マリーゴールドを見てTRUMPシリーズを追うと腹を括る
手を出したら最後。
そう思っていたシリーズの2作目に指の先が触れたところでもうすでに私の命運は決まったも同然でした。
そんなこんなで、この記事では『マリーゴールド』の感想録を残していきたいと思います。
まえがき
この文章を書いている私は普段はLILIUMのシルベチカ役、モーニング娘。‘24(2024.08.09.現在)小田さくらさんのオタクをやっています。
ですのでTRUMPシリーズは1作目がLILIUM、マリーゴールドで視聴が2作目です。
思考パターンが異様に近しい同じ推しを持つフォロワーさん(私と一緒にするのは大変失礼だが6割5分ほどの確率で「それ言おうとしてたやつ〜」のツイをされるのでちょっとビビるくらいには似た着眼点を備えている気がしてならない方)がおすすめしてくださったため、私に刺さる話なことを確信した状態で視聴しました。その通りになりました。やはりな。
ともあれ全ては推しに帰結する。ということで今後TRUMPシリーズについて語るときは、おそらくシルベチカの感想や情報を多く拾うことになるかと思います。ご承知おきください。
そして、以降はLILIUM、マリーゴールド両作のネタバレを盛大にかましながら話を進めていくのでご理解の上読み進めていただけますと幸いです。
感想
視聴直後の感想がこのようになっています。
初っ端からシルベチカの名前出されてひっくり返るかと思いました。
そして手札が2枚になって比べる、繋げることが可能になってしまったからもう、大変。
ここのセリフも、あの設定も、と。脳内で調子に乗りすぎたときのあみだくじのように入り組ませながら、点と点を結びつけ出してしまいます。マリーゴールドを知ってしまうと、LILIUMが余計最悪になって笑うしかないですね。
LILIUMは全ての演者がどんな子たちなのか知った状態で拝見していましたが、本作は私が俳優方面に浅識なため元ハロプロに所属されていた田村芽実さんと、声優業だけではありますがかろうじて土屋さんが声を当てられていたアニメを見たことがあったくらいで、それ以外を存じ上げない状態での視聴となりました。
本職である方に演技の感想や巧拙、良し悪しを語るのは無粋なので割愛させていただきますが、やはりプロだなと感じさせられる作品になっていました。
この演者に私情を挟まないフラットな状態で体感できるのはいいですね。これまではどうしても小田さんがシルベチカを演じるにあたってどの感情を強く出し、どこを拾って解釈するか、など。メタ認知を一旦挟んでから見てしまうので、割り切って作品として見られる分よりTRUMPシリーズの誰々、物語として捉えやすくなってます。
今後もできる限りの情報を入れないように削ぎ落として見ていきたいです。
ちなみに今回はキャストの名前やシリーズ何作目かもわからずに視聴しています。ネタバレ踏まずに走り抜けられますように!
人物整理
ガーベラ
LILIUMと同様に田村さんが演じられてました。
もうこのころにはアイドルグループからもご卒業されて、俳優業に専念されているころですね。
他の出演者のみなさまの略歴をWikiでちょっと見てきただけでも輝かしい才気あふれる内容がズラリだったのに、メインキャストで浮いてないのがすごかった。LILIUMではその異質さすらもマリーゴールドとしてのキャラクターを引き出していましたけど、そうそうたる演者に囲まれてもなお際立つ個があって胸が熱かったです。
と、田村さんへの感想が漏れてしまいましたが、ガーベラの話だ。
ガーベラの花言葉は「希望」で、マリーゴールドの花言葉は「絶望」
整いました!ですよ、これは。確定演出ですね。すでにLILIUMで絶望のなんたるかを見てきた人間、「ああこれみんな死ぬ。もれなく大切なものを全て失って死ぬな」ということを察するわけです。
家に閉じ込められている、というところから物語が動くのはガーベラが外の世界に出るときになるだろう。アナベルが囲った自室から出てヘンルーダが持ち込んだマリーゴールドを拒むことが愛の崩壊の始まりで、外に出てもマリーゴールドに囲まれている屋敷、全てが暗喩になってますね。
視聴がLILIUM先行なのでガーベラと呼ばれている人物がマリーゴールドだということは知っていますから、自ずと顛末は導かれます。けれど最悪なことには変わらないですね。
ひとつ興味深いことがあるなら、ガーベラが自らの意思でマリーゴールドを名乗ったことですね。
その通りなんですが。
だがしかし、盲従に近い執着で結ばれていた親子愛。ガーベラはアナベルの今際の言葉を聞いたはずです。
おそらく、ガーベラだってアナベルが自分に刃を向けたのもソフィのイニシアチブの影響を受けたからだと、抵抗する姿を見てわかっていたはずです。
知っててなお、アナベルにガーベラを殺させないために自分が刺し殺した心の傷を希望で塞ぎ止められなかったなら、これから永遠をあのサナトリウムで生きていくというのにアナベルの願いが届かなかったということじゃないですか。もうね、よくないよ。こんなの。
