見出し画像

モーニング俳句2019.9月

 一旦涼しくなったのに、今日(9/30)は最高気温30度予想です。早く夏服を片付けたいですね……

 今月は俳句ポスト「秋薔薇」「竜田姫」、俳句生活「桃」で人選をいただきました。

秋薔薇を崩した我の手に聖痕
どこまでが桃かくづれるまで眺む
白桃に犬歯を立てて頬の照り
竜田姫だつたのだらう波紋あり
影ゆれる竜田姫もう泣かないで

 以下、九月の朝俳句一ヶ月分です。「この句が好き!」とかありましたら下のコメント欄で教えていただけるとうれしいです。

爪先の闇に溶け入る風の盆
荻の声ポニーテールは高く結う
平日の秋めく海に島ふたつ
衣被バスタオルから逃げないで
波を描く鶺鴒我のものでなし

夜の霧吸えば前髪から濡れる
芭蕉葉のがさりと落ちて便りとす
外が好き白露をまとう犬の脚
葡萄ぬるくなるまで舌は抜かないで
女郎花縊るその手があたたかい

老蝶の影踏めば負け立ちすくむ
読みさしを取りて小望月をはさむ
月見るや溢した水もまるい床
小鳥ふたつ水面干渉するしじま
蜜だけがほしい白粉花を踏む

秋の灯や眼下に冴える電波塔
馬肥ゆる雲過ぎてまた次の雲
菊の鉢居ならぶ影のしづかなり
今日もまた人と話さず鳥威
われからを髪に絡めてくに産めり

帰省するふるさとしづか鴨来たる
いわし雲群にくわわる複葉機
秋分の土踏まず押す指のあと
泥が甘やかす指あり鯊日和
竜淵に潜めば泡の永くあり

稲架の下かくしきれない蒙古斑
秋うららフリルの袖うらがへるまま
太刀魚の銀を剥がして当たりとす
竜胆のつぼみマリアの手には皺
にごり酒添へて去るひと着崩れず

※衣被:きぬかつぎ  鳥威:とりおどし  稲架:はさ


久しぶりに店の焼鳥が食べたいです!!サポートしてください!