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モーニング俳句 2019.6月

6月も朝俳句、続きました。よかったよかった。
松山の俳句ポストと通販生活内の俳句生活で、四句採っていただきました。

薄紙のふくれのまろき梅雨湿り
梅雨湿り吾子の散髪むづかしき
風くらひ総身でたへる罌粟坊主
楊梅のいろで尾を引く竹箒


以下、朝俳句六月分です。

大南風じょうろ倒れて濡れる口
甘酒の湯のみの尻もざらざらと
蛇苺十五の日から見つからぬ
後はどうなる蜘蛛の網切りて待つ
竹の皮脱ぎっぱなしを叱る母


爪に入る黒土痛む芒種かな
手間かけて喰うはひととき焼茄子
灰皿に五月雨ためて捨てもせず
額の花上を向いても溢す雨
蝙蝠の羽裏に透ける宇宙線


枇杷を食むほほも同じく香り良し
横になり夏帯ゆるむ香り立つ
ゆきのした鳥のさえずりに頷く
梅雨の星見上げるひとのピアス穴
かなぶんの足こそばゆくすぐ離す


父の日に父知らぬ鶏肉を焼く
蛇衣を脱げばいっときのやわ肌
夏の鴨風なき水にひとつあり
滴りを受けて背筋のそり返る
水音のアプリ岩魚の声混じる


脊椎を正して立てり花菖蒲
床板のつめたさ探す夏至の犬
入り待ちの列に加わる花葵
水鉄砲ちらばる靴のにぎやかさ
動くまま喰はれる烏賊の目に視力


いちめんの花石榴あり島を去る
生え際のうぶげの湿る昼寝の子
挿し入れた舌と比べる洗い鯉
螻蛄の闇黒田官兵衛牢に在り
夏の川かけ合う水のすぐ乾き


【おまけ 桜桃忌の二句】
二人ならなおさら寂し桜桃忌
目次まで戻す風あり桜桃忌

久しぶりに店の焼鳥が食べたいです!!サポートしてください!