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日本人は何故外国製品を好むのか?今こそ国産回帰の時!

前の記事で「日本人の輸入品大好きの謎」に触れました。何故そうなったの考察します。あくまで仮説です。

生産拠点とともに円安メリットを失った日本

「日米貿易摩擦」を生ずるほどに、日本はかつて貿易黒字大国でした。しかしながら、2012年ころから貿易収支に赤字が見られるようになりました。下のチャートの赤い棒が貿易収支ですが、2012~2015年、2022~2023年で赤い棒グラフがマイナス側になっています。

この主要な原因が日本企業の生産拠点の海外移転によるものと言われています。貿易赤字の一方、プラス側で目立っているオレンジの棒ですが、「第一次所得収支」と呼ばれるもので、海外移転された生産拠点が稼いだ収益です。

海外生産の収益の多くは日本に戻らず、そのまま海外拠点で再投資されるとのこと。そのため、貿易黒字と異なり、円高を誘導する効果はないと言われています。

日本に生産拠点があれば、円安環境下での輸出で大稼ぎできるはずですが、現在はそれも叶わず、円安にも歯止めがかからない状況、と言うわけです。

よく言われるように、日米金利差(米国の高金利、日本の低金利)が円安の発端ですが、かつてのように「日本からの輸出」で円相場を押上げバランスする、と言うメカニズムが失われているという現状です。

輸入品がもたらす代えがたい価値

輸入品のお陰で日本人の生活が潤っている面も確かにあります。国内産の牛肉では安い牛丼を食することはできないでしょう。

また、Youtubeのお陰で多様な情報やノウハウを入手できますし、発信ができます。また収益を得ることもできます。

chatGPT等の優れた生成AIのお陰でプログラミングが効率的に行えたり、長大な論文やweb情報の要約や知りたい情報の抽出が手軽にできるようになります。

これらは国内製品から得ることができない価値であり、貿易がもたらす代えがたい価値と言えます。

考察:何故に日本人は海外ブランド好きなのか?

一方で、日本/海外製品いずれかを選択できるケースも多々あります。

貿易には、日本企業にとってのライバルに日本市場への参入機会を与え、日本の製造業にとって損失をもたらすとういう、もうひとつの側面もあります。

輸入品へのアクセスは円高であればあるほど容易です。長らく続いた円高(ここでは「ドル円<120円レベル」を円高とします)のため、日本の消費者は手軽に海外ブランド品を入手できた面があります。


また長らく続いた日本の貿易黒字ゆえに「日米貿易摩擦」というものがありました。米国を中心に「日本の市場は閉鎖的」との批判が展開されました。これが日本市場への海外製品の浸透を促したのかも知れません。

無意識のうちに、我々は海外ブランド品選択の圧力に抗しきれなくなったのかもしれません。

以上が、日本人が海外ブランドに親しんできた背景と考えます。

また長らく続いた円高を抑制する意味でも輸入品の消費には合理性があり、このことも日本人が海外ブランドを選択してきた理由なのかもしれません。

日本の国産品に回帰すべき時

しかしながら、日本政府・日銀は今、ドル円相場の安定(=急激な円安の抑制)に苦慮しています。

これまでも「円高の抑制」のため政府・日銀による市場介入が行われてきましたが、「円安の抑制」を目的とする市場介入は非常にリスキーなものとのことです。一歩間違えば「通貨危機」の引き金になりかねないとのことです。

いち市民としては、円安進行を抑制するためにも、優先的に国内産品を選択すべき状況と考えます。

もちろん、国内産品で代替できるケースに限っての話です。また海外ブランドであっても日本に生産拠点がある分には日本製ですので問題ありません。

さらに言えば、例えばこれまで(輸入)小麦粉で作られてきた多様なパスタ・麺類に加え、米粉ベースのパスタ料理開発を活性化、輸入依存からの脱却を進めることも有るべきかと。

またこれは、訪日観光客への「グルテンフリー」ニーズへの対応にもなり、決して押し付けにはならないはずです。



補足:
◇ 記事で使用されている図表はexcelまたはpythonコードで作成しています。
◇ 記事で使用されているイラストはDALL-Eを利用し作成しています。


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