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仮題『リヴァイアサンの埋葬』イベントマスターノート

暗夜迷宮、楽しかったですね!

現在2023/6/7、暗夜迷宮は絶賛クライマックス中ですが、私は一足お先に失礼しています。

私ひとしろは、作戦番号634齋藤君洋(仮称:リヴァイアサン)のプレイヤーでした。お付き合いありがとうございました。

五歳児系ガリガリゴボウおじさん怪異

私は暗夜迷宮にて、ユーザー主導イベント(以下イベント)の主催に初挑戦しました。それが仮題『リヴァイアサンの埋葬』です。

フォントはみんな大好き源界明朝

暗夜迷宮は個人開発とは思えないほど充実したUIとルーム管理機能があり、イベントがたいへん盛んでした。齋藤はいつもどおりノープランでしたが、いろいろなところで遊んでいただいた結果、最後にド派手な花火を打ち上げようと考えました。

結果、イベントマスターのキャラクターを除き、

  • 対策本部ルーム参加者63名

  • ゲームシステム参加者50名

という大所帯のうえで、目立った混乱もなく、イベントマスターもプレイヤーも楽しんで終えられたと考えています。

齋藤君洋というキャラクターについては、(書く気になったら)別記事に譲るとして、今回はイベント「仮題『リヴァイアサンの埋葬』」をどのように設計し、どのようにマスタリングしたのかをまとめます。

イベント開催こそ初めてですが、TRPGでのGM経験もふまえ、いち素人による知見としてまとめました。定期更新型ネットゲームや、類似ゲームのイベント開催の参考になれば幸いです。

※ ユーザー主導のイベントの主催者は一般に「GM」と呼ばれますが、ゲームサイト管理者としての「GM」との混同を避けるため、当記事では以降「イベントマスター」と呼びます。

0. TRPGのセッションと定期更新型ネットゲームのイベントの差異

イベントによく似た遊びとして、TRPGのセッションがあります。おそらく定期更新型ネットゲームのイベント文化は、TRPGからの輸入ではないでしょうか。しかし異なるフィールドである以上、大きな差異がいくつかあります。

ゲーム内イベントである

たとえば暗夜迷宮であれば、「暗夜迷宮」というゲームの枠組みの中で、小規模なゲームを開催する、というかたちになります。当然、参加者はあくまで「暗夜迷宮」の参加者であり、「暗夜迷宮」に登録されたキャラクターです。TRPGでは(持ち込みや継続等ありますが)おおむねセッションのためにキャラクターを作成し、キャラクターはセッション内でのみロールしますが、定期更新型ネットゲームでは、イベントは一時的にその場にいるだけ、文字通り「イベント」なのです。

イベントマスターがゲームシステム設計する

たとえば「暗夜迷宮」であれば、「暗夜迷宮」というゲームのUIや機能の制約のなかで、小規模なゲームを自作することになります。ロールのみ進行でも、ロールのみなりの設計があります。ダイスを使うなら、さらに厳密なシステム設計が必要です。さらにプレイヤーへのシステム説明文を作らねばなりません。

イベントマスターがシナリオを書く

TRPGでもGMがシナリオを書くことはありますが、イベントではまず100%イベントマスターがシナリオを書かねばなりません。

同一シナリオで複数回プレイされることはない

TRPGでは、配布・販売シナリオは不特定多数のプレイヤーによって何回も開催されますし、時には同GM・同プレイヤーでもキャラクターを変えて同じシナリオを遊ぶこともあります。しかし、イベントは基本的に1回ぽっきりです

イベント外に影響をおよぼす

ゲーム内イベントである以上、キャラクターはイベントで経験したことを即座にイベント外で反映します。パブリックルームで話に出したり、ときにはキャラクターの進退を変えたりします。イベントの醍醐味であり、リスキーな点でもあります。

参加者が全員そろわずに進む(対話進行除く)

