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一人親方が健康保険の費用を抑える方法と加入すべき保険とは

 一人親方であれば少しでも健康保険料を減らすことに興味があるでしょう。一人親方が健康保険料を減らす主な方法には減免申請、任意継続、建設国保の3つが挙げられます。一人親方の場合、病気やけがのリスクを考慮して健康保険に入っておくことが非常に重要です。方法として減免申請や任意継続することも一つの手ですが、もっとも現実的なのは建設国保に加入することです。

 一人親方であれば、さまざまな保険や経費を抑えようと苦心していることでしょう。とくに健康保険料が高いと感じている人は少なくありません。しかし、ちょっとした工夫で健康保険料を抑えることは可能です。
 当記事では、一人親方が健康保険の費用を抑える方法について詳しくご紹介します。

一人親方が健康保険の費用を抑える方法

 一人親方が健康保険の費用を抑える方法はいくつかあります。この方法を知っているだけで、かなりの費用を節約できるかもしれません。一人親方が健康保険の費用を抑えられる方法を3つご紹介します。

減免申請

 一人親方が健康保険の費用を抑えられる一つ目の方法は、減免申請です。減免申請とは一定条件を満たしている方に対して、健康保険料を減らす政策のことです。一人親方が健康保険料の減免申請を行うためには、世帯収入と世帯人数の条件を満たさなければなりません。
 もし一人親方の世帯人数が1人であれば、収入61万円未満の場合に保険料が5割免除、84万円未満で2割免除となります。一方、世帯人数が多く4人であれば、収入145万円で5割免除、237万円で2割免除という形です。
 ほとんどの場合、一人親方はこの基準以上の収入を得ているので、減免申請を行わなければならない状況はあまり生じないでしょう。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大など特殊な事情があれば、減免申請を行えることもあるので覚えておくとよいかもしれません。
 さらに、前年の年収と今年の年収を比較し、3割以上収入が減っている場合には、「退職、倒産、廃業、営業不振等にかかる減免」によって差額分の保険料が減免されます。

任意継続

 もし一人親方として会社に所属していたのであれば、任意継続を利用して保険料を節約する方法もあります。任意継続とは、所属していた会社の健康保険を最長2年間延長できるものです。
 会社を退職すると、保険料を全額支払わなければなりませんが、国民健康保険料と比較すると安いことがほとんどなので、任意継続を選択した方がよいでしょう。2ヶ月以上社会保険に加入しており、退職後20日以内に申請すれば任意継続が行えます。

建設国保

 一人親方が健康保険の費用を抑えるのに利用できる3つ目の方法が、建設連合国民健康保険組合、通称建設国保です。
 国内には職業別に国民健康保険組合があり、建設国保は建設業に携わる一人親方が加入できる組合なのです。
 組合が管轄している地区の一人親方であれば加入できる可能性が高く、国民健康保険と比較すると保険料が低いので、メリットが大きいと考えられます。

なぜ一人親方の健康保険は高いのか

 一人親方として国民健康保険に加入していると、保険料が非常に高いと感じることがあるでしょう。確かに、感覚としては、社会保険などと比較して国民健康保険の保険料は高いと考えられます。

 その理由について2つ見ていきましょう。

社会保険は会社と折半だから

 国民健康保険の保険料が高いと感じられる理由の一つは、社会保険料が会社と折半だからです。たとえば、会社に所属しているサラリーマンの月収が30万円だったとします。すると、健康保険料は約3万円です。
 この金額を会社と折半して払っているので、本人の毎月の負担額は約1万5千円ということになります。
 一方、会社を辞めて独立し、収入が35万円に増えても、約3万円の健康保険料は自分で全額支払わなければならないので、国民健康保険料は高いと感じるのです。

加入者に占める労働者の割合が少ないから

 国民健康保険料が高いと感じる別の理由は、加入者に占める労働者の割合が少ないからです。企業で働いている人は社会保険に加入しているため、国民健康保険料に加入しているのはパートやアルバイト、無職の人が多くなります。
 当然、収入が少ない、もしくはまったくない人の保険料は低くなる傾向があります。一方で、働いていて収入がある、時には高収入である一人親方の保険料は高くなってしまうのです。

社会保険等へ加入するメリットとは

 一人親方の場合、その多くが個人事業主であり健康保険は国民健康保険、年金は国民年金に加入します。
 しかし、サラリーマンなどが加入する社会保険に一人親方が加入することにはいくつかのメリットがあります。確かに保険料はかかりますが、メリットを考慮すると加入した方がよいという結論に至るでしょう。
 自分のみを守るという観点から考えると、社会保険への加入は必須といえるのです。では、一人親方が社会保険等に加入するメリットを2つ見ていきましょう。
 一人親方が社会保険に加入する方法は次章で後述致します。

医療保障を受けることができる

 社会保険に加入する大きなメリットは、医療保障を受けられる点です。 社会保険に加入していれば、ケガをした時に医療保障が受けられます。もし社会保険に未加入であると、高額な医療費がかかる場合もあるので、必ず社会保険等には加入しておくべきなのです。
 さらに社会保険等に加入していると、大きなけがをして一時的に働けなくなった時にも保障を受けられます。

老後や事故の備えになる

 社会保険等に加入していれば、老後の備えになり、万が一事故や病気で働けなくなった場合でもある程度の収入が期待できます。
 もし、社会保険等に加入していないと、年齢や事故、病気などの理由によって廃業せざるを得なくなった場合に、収入がまったく途絶えてしまうかもしれません。
 万が一の備えに、社会保険は非常に重要なのです。

法人化して協会けんぽに加入するのが理想

 一人親方が健康保険料を減らす方法はさまざまですが、もっとも理想的なのは、一人親方として法人化し協会けんぽに加入することです。一人親方であっても、法人化して社長になれば社会保険に加入しなければなりません。
 協会けんぽに加入すると、保険料が安くなるわけではありませんが、保険料を福利厚生費として損金に算入できるのです。
 確定申告の際に保険料を経費にできるので、場合によっては年間でかなりの金額を節税できるかもしれません。ただし、法人化して協会けんぽに加入すると、厚生年金も支払う必要がある点に注意しましょう。

まずは建設業国民健康保険組合への加入を検討しよう

 ここまで考えてきた減免申請、任意継続、法人化して協会けんぽに加入することは、健康保険料がやや安くはなるものの、そこまで大幅な節約になるわけではありません。
 一人親方として検討できるもっとも現実的な方法は、建設業国民健康保険組合に加入することです。 建設業国民健康保険組合であれば、一人親方のような個人事業主に特化したサービスが受けられるでしょう。 ただし、地域や組合によって保険料が異なる場合もあるので、前もってチェックしておくことが重要です。

まとめ

 一人親方も賢く保険料を抑えよう

 一人親方にとって、社会保険に加入することは非常に重要です。現在の仕事や将来のことを考えれば、健康保険に加入しておくのが望ましいでしょう。
 少しでも保険料の負担を減らすために、さまざまな方法の中から自分に合ったものを実践するようにしましょう。
 そして一人親方にとって忘れてはならないのが労災保険です。特に高所で作業したり、危険な機材を使って仕事をしたりする一人親方の場合は労災保険の特別加入は必須の保険と言えます。
 業務上のケガや疾病、通勤途上でのケガは労災保険の特別加入を使用し、それ以外のケガや疾病は国民健康保険を使用すると考えておけばいいでしょう。

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