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旅日記のはじまり

"The world is a book, and those who do not travel read only a page."

 古代ローマの神学者、アウレリウス=アウグスティヌスのこの言葉に倣うなら、私はまだ世界という膨大な本の1ページすら、読み終わっていないのかもしれません。というのも、私は生まれてから19年間、数えられるほどしか旅をしていないのです。
 記憶にあるのは、幼い頃に行った家族旅行、小学生のときの初めての海外旅行、修学旅行、そして数回のひとり旅ぐらいでしょうか。足を踏み入れた地はいくつもありますが、どれも"目的地に行くついで"だったりして、旅行と呼べるものではありません。

 でも、旅をするのは大好きです。知らない地にふらりと行って、街の空気や匂いを感じ、食を味わい、行き交う人々の装いを観察するだけで気分はるんるん。旅行に行くとその土地の魅力をたくさん見つけられて、毎回「帰りたくないなぁ。」と思ってしまいます。

はじめてのひとり旅。大好きな金沢・浅野橋。

 先日、本屋さんに行く機会がありました。特に買いたい本はなく、適当に本棚の間をふらついていた時のことです。旅行誌のコーナーが目に入ってきました。4年前、予約していた台湾旅行をコロナに台無しにされた私は、面陳されていた台湾のガイドブックを無意識に手に取り開きます。するとまぁ素敵。伝統的な台湾料理のお店、おしゃれな雑貨屋さん、きれいな夜景スポット...どれも行ってみたいところばかりです。
 ページをめくるたびに素敵な景色や食べ物が出てきて、まさに世界を本で旅しているような気分でした。そこでふと思ったのです。

「The world is a book」って本当じゃん!!

 世界を本で旅した私は、それからというもの、「死ぬまでに1回でも多く旅をしたい!」と思うようになりました。改めて考えてみると、"世界"というと海外のイメージが強いですが、近所の自然や建築物も世界の構成要素の一つです。だからとにかく気軽に旅に出て、ページを1枚でも多くめくって人生を締めくくりたい、と。
 それに、旅の仕方は人それぞれです。自分が見た世界の歴史や人々の営み、街の雰囲気をかき集めたらどんな読後感になるのか。読む前からこんなにわくわくする本はおそらく他にありません。

 さて、今度の旅はどこへ行こう?

 旅のなかで出会った人やモノ、風景をできる限り言葉や写真に残して、自分なりに『世界』を理解してみることにします。

            2024.3.19


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