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モーニング俳句2019.10月

 十二月も半ば近いのに今ごろ十月のまとめ……我ながらサボりすぎです。十月を振り返ってみると、俳句ポスト『重陽』『茸』で人選をいただいていました。

重陽の夕陽を喰らひ山は黒
きのこ干すひなたの熱を襞に溜め
きのこ踏みし靴のまま乗る日比谷線

 さて以下は、十月の朝俳句一ヶ月分です。今更感いっぱいですが、「この句が好き!」とかありましたら下のコメント欄やツイートで教えていただけるとうれしいです。なお、十月の朝俳句は二日分抜けています。ほんと余裕なかったんだなあ。

詰襟の頬をくすぐる赤い羽根
犬の尾と草の穂ゆれかたを比ぶ
落鮎の柔き腹にも骨のあり
秋暁やわだちに水の滲むみち
窓越しに響く笛あり雁渡し

とんぶりの弾け閃くメネラウス
秋澄みてゴールキックの前に息
はちみつの白く濁りて寒露かな
薄もみじ添えて盆には粥一膳
無花果を剥いて痛くはないでしょう

鉄錆の手すり身にしむ海の駅
百舌鳴いて首のまだある聖パウロ
菊なます揉む手にうすき感情線
前かごの檸檬でこぼこ路で跳ね
抱かれて烏瓜までわずか風

とろろ汁混ぜた箸先で戦う
夜業する足もとに孔雀の寝息
秋日和チョキの上手な足の指
水澄みてパドルを濡らす四万の青
残る虫シェヘラザードの終楽章

海蠃廻しコンパス習う子の手つき
秋深し鼻をすする音ちらほらと
霜降の雨粒まとう革鞄
鶴渡る射抜かれてなお高く鳴く
菊人形散らぬ花なし壇ノ浦

花畑に伏す湿れば明日は雨
末枯や古い茶葉炒る痩せの腕
胡桃炒る今日は誰とも話さない
カーテンの裏の陽あわく肌寒し

※海蠃廻し(ばいまわし)

久しぶりに店の焼鳥が食べたいです!!サポートしてください!