最後が幸せでありますようにと望んで命を引き換えにした母は、自らの命でもって永遠に絶望を抱えながら生きることを最愛の娘に決意させてしまっただなんて。救われない。
アナベル・ロス
アナベルは紫陽花ですね。花言葉は「ひたむきな愛」と、まあ人物像そのものでした。
マリーゴールド、ひいては家族愛の深さたるや。好感度は一番高くなりそうですね。
なぜそう振る舞うのか、背景なんかは劇中の情報だけで解決できましたし、いいでしょう。
私が気になるところはやはりペンネームですね。ダリ・デリコって誰?2800年前に何があったの?どうしてその名前を選んだのか?この辺りの解説が不十分なのでここの情報が補完されればもっと解像度が上がる気がしています。血盟警察に目をつけられるくらい確信に迫っていたのなら、このダリ・デリコなる人物は一介のヴァンプではないだろうなと思いますし、『あなたのもの』って言い回しも引っかかる。人の名前という固有名詞にわざわざ所有者を明らかにする行為ってすごい印象づけしてくる感ありません?普通にまだ生きてそう(書き手は猜疑心マシマシでものを語るよくない精神になっています)。
コリウス
いい声〜アナベルに好意を寄せているのか。だけど花言葉「叶わぬ恋」だし、メインは葉だから花とは相入れなさそうだし、十中八九お亡くなりコースだよな、と見ていました。
途中まではエリカと組んで悪役に回る線も持ちながら見ていたのですが、人の良さとアナベルへの偏執的な様を見て「こりゃ無理だな」と確信します。
あと自分が気に入ったキャラはだいたい死んでいくんだ。
エリカ
日本人っぽいお名前ですけどちゃんと花があって「孤独、寂しさ、博愛」と、かつて優しかったアナベルやヘンルーダとの穏やかな日々を取り戻したいと願う彼女の心境をよく表しているかと思います。
自分がこの花を知ったのがシェイクスピアのマクベスに出てきたのが初めだったっけか。不気味な3人の老婆と出会うのがヒース(イギリスではその呼称)の繁る荒廃した地でしたね。あとはエミリー・ブロンテの嵐が丘。主人公の名前もヒースクリフだったり、ヒースのあるところまでで遊ぶ物分かりのいい子どもみたいな描写が出てきたはず。
何が言いたいかって、私の中のエリカのイメージはとても荒地にいくら咲いても晴れない悄然とした心になるんですね。
植生としてしぶといとも取れますから、最後まで生き残ってガーベラを守ろうとする役になって、なるほどなと結びつきを感じてました。
キャラとしては知らないが故に、あったかもしれない愛せる未来、理想を語るので、罪悪感や怨嗟を生み出すにもってこいでした。彼女も無知である状態を保つことで、二人から守られていたんですよね。だけどそのために遠ざけようとするから愛に気がつけない孤独。
ヘンルーダ・ヴォード
お前には言いたいことがぁ!!山ほどある!!
まず、本当に愛している人間を悲しませるようなことはしないでくれ、頼む。命を無責任に弄ぶことになったってとこだけ見たらソフィーの悪質さと同等だからな、反省してほしい。まあ、いくら首を垂れたところで墓前じゃあ意味もなさないし、悲しみは救えないし、贖罪にもなってなかったが。結局全ての判断がアナベルのためを想ったように見せかけた保身になってしまったのがタチが悪い。コリウスくんの方がよほど覚悟も決まってるし、ガーベラのことも下手な言い訳せずに愛する人の最愛だからで無条件に愛せるところで器が違う。アナベルは四面楚歌の日々でもガーベラさえいれば全てを投げ打って愛を注いでいたのに、ヘンルーダは自分が矢面に立つこともせず、かといって医師として繭期の症状が出た患者をサナトリウムに送るという適切な対応も取らず、そのリスク管理も不十分で責任も負わないところがもう、ね。
ヘンルーダを悪様に言いすぎました。失礼。
だけど本作ではヘンルーダの持つ情報が一番ウエイトを占めているのでじっくり見ていかなきゃならないんだ。
まず、ヘンルーダはヴァンプである。ここまではいい。そして、“あの“サナトリウムにいたことがある。あのって?というと私がLILIUMで見たファルスが作った永遠の繭期の共同幻想のユートピアですね。
許せないのがあえてこう呼ぼう、ヤンはシルベチカを知っていた。そしてシルベチカの助けでサナトリウムを抜け出した過去がありました。
おい……シルベチカが噛まれてるっていうのに自分は逃げるんかい!(さっきまでの怨嗟はこの私情が大いに挟まれています)
そしてヤンとシルベチカは同時期にあのサナトリウムに連れてこられたと。そしてそのクランが他とは違うことを認識している。
繭期の青少年を監視する役割もあるのか、とかも知ることができたし、規則があるとするならどんなことを制限させられるんだろうという疑問も浮かぶ。
具体的な数字が出てきたのも大きい。時系列は情報が増えれば増えるほど後から響いてくる大事なポイントなので。この作品の地点で一方その頃——も把握しておいたらスムーズだし(あるかもわからない要素をさもあるように語るのはいけません)。
あとは細かいところで言うと、一番最初に審問のようなことをされていたのはどこの機関?
