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モーニング俳句2020.1月

 12月は俳句ポストに全然投稿できなかったので、掲載句は俳句生活人選のこの一句です。

トンネルの先に蒼あり去年今年

 (……これ、スキー場の休憩ベンチに座って、乗ってきた新幹線のこと思いながら詠んだんだよな、大晦日のお昼くらいに)

 投稿って一ヶ月~数ヶ月先の楽しみの貯金、みたいなところがあるなあと改めて感じました。忘れた頃にやってくる、過去の自分からのプレゼントみたいな。なので忙しくてもなるべく少しずつ投稿し続けたいものです。

 ではでは令和2年最初の朝俳句、ひと月分です。好きな句がありましたら教えていただけるとうれしいです。

おなじ側向いて頬染む初東雲
前髪に初夢つけて駆ける夢
雑煮冷めるまでちいさな足ぶらり
温風にうらじろ乾く鏡餅
混雑の車内あちこちに破魔矢

三つ編みはきつめに寒の入りの朝
つけまつげ取ってもわたし松納め
寒鯉や帰省の度におなじ位置
手まり転がる手まりの止まる敷布団
重ね着の手首2ミリの肌のいろ

新海苔の内から透けるうすぐもり
寒風や足場の下は速く去る
水蒸気つららの潤むほうが空
ため息は米の白さか粥施行
去るひとの足跡あはれ雪しまき

襟足を拭かず湯冷めしてひとり
スプーンの音の澄む夜寒土用
凍て滝の裏に外来種の自生
紙漉の音の記憶をもつ胎児
大寒や歯磨き粉のミントがきらい

寒鴉目が合うなにも持ってません
冬深し貨物列車のながい音
狩人の来ても去っても山黙す
園庭の手前鎌鼬の遠慮
守秘義務を風呂で忘れた寒蜆

葉牡丹や昼はしずかな通学路
霜に乗り霜を崩さぬ猫の足
ダム底に昴の届く日のしづか
水草の泡ごと留め氷湖あり
蠟梅の香るのが右霧の朝
指荒れてかざす天窓なお遠し

久しぶりに店の焼鳥が食べたいです!!サポートしてください!