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HITOTSUを選んだ背景と今後への期待 ~先行パイロット利用評価~

独立行政法人 地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター
副臨床工学技士長 渡邉 研人さん 

東京都新宿区にある東京山手メディカルセンター は、病床数418床、医療機器約2000台を抱える地域中核病院であり、臨床工学技士は現在11名在籍しています。
医療機器管理業務、OPE室業務、ICU業務、透析業務、カテーテル室業務と様々な業務をこなし、忙しい日々を送っている渡邉さんは、業務の効率化を求めFileMakerを使って機器管理システムを作成し、機器管理を行ってきました。しかし、自作のシステムでは様々な課題と限界を感じ、市販の医療機器管理システムの導入を考えておられました。
 
今回のインタビューでは、実際にHITOTSUを利用しようと思ったきっかけから、今後の期待までのお話を聞かせていただきました。

他部署との関わりやセキュリティ面の課題解決に理解のある会社のシステムを導入したい


FileMakerで自作したシステム

■HITOTSUを利用したきっかけを教えてください。

2013年からFileMakerで自作したシステムを使って、医療機器の中央管理を行ってきました。
約10年が経過し、高機能を追求すればするほど便利になる反面、1人のスタッフに依存している状態は良くないと思うようになりました。
そして、より質の高い機器管理を実現するために、他部署を巻き込んだ業務改善が必要になっていましたが、個人の技術に依存する自作システムでは他部署まで含めた開発は不可能でした。
さらに昨今話題となっているサイバーセキュリティの対応まで手が回らず、最新のセキュリティを担保できていない状態でのシステム運用にもリスクがあると感じていました。

新たな課題を抱えて悩んでいましたが、最終的にこれらの課題を解決するためには、「市販品への乗り換えしかない」と考えるようになりました。
そして、課題解決のため、「他部署との関わりやセキュリティ面の課題解決に理解のあるシステム会社のものを導入したい」と思い、理想のシステムを探し始めました。

その時、偶然HITOTSU株式会社の田村代表と出会いました。
田村さんは、臨床工学技士としての臨床経験が豊富で、実際の現場課題を目の当たりにして課題解決のために起業しているので、私と同様の課題感を持っていました。また、理念に「医療にかかわる人々をひとつに」を掲げて、医療機器業界DX(Digital Transformation)を目指している点においても共感し、田村さんと共創することでより良いシステムが作れると確信して、HITOTSU株式会社のシステムを先行パイロットとして利用することに決めました。

左)渡邉さん          右)HITOTSU株式会社
                           代表取締役 臨床工学技士 田村


■クラウドに対する不安はありませんでしたか?

つい先日、医療機関を狙ったサイバー攻撃で、電子カルテシステムがランサムウェアに感染したことで、診療がストップした件は業界全体に衝撃を与えました。

まず、HITOTSU株式会社のシステムは電子カルテシステムと紐づかないので個人情報は入りません。だからといってセキュリティを疎かにしているわけではなく、機微情報を扱う保険業界で基幹システムを開発し、DXをリードしてきた技術責任者がシステムを設計しているため安心です。
また、システムのアップデートはHITOTSU株式会社側で行われ、常に最新のシステムが利用ができるので、クラウドに対する不安はありません。むしろ、オンプレミス*よりも、セキュリティに精通した専門家が作るクラウドのほうがセキュリティリスクが低いことを丁寧に説明してもらえて、目から鱗でした
さらにはクラウドのメリットを活かし、未来を見据えたデータ活用を考えた上でシステムを設計しており、クラウドの有用性を最大限に発揮するための知識と技術を有する企業だということが分かりました。

*オンプレミス:サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に機器を設置して運用すること

社員が若くかつ開発経験十分なスタッフで構成されており、いわゆるデジタルネイティブ世代によるUI/UX(User Interface/User Experience)を意識したシステム構築も魅力

■HITOTSUを利用をしてみて良かった機能や今後の期待を教えてください。

クラウド型医療機器管理システムと一口に言ってもその性能は千差万別です。何社かのシステムを触らせてもらったことがありますが、うちいくつかは、「この程度のシステムなら自分がFileMakerで作ったシステムのほうがマシ」と思うものもありました。

その点、HITOTSUは見た目も洗練されていて視認性が良く、使い勝手も申し分ないと思います。

私が自作したシステムやオンプレミス型では、いろいろな機能やデータを追加していくと、重たくなり動きが遅くなってしまうのですが、HITOTSUは普段スマホで使用しているアプリケーションと引けを取らないくらいサクサク動作します。このようにサクサク動作するシステムを作れる開発チームにもすごく期待感を持っています。

また、サクサク動作するだけでなく臨床業務のことを理解している田村さんもいますので、UI/UXを意識した一目で把握できる画面構成は臨床業務で忙しいスタッフにとっては非常に助かりますし、医療機器管理における法的要件を全てカバーした監査等に対応可能な仕様も良い機能だと思います。

将来的な機能として期待しているのが、BI(Business Intelligence)です。
現時点でもダッシュボード画面でBIのような機能がありますが、今後はBI機能をさらに拡充させ、Clinical decision support systemのように、より良い医療機器の管理・運用をシステム側から提案してくれるような機能の追加を期待しています。

臨床業務に携わった経験をもつ田村さんの存在は大きかったです

■HITOTSU株式会社はどんな存在ですか

仲間、パートナー、運命共同体といった存在です。

HITOTSUは現場の業務改善に留まらず、経営改善をサポートする機能の開発に力を入れていく計画とお聞きしています。私も自作システムを使った経営改善に資する機能を開発しているので、今後もノウハウなどの提供を通じて1パートナーとしてHITOTSU株式会社と共に邁進していきたいと思います。

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