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間接キスについて(周知)

拝啓 厳冬の候、読者の皆様にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

さて、本日は「間接キス」について、少し感じたことを記録していきたいと思います。

間接キスと聞いて、「回し飲みとかね。よくあるよくある」と言っている方がいたら残念です。

相手の唇に直接触れない。相手と自分の間に媒介するものがあって、初めて成立する行為です。

間接キスのイベントを最大限に享受するには、私の経験上…一年に一回です。頻繁に起こる間接キスなど価値がない。

頻繁に起こる場合、付き合っている・結婚している異性が、間接キスの相手の可能性が高い。

これでは、間接キスの効果を一割も得ることができていない。

間接キスは色々な条件が重なり合った結果、最大限の効果を発揮する。後に詳しく述べたいが、まずは私の間接キスの記憶をどうぞ。


アンニュイ徳田の間接キスの記憶 ①

会社の同期と祭りに参加した日のことです。夏真っ盛りでじめじめしていました。浴衣を着た同期♀は、露店で飲み物を買って、飲んでいたんですよね。歩きながら飲んでいたんですが、量が多かったのでしょう。

不意に「もういらない。あげる」と私に差し出してきたんですよね。

話したこと数回+他に同期♂がいるにも関わらず、なぜ私を選択したのか。

パニックになり、「間接キスだけど」と無粋なことを言ってしまいました。

同期♀は何にも言いませんでした。

間違いなく私の表情は、口角が上がり、目は血走っていました。

アンニュイ徳田の間接キスの記憶 ②

会社の飲み会でのこと。「早く終わらねーかな」と思いながら、ハイボールを飲んでいました。

次は何を飲もうかとメニューを見ていると、隣から「何これ。ねえ飲んでみて」と言われたのです。

部署の違う、年下だけど先輩の女性が発した声でした。

私は酔っていたので、アルコールさえ摂取できれば良いと思い、彼女が望んだ酒を頼みました。

やっぱりレモンサワーにすれば良かったと後悔しながら、よくわからん酒を飲み、彼女に感想を述べました。

すると彼女は、「へー私にも、一口頂戴」と言ってきたのです。

「どうぞ」とグラスを彼女に渡しました。

平然を装っていましたが、脳内では、Wエンジンの「惚れてまうやろー」というセリフが再生されていました。

彼女が口にした後、酒の味がレモンサワーになりました。


間接キスが最も効果を発揮する条件


 相手の情報が少ないこと。

簡単に言えば、友達や付き合っている人間ではないこと。お互いに接触したことが数回で、仕事で話したことがある、共通の友達がいて社交辞令的な会話をしたことがある、くらいが良いのである。

ちなみに、初対面の場合はどうか。難しい問題だが、ある程度は接触したことがある方が効果があると思われる。

間接キスをした瞬間、過去の事務的なやり取りを思い出し、今の状況とのギャップに混乱する悦びを感じられるからである。

ⅱ 自然な流れで間接キスが発生すること。

突如、発生しなければならない。そして、気づいたら「あっ…これ間接キスになるやん」と認識が遅れてやってくるのがベストである。

惜しい例が鏡月のCMである。

ねえ、ちょっと飲んでみ。ちょっと…間接キスしてみ?

「ねえ、ちょっと飲んでみ」までは、相手の意表を突くところが良い。

しかし、「間接キスしてみ」と明言してしまっているのがいけない。

相手は間接キスになるの承知で言っているのか、と萎えてしまう。

「ねえ、ちょっと飲んでみ」で終わっていれば、

(飲んでみるか。ん?待てよ…これは間接キスになるけど相手は気づいているのか?いや気づいていないのだ。よし、だったら俺も気づかない振りして飲もう。)

と脳内で興奮できるのだ。


ⅲ 最後の間接キスが一年以上前であること。

ⅱで述べたが、間接キスというのは心の準備ができていない状態でやってくるのがベスト。

頻繁に異性との飲み会を催していると、間接キスの発生イベントは確実に多くなる。

そうすると、間接キスという状況に慣れてしまい、新鮮さが失われてしまうのだ。

間接キスというのは、レアなイベントでなくてはならない。最低でも一年以上、間が開いていなければ、間接キスを十分に享受したとは言えない。

十分に享受するために、やはり女慣れという武装を解除し、精神的に童貞になるべきなのである。


以上の3点を満たした場合、間接キスの旨味が最大値になる。


終わりに


コロナ禍ということもあり、飲み会が中止になってきている。とてもつらい状況だと思います。

間接キスが発生しやすいのは、実は飲み会なのです。(俺調べ)

この期間は、精神的に童貞になる期間なんだと、ポジティブに考えて耐えましょう。

耐え抜いた先に、間接キスの旨味が待っているのである。




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