匿名メールアドレスの送受信 2022

僕が Gmail を使い始めたのは 16 年前。まだ利用をするには他の人からの招待が必要で、イギリス留学で知り合った香港人の友だちから招待してもらったのがきっかけだったと思う。

その後メインのメールアドレスとして使ってきたので、さまざまなウェブサービス等でこのメールアドレスを登録している。

そこで問題となるのがスパムメールだ。

スパムメールは Gmail がたいていうまくフィルタリングしてくれるが、ときどきスパムメールでないメールもスパムフォルダーに入ってしまう。だから定期的にスパムフォルダーをチェックしている。たいていはタイトルを見ただけでスパムかどうかは分かるので、メールを開かずに既読にしている。そのまま放置しておけば1ヶ月後にはそのメールは自動的に削除される。

スパムメールだと疑われるメールは決して開封してはいけない。タイトルだけで判別するべきである。判別が難しい場合はモバイル端末で閲覧するか、最初からすべてのメールの閲覧はモバイル端末を使うようにすればいい。ウィルス対策としてはパソコンよりもモバイル端末のほうが安全だからだ。

スパムメールが届く数は波があって、届くときは毎日のように届くが、届かない期間はまったく届かない。そしてスパムメールを開封せず、スルーすることがスパムメールの数を減らすことになる。

しかしできることならスパムメールを根絶したい。大元の犯人を特定したい。前述のとおり、長年に渡って多数のウェブサービスに Gmail のアドレスを登録してしまったので、犯人を見つけるのが難しい。

そこで最近はウェブサービス等にメールアドレスを登録する際は、匿名メールアドレスを使っている。AnonAddy や SimpleLogin などの匿名メールアドレスサービスを使えば、簡単に匿名メールアドレスを生成でき、そのメールアドレスに届いたメールは自分のメールアドレスに転送される。自分のメールアドレスをウェブサービスに直接登録せずに済むのだ。AnonAddy は無料版でも生成できるメールアドレスの数に制限がないので、ウェブサービスごとにメールアドレスを作ればいい。そのアドレスあてにスパムメールが届けば、そのウェブサービスがスパムメールを送りつけてくる犯人だと分かるわけだ。

そういうわけで新規にウェブサービスに登録する際はもちろん、過去に登録したウェブサービスも匿名メールアドレスへ変更するようにしている。

AnonAddy や SimpleLogin は有名な匿名メールサービスなので、なかにはそこで作った匿名メールアドレスを登録できないウェブサービスもある。そういう場合は、SimpleLogin なら無料版でも独自ドメインを使った匿名メールアドレスの作成ができるのでそれを使えばいい。あるいはレンタルサーバーのメールを使う方法もある。僕はスターサーバーを使っているが、スターサーバーでは一番安い「エコノミー」プランでも独自ドメインでのメールアドレスを 200 個まで作れる。そこでメールアドレスを作って、それをウェブサービスに登録すればいい。

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匿名メールアドレスは転送用のメールアドレスとして使うぶんには簡単だ。問題はメールの送信である。まれに登録したメールアドレスからメールを送信する必要性が出てくることがあるので、そういうときにメールの送信でやっかいな問題がある。

AnonAddy は無料版では匿名メールアドレスでのメール送信ができない。SimpleLogin は送信ができるが、そもそも SimpleLogin は無料版で作成できるメールアドレスが 15 個までとなっている。たくさん匿名メールアドレスを作りたい僕としては SimpleLogin は不便だ。有料プランにはできれば入りたくない。

そして SimpleLogin からメールを送った場合、相手先には「送信元を偽装したメール」として判断される場合がある。どういうことかというと、スパムメール扱いにされることがあるのだ。スパムメールと判断されると相手のメールのスパムフォルダーに入ってしまい、メールが読まれない可能性がある。実際に最近そのような状況になり、送ったはずのメールを読んでもらえていなかったことがあった。

Gmail にも Gmail 以外のメールアドレスを送信元としてメールを送る機能がある。つまり AnonAddy や SimpleLogin のメールアドレスからメールを送るようなこともできてしまう。しかしこの方法で送った場合も、相手先には「送信元を偽装したメール」として判断されてしまうようだ。

メールは確実に読んでもらえる状態にしたい。試行錯誤の結果、現時点で導き出した解答は前述のレンタルサーバーのメールアドレスを使う方法だ。

スターサーバーの場合、独自ドメイン(自分で他のドメインレジストラから取得したもの以外に、スターサーバーで無料で使えるドメインがある)のメールアドレスを大量に作れる。個々のメールアドレスは自分のメールアドレスに転送する設定ができるので、自分の Gmail に集約することができる。

さらに作成したメールアドレスにはウェブメールとしてアクセスできるので、そこでメールの送受信ができるのだ。そしてウェブメールで送信したメールは「送信元を偽装したメール」として判定されない、正真正銘のメールアドレスとなる。BCC に自分の Gmail アドレスを入れておけば、送信したメールも Gmail に集約できる。

ウェブメールにアクセスしてメールを送ることを手間だと感じる人がいるかもしれないが、僕の場合匿名メールアドレスからメールを送信するケースは滅多にないので問題ない。そしてスターサーバーのメールは SMTP サーバーを使っての送信もできる。僕はスターサーバーで作成したメールアドレスから送信する FileMaker アプリを自作した。このアプリは簡単に送信元メールアドレスを切り替えられるようにしている。大量のメールアドレスを管理できるわけだ。

なおスターサーバーで新規にメールアドレスを作成するにはブラウザからアクセスして作業する手間がある。そもそもメールアドレスを作成することはそう頻繁にあるわけでもないので良しとしよう。

以上が匿名メールアドレスで送受信をする、現時点での僕のベストな解答である。


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