TRPGと同じように、イベントマスターと参加キャラクターが対話しながら進む場合を除き、参加者はバラバラに出入りします。一部参加者のみで会話しますし、イベントマスターが見ていない間に思わぬ方面へ話が盛り上がったりします。

不特定多数を相手にする(身内限定除く)

身内限定ではなく、ひろく参加者募集をかけるなら、必ず不特定多数を相手にすることになります。たとえレイドなどで人数制限をかけるにしても、いわゆる「対策本部」や「会議室」ルームを出入り自由にするなら同じことです。想定外のコトは必ず頻繁に起きます

1. イベントで実現したいことを決める

イベントで実現したいことをハッキリさせます。あくまでイベントマスターが実現したいことであって、プレイヤーにとってのイベント目的ではありません。私はこうです。

友好的怪異の背信に対し、キャラクターの十人十色の反応を見たい!

ミソは「十人十色の反応を見たい」という点です。ここを叶えるために四苦八苦、七転八倒することになります。

2. イベント概要を決める

参加人数制限なし

いろいろな反応を見たかったので、参加人数制限はナシにしました。ありがたいことに、齋藤はあちこちのイベントに後方支援として顔を出し、面識があったので、参加したいプレイヤーはみんな参加してほしいなあ、という気持ちもありました。

キャラクター面識不要

これもまたいろいろな反応を見るためと、参加したいプレイヤーはみんな参加してほしいなあ、という気持ちからです。

期間は一週間程度

プレイヤーが土日休みでも平日休みでも参加しやすく、中だるみしない程度の長さということで、開催期間は一週間程度にしました。

出入り自由

これもまた、門戸を広げるためです。いつから参加しても、いつ参加し終えても、システム面で問題なく、かつロール上不自然でない形にしようと決めました。

リアルタイム進行と置きレス進行併用

これもまた、門戸を広げるためです。プレイヤーの都合のいいときに進められるようにしました。

マスターレス

イベントマスターが常時応対できないので、基本的な進行はマスターレスで進められる必要がありました。

3. イベント目的を決める

これまでの諸条件をふまえ、プレイヤーにとってのイベント目的を設定します。本イベントではこうです。

作戦番号634仮称:リヴァイアサンの背信による被害に対し、各々の立場でのRPを楽しむ。

  • 参加者が不特定多数

  • プロットが複雑(単純に「敵を倒して終わり」等ではない)

の両方を満たすとき、プロット作成やゲームシステム設計、また本番のマスタリングが煩雑になりがちです。このとき、

  • 自分(イベントマスター)は何をしたくてイベントを開催したのか

  • プレイヤーは何をしたくてイベントに参加するのか

を明らかにすることで、設計およびマスタリングの指針となります。

実際のプレイヤー向けイベント概要。イベント目的は冒頭に記載。
対立要素やグロテスク要素など、人を選ぶ要素も明記しました。

4. プロット作成

シナリオをどこまで作り込むかはイベントマスターによって異なるでしょう。私はプロット(骨子)で済ませるタイプです。マスターは自分だけ、それに1回しか回さないのですから、自分がわかるメモ程度で十分です。

さて、私はどんなメモを残していたか……

…………。

95%を脳内で済ませていたようですね。あるある。

いまここでざっくりプロットを書き起こすと、

  1. リヴァイアサンによりマンションが異界化

  2. 民間人200人以上が異界に取り残される

  3. 退魔師に民間人救助とリヴァイアサン討伐の緊急召集がかかる

  4. 異界を探索し、民間人を助けて、リヴァイアサンの核を破壊する

  5. 調査が進むと、討伐命令が再収容命令に切り替わる

  6. 退魔師の選択によって、結末が変わる

このぐらいですね。プロットはあらすじではないので、最初から最後までとにかく書くのが肝心です。ただ当イベントはマルチエンディングをシステムに組み込んでいたので、最後はフワッとさせています。

5. ゲームシステム作成

ベースは根津山システムを採用

「根津山システム」とは、作戦番号504神々廻逢魔プレイヤーさんが主催した、「根津山」に関する一連のイベントで用いられたシステムのことです。おおまかに特徴を述べると、

