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モーニング俳句2019.11月

 年末だというのにまだ11月のまとめとかやってますよこの人は。来年も多分こんなのんびりペースになりそうですが、「ああ、続いてるだけえらいやん」と思っていただければ幸いです。

 11月は俳句生活、俳句ポストで人選三句でした。夏井先生、ありがとうございます。最近、下の子がプレバトにハマり始めました。梅沢富美男とのやりとりがおもしろいらしい。

しぐるるや猪口にほこりの浮く夜半
冬はじめ時計の裏に熱のなし
初冬や落とした飴の水に透け

 それと、フルーツポンチ村上健志さんの俳句修行の企画で「気になる句」のひとつとして挙げていただいたのがうれしかったです。自分でも気に入っている一句です。

葱の汁つたう手首の甘かりき

 以下、11月の朝俳句まとめです。

吊し柿燈る故郷の名の点字
初猟の細い煙を雲は抱く
文化の日積まれた本に淡い熱
秋寂やこはぜの取れて身を屈む
雪迎へ風なき空へ溶ける糸

吊革の指ふれ合えば酢橘の香
秋惜しむカメラロールは空ばかり
冬来たるバスの行くたび震う枝
鯛焼きにならぶ背中の丸くなり
命日に木の葉崩して上る坂

雑炊のにおい無風の夜の底
木菟の首すげ替える星野源
冬浅しくるぶし見せるための丈
なわとびを結ぶ子の鼻赤く照り
水でない何を吐かされ河豚萎む

茶の花やのぞみ始発の音遠く
柳葉魚食ふ箸に薄皮まとはせて
鷹一羽吾もひとりの天丸く
泥鰌掘る指のささくれ深くして
寝酒からさめて二度寝のための肌

薄切りを透かす大根はほぼ水
冬木影犬に引かれて武蔵野へ
小雪の朝みそ汁のすぐ冷める
口づけよ降れ冬眠の土に雨
客席は咳のちしじま明かり落つ

くちびるに照りを残せりけんちん汁
霜月の窓に手をあて濡れてゆく
身に添わぬセーターうれし朝紅茶
柿落葉触れて季節の流れ込む


木菟:みみずく  泥鰌:どじょう

久しぶりに店の焼鳥が食べたいです!!サポートしてください!