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金曜の江本《210716》

今週も金曜を迎えることが出来ましたね。皆さま、1週間お疲れ様でした。
はじまった土曜日に背を向けて、まだ金曜をしがみ続ける往生際の悪さったらないですが、これを書いてるということは、今はまだ金曜です。

久々の稽古が始まって2週間。半月が経ちました。どんどん頭がクリアになっていきます。起き上がるのもしんどく、いつまでも横たえていつつも、何も為そうともできなかった死人のような鈍い日々が信じられないくらい、演劇に対して脳も心も開かれていきます。それは演じる側としても観る側としても。

GFT3『贋作・桜の森の満開の下』という作品の中で、昨年から引き続き、赤名人という役柄を演じます。昨年からとてもカタチを大切に作ってきました。それは、演劇を見やすくするために、物語を届けやすくするために、非常に大事なことです。が、それだけじゃないんだぞと。まだまだ、内側も外側も突き詰めて深めて行くことができるんだぞと。潜ることを、考えることを、放棄したり諦めたりしている暇はないんだと。どこまでも考え深められることを、1年半越しに教えられています。これでいいでしょ、と、成長を自ら止めてしまったら最後。いつまでも新鮮に物語を役柄を求め続けることの大切さを、身をもって思い知らされています。とても、毎日の稽古が新鮮で、楽しく、苦しく、充実しています。

ああ、生きている。

息、している。

自分の汗でビチャビチャになったマスクの中でどんだけ息を整えようとしても、吸えば吸うほどまとわりついて、地上でも人間は溺れられるんだと思いながら、新鮮な空気を吸い込んでは吐いて、息をして、生きてます。幸せはこんな温度で、湿度で、音で、色で、匂いで、ということを、思い出しています。赤名人として、しっかり生きようと思います。私は演劇に対して、全力を賭すことしかできない愚鈍な役者ですので、今回もバカの一つ覚えながら、全力で全身全霊で舞台に立とうと思います。

観る方としては、本日、野田地図の『フェイクスピア』大阪公演を観劇しました。先月、東京公演も遠征して観てきて、心臓鷲掴まれて呼吸困難なるんちゃうかってくらい嗚咽してた作品でした。偶然当たって2回目の観劇でした。

えーとね。泣き叫びそうになるくらい、心震わされました。

1回観てるんだから、話知っているんだから、2回目はダメージ減るとお思いでしょうか。あのね。逆です。とにかく縦横無尽に舞台を駆け巡る言葉の坩堝に浸り続けた初回には気付けなかった、圧倒的なまでの量の伏線や聞き逃し、処理できなかった言葉や情報がよりクリアに脳内に入ることで、涙腺やられるポイントが爆増しました。心を抉る言葉も激増しました。あの量のことばを投入しながら、全てのセリフに言葉遊びに、やはり無駄がなく。化け物みたいな作品だなと。幸せな2時間5分のランデブーを過ごしてきました。

永遠に鳴り止まないんじゃないかというスタンディングオベーションの嵐の中、永遠に終わらないんじゃないかというカーテンコールを数え切れないほど繰り返しているのを見ると、心から演劇をすることに勇気が湧いてきました。

往生際悪く。いきますよ。

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【出演情報】
突劇金魚プロデュース GoldFishTheatre3
『GFT版 贋作・桜の森の満開の下』
於・大阪市立芸術創造館

江本は『風組🌀』に出演します❗️
8/7(土)14:10➕ 9(月)17:00

※8(日)19:50回は、大阪府の「まん延防止等重点措置」の延長に伴い中止となりました…!ご検討頂いていた皆さま、すみません!!

前売:2800円・当日3300円

★ご予約(江本扱)★
http://ticket.corich.jp/apply/113173/044

★詳細は特設サイトをご覧ください★
→ http://kinnngyo.com/lp/sakura/


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