【詩】人権

罪を憎んで人を憎まず

人に押し付けるのは心の痴漢

正論を押し付けるのはハラスメント

そう思えないのはきみが悪いと

自己責任論を振りかざすのはもはや殺人未遂か

訴える度に警察がやってきて証拠を求める

僕は「これだけ傷つきましたよ」と皮下脂肪を捲る

警察は「時間(とき)が癒してくれますよ」と言う

「誰もがそんな思いをしますよ」と付け足す

平然と言い放つ警察官に僕は何も言えなくなる

セカンドレイプ


事件は時効を待つだけになった

僕はその間閉塞した社会に適応するため

警察官の教えを一人飲み込んで

美しい理想論を吐き出す

必ずしも正しさが履行されることはない

幼い頃から大切にし続けてきたもの

子供の自分を大人の自分が憎むように裏切っていく

その度に

内界あるいは外界で明滅する

死だけが救いであるという自明の理に怒りながら

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