側ではありません。ここ大事です、その前提でお話を進めます。

何をもって「本物」とするか問題です。ブロックチェーンは楽天が完全に管理して、なんだったら楽天の一存で商品を消すことができるのですから、「楽天が本物と認めたものが本物」である世界なのです。

それなら、それでいいんだったら、これまでにいろんなプラットフォームがあるじゃないですか。これをマネしてプラットフォーム作ればそれで目的達成できるはずです。

[目的]
- イラストを買って
- それが自分が買った本物だと証明したい
- NFTのように唯一無二とできるかは謎（数量限定販売できるか？）

[手段]
楽天で管理しているあなたのユーザーIDと購入履歴から、楽天のウェブサイトで「本物」である旨の表示を第三者に見えるように表示する。

これでいいです。

いやいやいやいや…違うでしょう？

いや、違わないです、楽天NFTのやろうとしていることはNFTを使わなくても、ブロックチェーンを使わなくても達成できます。

「WHY BLOCKCHAIN」の冒頭にこんな言葉があります「ブロックチェーンの本質は、技術にはありません。その思想にあります。」

ブロックチェーンの思想とは「管理者のいない社会を実現する」ということです。それは僕たちがまだ見たことのない世界です。原始時代に戻るといってもいいかもしれません。

そういう意味では、楽天NFTのやろうとしていることにはブロックチェーンは必要ありません。楽天NFTのやろうとしていることは、ブロックチェーンを使わなくても実現できます。

NFTの意味

NFTが革新的なのは僕が知る限り次のようなところです。

  • そのブロックチェーンの中で唯一無二のデジタルデータを作れる

  • 企業に依存しない

  • 国や法定通貨に依存しない（暗号資産で決済可能）

  • 取引を自由にプログラムできる

  • 誰にも消せない

だから、個人が元気になるのです。クリエイターエコノミーが生まれるのです。

書いてて気づきましたけど、この革新性はパブリックブロックチェーンのNFTのお話です。

企業が数社で運用するプライベートブロックチェーンのNFTが無益であるというわけではないのですが、楽天NFTのブロックチェーンは楽天一社で管理しているので、ブロックチェーンのメリットが一切発揮できないと僕は考えます。

たぶん、上からの命令で「わが社のオリジナルNFTを作れ」と言われた社員がいろいろ提案して、最初はもちろんまともなNFTを提案したのでしょうが、そのたびに「法律はクリアできているのか？」とか、「偽物対策はできているのか？」とか、経験豊富で強い上司に叩かれて凹まされて、それでも時間の制限もあって…こんな形になったことが容易に想像できます。絶望でしかない…。

まとめ

「絶望」というのは、日本の未来にであって、楽天NFTが絶望的なのではありません。きっとそれなりに流行るんじゃないかな？ 知らんけど。

ただ、楽天NFTのやろうとしていることを見る限り、ブロックチェーンを使わなくてもできるということです。

使ってもいいんですけど、メリットは何もないです。

やるならパブリックなブロックチェーンで暗号資産を使って、日本のNFTの「前例」を切り開くか、もしくは、むしろブロックチェーンを使わずに「NFTと同じことが実現できる」ということを示してNFTに挑戦して欲しかったかな～。

というわけで、今日の内容は以上です。楽しんでいただけてたらうれしいです。

それではまた、DeFi～(@^^)/~~~

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