[読書メモ]『ボケたくなければ「奥歯」は抜くな』(山本龍生)

p48
喫煙者は、非喫煙者の2~8倍も歯周病になりやすい、というデータがあります。

p48
たばこの煙には3000種類もの化学物質が含まれ、有害物質は200~300種類にのぼります。

p64
むし歯は、ミュータンス菌などのむし歯の原因菌が出す酸によって、歯のカルシウムが溶かされ、ついには穴があいてしまう病気です。/むし歯は歯周病と同様、重症になるまでは自覚症状が少ないため、初期には気づきにくいのが特徴です。

p72
歯が酸によって溶けることを酸蝕(さんしょく)といいます。[…]酸性飲料を頻繁に飲む人にも酸蝕が起こりやすいことが知られています。ヨーロッパの調査からは、ワインをよく飲む人に酸蝕が多いことが報告されています。

p79
口の中は、温度差が激しい過酷な環境です。/熱いお茶やラーメンは60度以上ありますし、アイスクリームはマイナス10度以下です。これだけで70度以上の温度差があります。

p90
アルコールが入っているうがい液もあります。表示成分に「エタノール」と書かれているものですが、アルコール含有のうがい液は、一日2回以上、35年以上にわたって使用すると、口腔がんを引き起こすリスクも指摘されています。

p101
よく毛先が細くなっている歯ブラシが売られていますが、毛先が細くなっているからといって、歯間の先まで毛が届くわけではありません。また、毛先が細いと腰が弱くなり、歯ぐきへの刺激も弱くなるので、私はあまりおすすめしません。

p102
ビジネスホテルや旅館などに置いてある使い捨ての歯ブラシは、磨くと歯ぐきがチクチクする場合があります。それは毛先を切断しただけで、丸く加工されていないからです。このような歯ブラシは、歯ぐきを傷つけるので使ってはいけません。

p123
パートナーがいる方や、親の介護をされている方など、ご自宅に一緒に住んでいる方がいらっしゃるなら、自分の歯の健康のためにも、時々「自分以外の誰かの歯を磨いてあげること」を試してはいかがでしょうか。

p144
TCHとは、「Tooth Contact Habit」の頭文字を取ったもので、上下の歯を無意識にくっつけた(接触させた)ままにする癖のある人のことです。

p148
寝る前にストレッチをするのも効果があります。ストレッチを習慣にすることで体がリラックスし、それによって寝ている間の歯ぎしりが減ったという人もいます。

p156
歯を残す技術は、歯を抜く技術よりもむずかしいのです。

p157
歯周病が気になっているなら日本歯周病学会が認定した歯周病専門医のいるところ、子どもの歯のケアに関しては日本小児歯科学会が認定した小児歯科専門医のいる歯科医院を選ぶといいでしょう。専門医の資格を持っているかどうかは、たいていその歯科医院のホームページを見ればわかります。

p181
朝食前にフッ素入り歯磨き剤で歯を磨くのは、起床時は口の中でむし歯菌が最も増えた状態となっているからです。就寝中は飲み食いをしないので、唾液の分泌量が少なくなり、そのためにむし歯菌が増殖するのです。

p187
予防歯科の診療室では、「抜歯すべき」と歯科の教科書に書かれている、グラグラになっている歯であっても、患者さんが「まだ、この歯を使いたい」「抜きたくない」と希望されたら、その意向を尊重して、私は極力「歯を残す診療方針」を貫きました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?