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2022年10月の記事一覧
書評_逆説的免罪符_遊びは成功のもと___遊ぶ人_ほど成功するホントの理由
遊び、って楽しいけど、どこかに罪悪感がある人=私だ。好きなことを仕事にしてはいるので、仕事は好きだ。でも利害関係抜きの遊びは遊びでやっぱり楽しい。ただ遊びって、社会人にとっては家族や彼氏彼女の手前とか、有休とるにも会社の手前とか、ちょっと後ろめたさを伴うのも事実ではないだろうか。 そんな複雑な気分のあなたに私に、この本はうってつけだ。なぜならメチャクチャ免罪符になる。遊び脳は成功脳だ、と医学博士の著者に脳科学的アプローチで言われると、嬉しくなって堂々と遊びに拍車がかかること請け合いなのだ。 そんな説得力ある説明の肝の一つは、「ベータエンドルフィン」。本書で脳の栄養剤で、麻薬のように気分がよくなるとも説明されている脳内ホルモンだ。この分泌がよくなるとリラックスし、思考力が高まりポジティブ志向になる。さらに記憶の集積、知識の統合、高度な思索などが円滑になる。そのためには身体を動かす遊びが良く、笑いながら楽しく過ごせというのだ。 もう一つの説明用語は、「ネオテニー」。学術用語で、幼児的特徴のことだ。好奇心と想像力の力、楽天的であり無心であることが、成功脳を作る。そして数々の成功体験を積み重ねチャレンジ欲が湧きやがて脳のRASという神経系が働き、必要な情報を自動収集するアンテナも立つというのだ。 そして忘れちゃいけない「恋愛」もまたネオテニーだという。恋する男女と成功は表裏一体だというのだ。 後半は、著者のヨットやスキー、カーレース等の「遊び」がいかにネオテニーとベータエンドルフィンの相乗効果で成功脳を作っていったかの具体例。 さて、ここまで来るとなぜ私は遊びに罪悪感を感じていたかを考えてしまう。時間の優先順位を遊びに持っていくことによる、他のことの機会損失が一番だろう。幼少時に有りがちな、漫画やゲーム禁止、いまならネット制限といった養育環境による遊び=悪という先入観かもしれない。しかし時間の作り方は、いくらでもありそうだ。仕事と遊びを兼ねることはいいのか?ネットゲー厶にハマるのでもいいのか?正解は本書へ。もう遊びは成功のもとでしかない。 「遊ぶ人」ほど成功するホントの理由 (フォレスト2545新書) 作者:佐藤富雄 フォレスト出版
書評_ほのぼのとした日常を描く阿佐ヶ谷姉妹のエッセイ__阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし
私もTVなどで拝見したことはあるが、本当の姉妹では無い事にまず驚き、40代・独身・女芸人という肩書ながらエッセイを書いている時には6畳一間に2人暮らしというのも更に驚きました。この年代になると別の部屋が欲しいと思うところだが。。。 エッセイというとこで、日常生活における些細な小競り合いとか、お互いマイペースながら気になるところとかをそれぞれの目線で交互に書かれている所が面白く、その内容が想像しやすく、思わず「細かすぎるけど確かに気になるなあ・・」と思う事が多々あって面白いです。 一方でお互いの事だけでなく、ご近所さんのおすそ分けの餃子が人生で一番おいしいという話、美容室のスタッフの話、中華料理屋さんのご婦人が亡くなり、人生の大切さを教えてくれる話など、ほのぼのストーリー以外も読んでいて面白いですし、本人たちが書いた書き下ろしの小説までも掲載されており、こちらは読みやすく平和な日常を感じる楽しい作品です。 読書の秋に何か読んでみたい方にお勧めします。日常を描いた作品としては絵本?ではありますが、矢部太郎氏の「大家さんと僕」もおすすめですよ。 阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし (幻冬舎文庫) 作者:阿佐ヶ谷姉妹 発売日:2020年2月6日 幻冬舎