正義の味方

「正義の味方は,いつも仮面をつけている。」


バイクに乗ったライダーも,女子中高生も,クモの糸を操る青年も,天才科学者も。

アニメに出てくる「正義の味方」は,いつも姿を隠している。


どうして,「仮面」が必要なんだろう。


「仮面」をつけることで,仮面をつけている個人の匿名性が保たれる。また,「仮面」自体が人格を持つことができ,「仮面」をつけている個人と切り離された「もう一人の個人」を作り出すことができる。


「仮面」をかぶることで守られるもの。

見えなくなることによって,みえてくるもの。

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そもそも,現実の世界で「正義の味方」なんて存在するのだろうか?


結局「正義の味方」なんて幻想で,絶対的に極悪非道な「悪人」なんていなくて,誰もが誰かの人生の中で大切な存在であり誰かの人生の中で悪い存在だ。

巨大化して怪獣と戦うヒーローだって戦場となる街ではビルを壊す破壊者で,「破壊行為」の観点からみると怪獣もヒーローも大差はない。

それなのに,怪獣だけ「悪者」扱いされるのか。

それはきっと,行為の意図が行為の良し悪しを判断する材料となるからだ。


だが,怪獣には怪獣なりの「正義(意図)」があってヒーローにはヒーローの「正義(意図)」がある。

こう考えると,一概に怪獣を責め立てることができないこともある。


ここで,道理に合わないことをしていると怪獣を非難することは容易だが怪獣の「正義」に寄り添って考えることもあってもいいのではないかと思うこともあるのだ。

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