一人断腸亭日乗 7月3日 2019

九州じゃ7月3日には雨が降るという。

死んでしまった婆ちゃんが教えてくれたドマイナー二十四節、田んぼに水を貯めなきゃならないからその日は雨なんだそうな。そういえば水を張り始めた田んぼを最近は良く見かける。みかけるといっても昔ほどじゃない、昔の田んぼは見渡す限り青い葉が雨に揺れて、その周りでかえるが鳴いて、道路には山ほどのかえるの死骸があって、山ミミズが青黒い体を引きつらせながらその上を這っていた。

今の田んぼはまるで虫食い、雑草は伸び放題で、そもそも耕されてすらいなくて、水はけは悪くて、その癖ひび割れる、そんな「ただ囲まれているだけの土地」がここいらじゃ目立つようになった。

田舎を毛嫌いする人が多いようで、まぁ私も若い頃はそうだったな、と思う。都会に憧れ都会に疲れ、やがて田舎で癒される。ムシのいい話だな、と思ってしまうのはうちがとうとう田舎の人間に成り下がったからだろう。まぁらくだからいいけど。

田舎にいてもインターネッツは色々なものを運んでくる。最新情報、最新トレンド、良いものも悪いものも一緒くた、選ぶ人間によって情報は「いいかわるいか」決まるところあるよねそうだよね、そうして「悪い」と判断したものに関して一家言行わなきゃいけない、インターネッツお作法、正直面倒くせえな、と思うのは思うんだけど、これ一種の暇つぶしだよね。なので我もしてみんとてすなり。更科日記。

男女論がまぁ色々吹き上がっていて、うちはどちらかというと「男性擁護」に立つ立場なのだけど、その理由っていうのが

「男守れる女の方が強いだろ」

っていう、少年ジャンプ受け売り勢な訳で、うちは大切な事をほぼ少年ジャンプから教わったので変えるきはない。女を守ろうとするのは男の本能なので、本能は無視しない。その上で、「私だって君ぐらい守れるモンね!」っていうガールが理想像。けどまぁ、皆がみんなそうじゃない。

九州男児は嫌われる、特に今のインターネッツお作法()内では。お前は好きなんか!って聴かれたら面倒だよね、とは答えるけど、インターネッツフェミニストの皆さんほどのヘイトは持ってないよ、あれもうレイシズムっていうか、ただの差別だよねえ。

インターネッツフェミニズムの皆さんは、どうやら「陽キャ」の男性が好きらしい。自分の経験上、(僕は自分の経験外の事は語れないダメ人間なので察して欲しい())陽キャ男性の多くは「姉」の存在が大きく、生まれてすぐさま「同調圧力」の重要性を理解する。陽キャ男性の周りには人が集まる、集まって同調しだす。

一方陰キャは一人ぼっち、或いは長子、長男、長女。同調圧力なんのその、「お前うざいわ」に中指立てれる系ぼっち。相容れない、だって生活環境が違うんだもの。

そして同調圧力に屈さなかった数名が都会に行き、都会で負けたり勝ったりする。そして自分が手に入れられなかった同調圧力を手に、インターネッツで無双する。まるで進撃なみの負の連鎖、たまんねえな、と思うけどまぁそれが人間なんだろう。

雨みたいな憎悪に打たれて項垂れて、初めて花を見るのさ僕らは。この世界に救いなんかないんだろうな。全てがばかばかしい喜劇で悲劇だ。

ただまあ、雨の音は救いだよ、僕にとってはこの上ない救いだ。今日もいい雨が降っている。


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