  • キャラクターはHPを持つ

  • 進行は1d6のランダムイベント(マスターレス進行

  • 敵はHPを持たず、戦闘判定ではダイス1回で勝敗を決める。

システム流用はフリーだったのと、本イベント概要との相性がよかったので、採用しました。

ソロ・ペア探索システム

システムの簡素化のため、探索は1人または2人に限定し、それぞれの「あそびかた」を明記しました。

ソロとペアであそびかたを分けました
ペアはステータスの一部をリーダーと共有

SPスキルシステム

プレイヤーが管理すべきパラメータを減らすため、システム面での特殊アクションはSPスキルとしてまとめました。

実際のSPスキル説明

汚染システム

パラメータ爆増要因です。これはイベントマスターの性癖に関わるので削れませんでした。

キャラクターは探索するたびに汚染ダイス表を振り、該当する汚染を得ます。なお重複しようが汚染は累積するので、探索すればするほどキャラクターの様子がどんどんおかしくなるというわけです。

実際の汚染ダイス表
ペア表には傷つけあってほしいというイベントマスターの性癖が込められています

また、1日の探索回数制限を設けない代わりに、探索回数に応じた汚染を最初から獲得するようにし、擬似的な探索制限としていました。

各汚染のペナルティはそれなりに強烈ですから、汚染5~6個、せいぜい10個も溜まれば探索中断するは

汚染度19……?
?????
おかしいな…………。

想定外のコトは必ず頻繁に起きます(復唱)。

貢献度システム

  • キャラクターの十人十色な反応が見たい

  • プレイヤーが安心して、桔梗院に反する行いをできるようにしたい

  • キャラクターの行いを物語に反映させたい

  • 不特定多数のキャラクターに不毛な会議をさせたくない

  • イベントマスターによる細やかなロール対応はできない

これらを解決するために考えたのが、貢献度システムです。ざっくり言うとマルチエンディングスコアアタックです。

前提として、キャラクターが本来取るべき方針をハッキリさせます。当イベントでは桔梗院からの命令が該当します。

プレイヤー書き込み禁止の専用ルームを作って明示

それに対して、キャラクターが取れる行為を示します。当イベントでは、紆余曲折ありましたが、最終的には以下の3つに集約されました。

  • 桔梗院に従い、リヴァイアサンを再収容する

  • 桔梗院に反し、リヴァイアサンを討伐する

  • 桔梗院に反し、リヴァイアサンを逃がす 

そして、探索によって得られるスコアをこれら好きな行為に入れることで、行為によって導かれるエンディングの比重を増すシステムです。

実際のキャラクターが取れる行為の最終説明
「点を入れて未公開情報を明かす」という表書きだったものの、本質はスコアアタック

貢献度システムのメリット

  1. キャラクター間の対立をシステム面で吸収できる

  2. プレイヤーおよびキャラクターがやるべきことがハッキリする

  3. イベントマスターがロールで対応する手間が減る

貢献度システムのデメリット

  1. プレイヤー間の競争になる

  2. 良くも悪くもキャラクターのアクションの幅が狭まる

  3. あきらかにスコアの少ない行為に属するプレイヤーのモチベーションが下がりがち

  4. 集計がたいへん

2はメリットでもあるので無視、4はロールの手間との引き換えとして許容しましたが、1と3は本番でもケアしました。

勝者総取りではないことや、プレイヤー間の競争が主旨でないことを明言したり
あきらかにスコアの少ない行為に参加したキャラクターに、そのことをカッコよく予告したり

後方支援システム

異界突入せずに雑用や治療ロールプレイをしたい、いわゆる後方支援組も、貢献度システムにダイス一発で参加できるようにしました。

実際の後方支援あそびかた

持ち帰り狂気システム

せっかくなら対策本部でもおかしくなってもらおうということで、異界からの帰還時にランダムな狂気を得るシステムを作りました。パラメータに影響のないフレーバーでしたが、対策本部がたいへん愉快なことになりました。