血盟警察なのか、治安局なのか、それとも違う組織があるのか。自分がちゃんと聞けてなかったら申し訳ないが、ヤンが語った出来事を意識がないときに『擬似クラン』といっていたことから、ファルスが作るあのサナトリウムが異質なものだと把握しているし。気になりますね。
ソフィ・アンダーソン
私の中でソフィ、もといファルスは当時14歳の工藤遥さんのイメージだったから「青年だ……」となりました。だけどあのコミカルに貧血で倒れるところなんかはデジャブだし。『時よ止まれ 君に永久の美しさを』と言ったときはハッとさせられました。
ソフィがTRUMPなことは知っていましたし、あの傲慢さは把握済みですのでかける情は持たないように見ていましたが、わざわざ絶望させるためにアナベルをガーベラに仕向けるところは「この頃から救われない性格してんな〜」と、変わらなさにちょっと期待外れでしたね。惨劇を見過ぎて少しくらい良いやつの要素を感じて愛着を持ちたかったな。死なないキャラって貴重なので。
ただ
このセリフだったりは聞けてよかったです。ということはファルスの偽名は自分でつけたのかな?
今作でもガーベラが『ドブネズミの臭いがする』と言われていたことから、ダンピール=ドブネズミの臭いで、ファルスもマーガレットにドブネズミの臭いがすると言われたことから、この“まがいもの“は自身がダンピールであることを指していると今のところは予想しています。
の発言からもソフィの身の上がどこかで描かれているはず。ここまで盛大な伏線張っておいて回収してないなんてことがあったら逆に困る。
そして、基本的にヴァンプを扱う作品を見るときに始祖の存在ほど初めに抑えておきたいものはないから(定型として他のヴァンプ種より強い、同族を増やせる、弱点が少ない、血に特別な効果がある場合が多い)早いところ精神的なものも含めてエピソード補完してソフィへの理解を深めていきたいですね。サイコなやつだから知って納得できる背景があるかは別として。
ウル
結局ウルを装ったキャメリアを劇中ずっと見ていたってことになるんだろうけど、なんで?
ソフィにとってウルは『たったひとりの大切な友だちだった』らしい。けどLILIUMを見てきた身からするとあのイニシアチブの効果を増大させるためのファルスの血を混ぜ込んだワクチンみたいなのの名前じゃなかったっけ?ってなってます。
わざわざイニシアチブを使ってまでウルごっこしてたのには理由があるんだろうか。
ソフィをTRUMPにしたのに一枚噛んでそうな予感だけは感じ取ってます。真相やいかに。
設定補強
これまでは吸血種だけしか見てこなかったのが本作で人間側の生活の営みや価値観、世界観があって有用でした。
特に吸血種と人間は不可侵条約で結ばれていて、それを取り締まる血盟警察なるものもある。という世界の設定が見えたのは今後考えるときの重大な要素になりそうです。
他にはヴァンプの牙は有毒で噛んだだけで死に至らしめることになるのは必要な情報でしたね。よくある一般作品でのヴァンプから人間への吸血とかで考えてたら大変なことになっていた。あとは吸血鬼の血液型は人間に存在しないもの、というのもヴァンプを見分ける方法が人間世界で確立されているってことだし。わりと崇められがちな始祖のヴァンプもこの世界では原初信仰者なんて呼ばれて排斥の対象らしい。だとすれば、ソフィの立ち回りもその世界観を加味したもので考え直さなきゃ。などなど、ヒントがたくさんありました。
そして、お館様です。
今まで勝手にファルスのことをお館様だと思い込んでいたけど、異なる可能性も浮上してきました。
クランの創設者と言っていたからファルスかと条件反射で決めつけていたけど、お館様だけ大人だったと語るヤン(これも実際に見たわけではなく伝聞だから情報操作の可能性も大いにある)の情報から断定できないかもなと思い直しました。
その場合はだいぶ重要人物になる気しかしないので(もしかしてここでダリ・デリコの名前を使うか?)メインで取り扱う作品があるのならばそのときに見るのを楽しみにしたいと思います。
あとがき
LILIUM→マリーゴールドと見てきましたが、まだまだTRUMPシリーズはたくさんあるようです。
しかも小耳に挟んだのですが今季のアニメにもあるらしい。それは履修を急がねばと必死になっています。この文章も推敲せずに爆速で書いてます。
まだ情報の少ない段階であることないこと考えるのが楽しすぎるので一気に行くのがもったいない気もしてますが、一作見るごとに感想を残していく予定です。
確証バイアスぶん回して脳汁出しながら猜疑心をいつも胸に抱いてストーリーを見ようとしている人間なので、この考察とも呼べない代物がどれだけ頓珍漢な予想だったのか、後から楽しむことにします。
もうすでにTRUMPシリーズの全貌を知ったる方は、どうぞこれからTRUMPシリーズを駆け抜けていく私の姿を温かい目で面白おかしく見てやってください。
ここまで読んでくださり
ありがとうございました!
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