DeFi入門(番外編)国内暗号資産取引所の手数料比較
おはようございます。🐤
今日はDeFi…ではないので番外編です。国内の暗号資産取引所の手数料を比べていきます。
僕は、日本の暗号資産取引所は資金をDeFiに送る中継地点と考えているので、ここでは暗号資産の売買と送金の手数料に限って比較します。オプションやデリバティブなどの取引のことは考えていません。
僕が知っている限りGMOコインが全方位で揺るぎなくトップの座に君臨していましたが、現在もそうでしょうか。検証してみないといけませーん。
なお、僕はここで紹介する取引所のどこからも1円もいただいていませんので、完全にフラットにニュートラルな視点で情報をお送りできることを宣言しておきます。
参加者
僕は大手の取引所にはたいてい口座をもっています。今日は僕が口座をもっているところを比較していきます。もし他にも良いところがあればぜひ教えてください。
Coinbase(取引所形式の取引ができないため圏外…)
bitFlyer
Coincheck
Zaif
bitbank
DMM Bitcoin
GMOコイン
SBI VCトレード(外部に送金できないため圏外…)
楽天ウォレット(取引所形式の取引ができないため圏外…)
BITPoint
さきほどの僕の考えによると、取引所形式がないところは比較するまでもないため、Coinbaseと楽天ウォレットは圏外です。わずか2~3%ほどの小さな違いですが僕はそのわずかな手数料に命をかけているのでご理解ください。
また、中継所という考え方からすると、そもそも資金を外部に送金できないSBI VCトレードは圏外とし、今回の比較からは外します。
※BITPointについて再検証した結果、約定した暗号資産をすぐに外部に送金できることがわかりましたので、内容を改めました。
暗号資産取引手数料
取引所形式での暗号資産取引手数料を比較します。
bitFlyer:手数料一覧・税
bitFlyerの取引手数料は、約定数量の0.01%~0.15%と条件によって変わります。条件とは「ユーザーの直近30日の取引量」です。これまでに取引をしたことがなければ最も高い0.15%が適用され、過去に5億円以上実績があれば最も安い0.01%が適用されます。「その時の取引量」ではないことに注意です。ここでは0.15%で計算することにします。
Coincheck:送金・売買・入出金手数料
Coincheckの取引手数料は0%です!
無料って…ここで儲ける気はなくて、他で儲けているということですね。
Zaif:手数料一覧
Zaifの取引手数料は、ユーザーの立場がMakerかTakerによって変わります。Makerは0%、Takerは0.1%です。
MakerとTaker
Makerとは板を作成した人、つまり指値注文で板をたてた人です。
Takerとは、他のユーザーがたてた板の取引相手になった人、つまり「成行注文をした人」か、「指値よりも有利な板がすでにあったからその板をとった人」です。
例えば取引所に上の図のような板が並んでいるとして、自分が「0.05 BTCの売り、単価500万円」という注文を出したいとします。この板をたてることができればその時点でMakerになれるのですが、もしかしたら下の図のように直前に他の人の注文が入ってしまうかもしれません。
すると、自分はTakerとなってしまい、手数料を支払うことになります。この例ではMakerとして0.05 BTC×500万円=250,000円で売るつもりでしたが、Takerになることによって、0.05 BTC×500.01万円=250,005円で取引が成立する代わりに0.1%(250円)の手数料を支払わないといけないということになります。
これを避けるために、取引所によっては「Post only」という注文を出すことができます。そうすると、Takerになってしまう自分の注文は無効になります。
bitbank:手数料一覧
bitbankもZaifと同じでMakerとTakerの手数料が別になっていて、Makerの手数料はなんとマイナス0.02%、取引が成立するとお金をもらえます。大口で積極的に板をたてようとする人が増えそうな手数料体系です。
DMM Bitcoin:入出金手数料・取引手数料
DMM Bitcoinの手数料は他の取引所とはちょっと違って、手数料の率が固定ではありません。つまり、下の図のように、各暗号資産の取引単位ごとに何円と決められていて、1BTCが500万円でも700万円でも、取引手数料は2000円です。これは、現在の価格ではおよそ0.04%であり、かなり安い部類になります。
GMOコイン:手数料(入出金・取引)
さてGMOコインです、Makerでマイナス0.01%、Takerで0.05%となっています。これもかなり安い部類です。BITPoint:手数料
1月4日時点ではBITPointは対象外としていました。理由は「現物取引の受渡日は翌営業日」とBITPointのウェブサイトに記載があったため、中継所としては使えないと考えたからです。しかし、Twitterで「すぐに送金できますよ」とご指摘をいただき、実際に口座を作って調べてみたところ、ほんとにすぐに送金できました。
BITPointは取引手数料が無料です、Coincheckと並んで最強です。
BITPointの板取引の不思議
「取引手数料無料って…どこで儲けているんだろう?」と心配になっていろいろ儲けどころを探していたんですが、取引所に謎のゾーンがあることに気づきました。
買い(緑)の最高値と売り(赤)の最安値の間に2万円くらいの妙なゾーンがあるのがわかります。1時間ほど眺めていましたが、この価格差は2万円〜5万円程度で変動し、解消されることはありませんでした。
もちろん、このような「謎ゾーン」は他の取引所では見られません。
試しに自分で板を立ててみるとしっかりと立ちます。
そして、立てた板が「現在値」より少し高くなるとすぐに約定されました。2回実験してみましたが、2回とも「現在値」より少し高くなったタイミングでした。