実際の狂気ダイス表(最終)

6. ルーム作成

権限管理

「暗夜迷宮」には驚くほど充実した権限管理機能があったので、活用しました。ただでさえ本番は忙しいので、システムで予防できるミスやトラブルは、ぜひシステムで解決しましょう。

たとえば、イベントの親ルーム・未開放の異界・探索終了した異界・お知らせ用ルームなど、プレイヤーに書き込んでほしくないトークルームはすべてメッセージ送信を禁止しました。

イベント用NPCなど、特定のキャラクターのみ発言を許可したいなら、別途権限を作る

また、全ルームで秘話禁止にしました。秘話はルーム管理者もメッセージを閲覧できません。キャラクター間対立要素ゆえにトラブルの種になりますし、「友好的怪異の背信に対し、キャラクターの十人十色の反応を見たい!」という、イベントマスターが実現したいことが叶えられません。よって秘話の代わりに、「リヴァイアサン対策本部 裏手」というナイショ話専用ルームを設けました。イベントマスターの願望のためでもありましたが、結果として他プレイヤーさんからも好評いただきました。

実際のトークルーム情報
ツリー進行を推奨し、会話の盗み聞きを禁止しました

トークルーム情報フォーマット統一

ただでさえ情報量の多いイベントなので、読みやすいようフォーマットをある程度統一しました。特に「シチュエーション」と「あそびかた」は明記し、プレイヤーが迷わないようにしました。

7. 画像・テキスト準備

必要な画像やテキストを準備します。どこまできちんと用意するかは、イベントの性質やイベントマスターのスタイルによるでしょう。私はシステムの骨子は完成していたのと、どうせ物語はアドリブまみれになるだろうと考えて、汎用的な敵アイコンなど、最低限しか用意してませんでした。ライブ感で生きています。

8. 本番:想定外のコトと対処

スコアアタックが早すぎる

退魔師、汚染の蓄積ごときではまったく止まりません。想定の三倍速ぐらいのペースで貢献度がどんどんブチ抜かれます。しかもスコアアタックに応じて情報を公開するというシステムにしたので、前もって準備した未公開情報が早々に足りなくなるのは目に見えていました。よって、以下の手を打ちました。

  • 情報公開に必要なスコアを1.5倍~2倍にする

  • 未公開情報を増やす

    • NPCや齋藤のバックグラウンド関連

    • 探索イベントで新規追加した要素について(次項で記述)

    • その他、物語に直接は関わらない細々とした設定

最終的に、あらかじめ用意したものの2.5倍ぐらいの情報量になりました。

探索イベントがマンネリ気味

想定の三倍速ぐらいのペースで貢献度がブチ抜かれたおかげで、3ステージ目で再収容に舵を切ることになりました。早い。

困ったのが探索ダイス表です。出目5️⃣の探索イベントが、閉ざされたドア→核サンプル回収と変化したのですが、ここでまたドア破壊に戻すのも芸がない……そもそもバールのようなものを配布しちゃってるし……

閉ざされたドアイベントを消してもロール上で矛盾が生じないように配ったやつ

ステージが進むにつれて、敵のビジュアルが人間寄りになることは予め決めていました。

1F~6Fのみなさん
齋藤がよく使っていた小動物の情報が呪素で再現されたもの
7F~9F、擬似夢異界のみなさん
齋藤の意識が統合されるにつれ、人体に寄っていっている

じゃあ人体パーツそのものを出すか! とライブ感で決めたのが「5️⃣できそこないの人体のようなもの」です。

5️⃣、ライブ感の産物

これの由来などは後付けで考えていました。オデ、アトヅケ、トクイ。イツモノコト。未公開情報ネタが増えたのは良かったものの、その場で書くべき文章量が跳ね上がり、手首が痛くなったのは良い思い出です。

救助ペースが早すぎる

被害者をシステムで救助できるとき、具体的な数字は諸刃の剣です。数字はインパクトありますし、プレイヤーのモチベーションになりますし、当イベントのように立場が分かれるときは、キャラクターの判断基準になります。その代わり、誤魔化しが効きません。

当初の張り紙(下書き)
シンプルに大災害
数字を出すと話題にもしやすい

もちろんある程度の参加者を想定し、確率を計算したうえで200という数字を出しましたし、「以上」をつけてバッファとしました。しかし常に退魔師は想定を上回ります。

バカ!!!!!!!

