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世界を変えるたった一つの冴えたやり方

人生最悪の映画ってあります?
僕にはあります。人類資金っていうんですけど。


M資金の話を聞いたときにはシビれた。かなり左側なうちの親父がボソッと呟いた「M資金か」に僕は全身全霊で反応した。M資金?!なんだそれ知らない。


wikiより

M資金(エムしきん)とは、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が占領下の日本で接収した財産などを基に、現在も極秘に運用されていると噂される秘密資金である。Mは、GHQ経済科学局[1] の第2代局長であった少将ウィリアム・マーカット[2] の頭文字とするのが定説となっている。その他にマッカーサー、MSA協定、フリーメイソン (Freemason) などの頭文字とする説などがある。

映画の予告は素晴らしかった。人類資金。私は高揚を隠しきれなかった。

「天才はいたのだ!」
「たった10兆で、現在の貨幣経済の歪みを正し、貧富の差を無くす冴えた一つのやり方。けれども恐らくそれを行う場合、各国の富裕層が黙ってはいないだろう。国連は機能するか?そも、現在の貨幣経済の歪みはどこで、何を弄れば全ての人間に富が行き渡るのか。観たい、10兆で質される世界!」

結果:途上国の子供達に10兆配れ

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という気分になった最悪の映画でした。僕の期待と高揚を返せ。


まぁでもみんな好きだよね。「世界を変える」お話。

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そう。世界を変えるなんて軽々しく口にしちゃあいけない。世界を知れば知るほど口にできるものじゃあない。シムシティーじゃないねんから。世界は勝手に変わるのだ、坂口安吾が言うように、子供が勝手に育つように、世界は勝手に変わっていく。だから僕は問う。変わらないものは何だ?

金本位制を変えて、モノの価値を再定義するべきか?では今、いわゆるサービス業で成り立っている人々は一体何を担保に食料にありつく?衣料に、住居に。バーニングマンが遠くで燃えてる、あれもまたヒッピーの夢のあと、知ってた?松尾芭蕉ってヒッピーの開祖なんだぜ。

ここで呪術廻戦の話になっちゃうけど、もし呪術廻戦がバーニングマンなラストを迎える事になってしまったら、僕はそれを無言で見送っちゃうだろうと思う。悲しみしか残らない。こんなに興奮出来て、こんなにハマれて、こんなに二次創作しちゃった作品が、実はバーニングマンでした、なんて目も当てられないから僕は言葉を紡げなくなる。五条悟も、釘崎野薔薇も、ウィードで気持ちよくなっちゃったヒッピー、虎杖クンに関してはど真ん中でDJやってる始末。伏黒君はちょっと強いの使ったんだね、切ないね。でも目が覚めたらそこは砂漠で、君はまた明日から普通のウィード吸っちゃってるただのジャンキーに戻るんだよ。呪いは祈りだ、だってそうだろ、これは魔術の話、アヌンナキとの約束だから、金本位制は覆らない。僕たちはまだまだ、金券という名の札束を集め続ける奴隷なのさ、それから逃げるなんて許されない。

世界を変えるんだってさ。

0年代セカイ系。僕と君との出会いと恋がこの世界全てのカギとなって、君を愛せば世界は終わり、君を離せば世界は変わる。ああ、なんてロマンチシズムだろうね、女性の僕からするとナルチシズムすら感じるこのむず痒さ、好きな人は好きだよねえ。

僕と君が出会って、世界を変えるたった一つの冴えたやりかたがあるとするならば、それはキスをする事だと僕は断言する。僕は女性なので、現実と空想のはざまにしかいられない。空想の空を僕が飛ぶことはない。どこかに現実という大地をしっかり見据えている。その意味で言えば、進撃って実に女性的な構成で紡がれている物語だと思う。

僕たちが出会い、僕たちの手と僕たちの生活を引き裂こうとする何がを、僕は赦さない。それがアヌンナキでも許さない。もちろん、それが聖書であるなら僕は迷わず聖書を焼くし、(ヘタレるけど)ジハードも辞さない。人間はそうやって生きていい。そんなの、様々な物語で紡がれてきたことだろ?

魔術の話に戻るけれど、追儺式、エクソシズムにおいて、特に日本に於けるエクソシズムについて、産土神は「殺していい」対象だ。うしとらでもブっ殺してた。人に仇なすありとあらゆるもの、神霊、精霊の類まで、追儺式では「殺していい」魔術は徹底して「人間の技術」であります。視覚化も幻視も人間が生み出した人間の技術。神殺しの逸話なんて枚挙に暇がない、僕たちは常に神を殺してここに立っている。

僕はさぁ、呪術廻戦に、ニーチェの影を見ているのだ。

「僕たちは神を殺した。ならば新しい神の名前はなんだ」

呪術廻戦には、彼の言葉がよくハマる。特にこれなんかまんまだよね。

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ツァラトゥストラにとって肉体そのものがひとつの大きな理性であり、精神とは肉体の道具に他ならない。

呪術廻戦での、肉弾戦の重要具合がここでバッチリハマる。真希さんの天与呪縛、なんかもそう。精神など肉体の玩具に過ぎないんだ。

なんて考察はしてみたけれど、それが全て外れてバーニングマンを見送る事になるかもしれない。僕は僕の老いと僕の後悔をその火にくべて、そこを立ち去ろうと思う。悲しい話だよね。そんな話になってほしくないからさ、世界平和と、環境保全と、ジェンダーと、ヒッピー文化と、嘘と愛に塗れた砂糖菓子のようなうんこなんて、今の僕には胸焼けがしちゃうんだ。ごめんな。


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