見出し画像

冬の箱

 山のふもとにある村のはずれに、一軒の家がありました。家の人は留守のようです。そこへ、山から下りてきた小猿がやって来ました。
 小猿は鍵のかかっていない玄関から、のこのこと入り込みました。土間を進むと炊事場です。小猿はキョロキョロ。板張りの上に大きな四角い箱を見つけました。
 「何かな。持つところがあるぞ」

ここから先は

454字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?