なんということでしょう。救助数(=救助人数)が9Fまでで261人になってしまったではありませんか。当初は1階ごとにおよそ20人という想定でしたが、ラストダンジョンたる10Fに20人や30人ぽっち置いたところで、このペースではGMがストップかける前に秒殺でしょう。そのためだけに探索イベントを途中で変えるというのも、手間ですし、わかりづらいです。

なら10Fは無人にしよう!

現実のほうを変える

結果的に、「民間人救助」と「リヴァイアサン再収容(ないし裏工作)」という二大基軸が一本に絞られ、クライマックスに向けた弾みとなりました。

ステージクリア速度が早すぎる

救助ペースが早すぎるということは、ステージクリア速度も爆速だったワケです。イベントマスターの都合上、ラストダンジョンたる10Fは金曜日夜に開放しようと考えていました。しかし7F~9Fは木曜日にオーバーキル。さてどうしましょう?

答え

新ステージを追加しました。ちょうどNPCおよび齋藤のバックストーリーを公開情報として展開していたのと、夢のお医者さんのおかげで夢の力に縁があったので、「擬似夢異界:『▓▓家』」というステージを急造しました。

実際の探索表
要救助者イベントを、NPCや齋藤の過去にまつわるフレーバーに取っ替えている

システムのフォーマットが確立していたおかげで、破綻なくステージを追加できました。

再収容派のメリットが見えづらい

第9回更新日記より

「意思のある生き物を殺したり、辛い目に遭わせる」ことへのハードルは想像以上に高いです。いくら重大な犯罪行為に手を染めていたり、存在自体が危険であるとアピールしても、ほぼ100%、だれかが同情ないし手助けしようとします。いわんや齋藤をや。

当イベント用Discordサーバーで、こんな話が出ました。

一部加工済み

当時の桔梗院からの命令は再収容でした。個人的に仕事に徹するプロフェッショナルは性癖ですが、キャラクター間対立において、組織に従うサイドは薄味になりがちです。たしかにそれはそうと納得したので、

安請け合い

いくつか情報を盛りました。

敵性怪異で治療呪具を作れる可能性を示唆してみたり
(それはそれでバイオハザードにならない?)
フレーバーテキストでも鼓舞したり
最終的に一部脱走オチになったので
がんばりは無駄ではなかったよ! とフォローしたり

いわゆる正義サイド、正道サイドは損をしがちなので、より意識してケアしました。

敵がマンネリ気味

実は7F~9Fの敵と、10Fの敵は同じ予定でした。しかし「擬似夢異界:『▓▓家』」を追加し、そこで7F~9Fの敵をそっくりそのまま使い回したことで、「同じ敵が3ステージ連続」の危機に陥ります。良いっちゃ良いんですが芸がない。でもいまから敵ネタを考える余裕も、アイコンを描く時間もない。

そうだ、齋藤を出そう。

実際の探索ダイス表

ということで残機無限の齋藤を出しました。遭遇ダイス表は齋藤の繰り出すワザに置き換え、アイコン問題も解決しました。

これまでのステージとは一味違うぜ! 感を出す

一応、ネタ切れ以外にも、齋藤を出した理由はいくつかあります。

キャラクターが齋藤に会って話せるチャンスを作りたい
当初の予定だと、10F開放直前にロールバトルする神々廻逢魔さんしか会うチャンスがなく、いくら贔屓でもアンバランスだと考えました。

齋藤とキャラクターを戦わせて、異能の悪質さ・強さをアピールしたい
齋藤が実際にどんな戦いをするのか、ごく一部キャラクター以外は知らない状況だったので、せっかくならアピールする機会としました。

イベントボスとしての格を上げたい
フリーザ様も最後は直接戦いますからね。

ここで問題になるのが、イベントマスターはロール対応したくない件です。

  • 齋藤に話しかけてほしい

  • ロール対応するヒマはない

  • でも気が向いたら返事したい

  • ロールでキャラクターの探索を中断させたくない

  • 期間は決まっているから、いつでもロールをぶった切りたい

これらの要件を叶えることなんて……できるわけが……

できる!!!!