つまり、ちゃんと設定すればほぼ現在値付近で買えているんだから、そこまで文句はありません。しかし、買い注文の価格は「売り価格の最安値」にセットされていて、油断するとこの価格のまま注文してしまいそうです。
買いと売りの差(謎のゾーン)は0.4%〜1.0%程度です。システムで何らかの操作をしてここを利益にしているのかもしれない、そう考えるのが自然だと思いました。
取引手数料のまとめ
いろいろ複雑でしたが、総合的に取引手数料が一番安いのはCoincheckの0%だと僕は考えます。BITPointの無料には少し疑問が残りましたが、使いようによっては「ほぼ0%」に近づけることは可能です。
Makerとして限定すれば、bitbankのマイナス0.02%というのが安いです、いや、もらえるから安いというのかなんというのか、とにかく一番お得です。ですが、Makerにこだわりすぎるのは取引のキャンセルから機会損失になってしまう場合もあるので、ここでは次点と判断させていただきました。ここは異論があるところだと思います。
暗号資産の送金手数料
送金手数料は、変動と固定があります。
変動なのはCoincheckとZaifです。DeFiの常識としては送金手数料は常に変わっているので、変動というのは納得がいきます。が、いちいち比較するのはめんどくさいです。
bitbankとbitFlyerは固定なのでわかりやすいです。
変動も固定も、BTCは3000円程度、ETHは1500円程度、XRPやLTC、BCHなどのアルトコインは20円程度なので、送金のみと割り切ってXRPなどのアルトコインを選択するのはアリだと思います。
一方、DMM BitcoinとGMOコイン、そしてBITPointは送金手数料が無料です。無料というのはあまり健全ではないのですが、その分どこかで儲けているのでしょう…。
送金手数料のまとめ
ここはわかりやすいです、DMM BitcoinとGMOコイン、そしてBITPointの勝利です。
販売所形式のスプレッド
「取引所形式しか勝たん」と思っている派ですが、手数料に命をかけていると、時々ほっと楽をしたいときがあります。
例えば、積立ビットコインとか、積立イーサで、毎月自分の手作業で取引所形式で買い付けるのはなかなか続かなかったです(経験談)。どうしてもチャートを見てしまって、タイミングをはかっていたら一日仕事になっていまいます。すると時間がかなり奪われてしまいます。
それだったら、ある程度は割り切って販売所価格で自動で売り買いするのも良いんじゃないかと思います。手数料命とか言っといてポリシーぶれぶれですみません。
というわけで、2022年1月のとある一瞬をきりとった販売所のスプレッドを比較してみました。僕は定期的にこういうことをやっていますが、だいたいこんな傾向です。
1%台…bitbank、GMOコイン
3%程度…bitFlyer、Coincheck、BITPoint
4%台…Zaif
なお、DMM Bitcoinは少し特殊で、販売所なんですが半分取引所です。販売所としてみると手数料はすごく安く、取引所としてみると手数料は高いです。手間も取引所なみにかかるし、そもそも自動売買を行える積立ビットコインサービスはやっていません。
ちなみにbitbankも積立ビットコインはやってませんので、そもそも販売所価格で買うことはありません。
というわけで、ここでもGMOコイン勝利です。
銀行への出金手数料
無料なのはDMM BitcoinとGMOコイン、そしてBITPointです。
振込手数料がかかっているはずなのに無料というのは不健全です…、どこか他で儲けていただいていることを祈ります。持続可能でありますように…。
参考:海外の取引所等へのクレジット入金
海外の取引所に直接日本円を入金することはできませんが、カード支払いで暗号資産が買えます。GMOコインで1 BTC=5,310,366円のときに、バイナンスのカード払いは1 BTC=5,419,169円でした。これに加えてカード利用で追加の手数料がかかります。(バイナンスでやってみたところ追加手数料は2000円でした)
それにしても、3%程度の割高だったら、わりと許容範囲かなと思います。以前調べた時は7%程度だったと記憶しているのですが、かなり安くなっています。
総合点
以上を表にしてみました。
取引手数料…①Coincheck ②bitbank(異論は認める)
出金手数料…①BITPoint GMOコイン DMM Bitcoin(同率一位)
銀行入出金…①BITPoint GMOコイン DMM Bitcoin(同率一位)
スプレッド…①GMOコイン ②bitbank
というわけで、なんと微妙な、しかしこれまで圧倒的だったGMOコインをBITPointが追い詰めています。
取引手数料は難しい判断ですが、BITPointはうまくやれば「現在値±α」の若干不利な価格で取引、GMOはうまくやれば「マイナス0.01%」の手数料で取引ができる、ということで、取引手数料は微妙にGMO有利と僕は考えます。
それらの総合により、GMOコインの優勝です。積立暗号資産がもっともお得にできるのも僕にとってはうれしいポイントです。
DMM Bitcoinはおしいように見えますが、取引所形式がエセなのでそこが大きなマイナスポイントです。
あとは、取引所間のアービトラージが好きな人は、パソコンの画面いっぱいに各取引所の価格を並べて比較しながら買うのもいいかと思います。
また、複数の取引所の口座をもつことは、ひとつの取引所がメンテナンスなどで利用停止になっても他に退避できるので、危機管理的にもよろしいかと思います。
最後に…、数円、数十円の違いにここまで変態的にこだわることはありません。楽しく暗号資産投資ができればそれが一番です。🐤
今日の記事がお役にたてたらうれしいです。
というわけで、それではまた、DeFi~(@^^)/~~~
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