無趣味・こどおじ・彼女いない歴＝年齢＝29歳の俺がコンカフェに行ってみた―接触編―

はじめに

　コンカフェに行こう、そう思った。この年齢になると、無趣味かつ田舎暮らしの俺は基本的に家を出ない。そうすると、労働から解放された休日の過ごし方は、動画・昼寝・読書・skskくらいしかない。インドアの俺なら耐えられると思ったが、どーも最近は鬱になりそうになる。周りは結婚して、家建てて、子育てしてるというのに俺は……という感じで。だから、たまには非日常を味わおうと、そう思ったわけだ。

　なぜ、コンカフェなの？って気になる人もいるだろう。それは、俺がいまだにナオンのコスプレが好きだからだ。まあ、作業服が制服の俺にとって、ナオンがリクルートスーツ着てるだけで、エレクションの燃料に早変わりなんだけど。

コンカフェ嬢にコンタクト

　新宿に用があった俺は、まず近くの池袋を攻めた。学生時代にコスプレしたナオンがビラ配りしていた記憶があったからだ。池袋東口からサンシャインシティ周辺を、アチィアチィとぶつぶつ言いながら練り歩いたが、コンカフェ嬢がいねえ。オフのコンカフェ嬢みたいなナオンが結構いたが、出勤中のコスプレナオンがいねえ。

　俺はスマホで｢池袋　コンカフェ｣で検索し、サキュバスのお姉さんがいるシーシャバーに目をつけた。ちょいとエッチな格好のサキュバスに会えると思うとワクワクが止まらなかった。店の前まで来たら緊張して喉が渇いた。俺は午後の紅茶を飲み干して、店の階段を上がった。しかし、誰もいない。俺は店の前の看板を確かめた。17時からだった(このときは13時くらい)。俺は池袋はあきらめて、「聖地アキバへいくんだえ～」と叫んだ。

　秋葉原に到着すると、俺はまず歩いた。店も検索していない。コンカフェ嬢がたくさん声をかけてきた。俺はシラフだというのを忘れていた。そう、目当てのコンカフェ嬢が店に来てと言っているのに、グイグイ来られると｢あっそういうの興味ないんで｣的な顔でスルーをしてしまう。まずい。だれかに捕まえられなければ店に行けない。そう思った俺は、ビラを遠慮がちに前に出してボソボソ言っている、営業に慣れてなさそうなコンカフェ嬢に決めた。

コンカフェ嬢｢ボソボソ｣

俺(あの娘に行こう……)ビラを受け取る

コンカフェ嬢｢時間ありますか？｣

俺｢まーはい、あります。のど乾いたんで休憩したかったんです｣(なんで嘘ついたんだ俺)

とまあこんな感じ。

　この後、店まで案内されるんだけど、店まで距離あって会話を続けるのがきつい。話を聞くとコンカフェ嬢になって4日くらいで、接客したのも俺で2回目だという。お互い初めましてのコミュニケーションが成立するには、最低でも片方がコミュ強じゃなきゃきつい。俺が酒を飲んでいれば、池田エライザですら楽しませることができるトークスキルで、彼女とワイワイ秋葉原を歩くことができたんだが。

店に到着したけど……

　ようやくお店に着いた。お世辞にも綺麗とはいえない建物の二階にあった。なにやら、元気なキャストがガヤガヤ騒いでいる。おじさんの俺はここでノリについていけるか猛烈に心配になった。久しく忘れていたナオンが発する元気な声にションベンちびる。いざ入ろうとするとオーナーに｢少々お待ちください｣と言われて、一階に案内された。どうやら店がパンパンで入れないらしい。てか、店前の床にあぐらかいてアイコス吸ってるコンカフェ嬢がいたぞ……

　待たされたのは待機所ではなくて、同じ系列のコンカフェだった。しかし、内装にコンカフェ感はない。四畳半くらいの一室にカウンターがあって、客席が６つある。めっちゃ狭い。俺以外に男は3人いて、年齢は20代・50代・60代くらいだった。唯一コンカフェ感あるのは、その店にいたチャイナ服着たナオンくらいだった。店入れるまで、ここで俺は彼らと会話をして待ってた。正直、楽しかった。以下、会話抜粋。

20代青年｢おいくつですか？｣

俺｢29歳です｣

チャイナ服｢若ーい｣

20代青年｢え、見えないす｣

俺(おいチャイナ服うれしーこと言ってくれるな)

ここで、俺を案内してくれたコンカフェ嬢が俺の隣に座る。

俺｢あ、そだ。いくつなんだっけ？｣(うーん大学生やろな)

コンカフェ嬢｢コーイチ｣

チャイナ服｢わたしもーー｣

俺｢？？？？？？？？？？？？？？｣

俺｢ごめん、今高1って言った？｣

コンカフェ嬢｢うん、高校1年｣

俺｢高1？？？？？？？？｣(大音量)

周り｢ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ｣

（50・60代おじさんも驚いてないだと。これが普通の世界なのか。いや大学生ですらロリに感じるんだぞ。高校生はもうわからん。てかこのチャイナ服、ワンオペでこの場を結構まわしてたから成人かと思った。俺に声を頻繁にかけてくれたし。くそ高1女子に俺は……俺は）

チャイナ服｢○○○(俺がこれからいくコンカフェ)は10代ばっかだよー｣

(おいおい俺はなんつーところに飛び込もうとしてるんだ……)


つづく