「全員無視するし無言で襲いかかる」という前提を作ることで、これらの要件をクリアしました。

ロール上でも、齋藤からの手紙にて意思疎通不可を明示

結局、8割ぐらいにお返事しました。とはいえ、イベントマスターのプレッシャーを軽減する効果はずいぶんありました。

夢のお医者さんクソデカメガホン事件

最終日を目前に控えた夜、それは突然やってきました。

通知を突き破るクソデカボイス
無視することが困難なクソデカボイスにすることで返事させるライフハック

夢のお医者さんは齋藤に、「逃亡を手助けする人に協力して(要約)」と持ちかけました。

意地張ってる齋藤 VS 合理的協力ゴリ押し夢のお医者さん

TRPGではPCからの無茶ぶりあるあるですが、不特定多数相手のイベントでは、軽率な対応は考えものです。前例がひとつできると、不特定多数から無茶ぶりされるおそれがあります。ここは慎重に……

…………。
私がこのイベントの神(イベントマスター)です!!!!!

一応、ノリと勢いと好み以外の理由としては、

  • 再収容組と討伐組は達成見込みだったため、不公平感を軽減できそうだった

  • イベント最終日直前だったため、これ以上無茶ぶりされる時間はなさそうだった

  • イベント最終日直前だったため、バランス崩壊しても全体への影響は少なそうだった

  • 夢のお医者さんのクソデカメガホンロールプレイなら他プレイヤーに対しても説得力がありそうだった

があります。

こうして、脱走組には戦闘の判定目標値を半分にするというルールを新設しました。

激甘

イベントマスターとしては「楽に貢献度を稼げるようにしたから、出撃回数を重ねてチマチマ稼いでほしい」と考えていました。しかし、実際には一回あたりの貢献度がせいぜい3~6程度に対し、脱走組だけ貢献度2桁続出という事態に陥り、対策本部に不信が渦巻くことになりました。

平素はだいたいこのくらいの貢献度に対し
20……20!?
手加減という言葉を知らない退魔師たち
あふれる不信感。そりゃそう。

これはこれで面白かったですが、最終日直前でなければもうひと悶着あったでしょう。危なかった……。

9. エンドロール

エピローグと結果はイベントマスターによるロールで提示しました。再収容組・討伐組・脱走組ともにスコアアタッククリアしたので、齋藤含めて痛み分けエンドにしました。

特に文章など用意していなかったどころか、「痛み分けにしよう、モブは最低ひとり殺そう」ってぐらいで具体的な展開もあまり決めていなかったので、21時ごろから始めて翌1時まで延々とソロールする羽目になりました。アドリブは計画的に。

一週間で積み上げたスコア、2000over
〆は映画のエンドロール風にしていました
どっとはらい

10. オマケ

狂気の対策本部セリフ集

ログ公開フリーの参加者のセリフを集めました

頭のヤバいおもしろいロールがたくさん飛び交った対策本部でした。

イチャ部屋オチ

はい。

最後の最後でギャグ挟まないと死ぬ病が発症しました。許可くださった関係者各位、ありがとうございました。

11. 最後に

長々と書きましたが、要はイベントマスターとプレイヤーが楽しんで終えられるのが一番です。終わりよければすべてヨシ。今後も類似ゲームや続編に参加する機会ありましたら、イベント主催に挑戦したいですね。

イベント参加者のみなさま、および作戦番号634と遊んでくださったみなさま、暗夜迷宮の運営・開発のみなさま、本当にありがとうございました。