今日配信であったことなど、ルッキズムについて

コロナ禍で始めた自宅からの配信も、30回になりました。
いつもご覧頂いてる皆さん、投げ銭して下さる皆さん、ありがとうございます。

今日、配信ライブの時に新譜のジャケット公開を少ししたのですが、チャットの中で「誰?」という書き込みがあり、柔らかく「女性のアーティストはいつもこういうこと言われますし、言われるたびに腹が立ってると思います。しっかり準備して、発表してそういうことを言われたら、いい気分にはなりませんよ」とお伝えしましたが、正直もう本当にこういう〈写真の見た目〉とか〈実際の見た目〉に対する軽口や揶揄にはうんざりしていまして、写真を見て「実物と全然違う」「誰?」とか、私にも全ての女性アーティストにも、全ての女性にも、性別問わず全ての人にも、言うのやめましょうよと思います。

目に入って、一瞬それを無視するか不快ですと言うか迷いましたが、そこでちゃんと言う人間の方が私がなりたい人間だなと思って「気軽にそんなん言うたらあかんで」ということを言いました。

この仕事をしだしてから、何度そんな話をこちらはされてると思ってるのよ、ということなんです。
本当、皆さんが思うよりはるかに多い回数、見た目に関する同じようなことを言われて、嫌な気分になっています。この歳になって、また2021年にもなって、まだあるかーと思いました。ジャケット一瞬公開するのとか、やめておけばよかったと思った。

対面で言われたら、相手と自分の関係ですぐ「失礼ですよ」と返すのですが、今回は不特定多数の方が見ている場所。基本ハンドルネームですし、配信をご覧頂いている他の方にも知ってもらった方がいいから「軽くそういうこと言っちゃダメですよ」に止めておきました。きっとその時ご覧になっていた方の中には、「自分も同じようなことを言ったことがあるかも」って思った方もいたと思います。

以前「ライブ後に、お客さんがちょっと声かけるその内容が、ミュージシャンを傷つけていることがある」と書いたことがありますが(こちらの記事)、女性ミュージシャンの場合マンスプとルッキズムの中で生きてきているので、これからはなるだけ一件ずつ成敗していきたい。成敗すべきは人ではなく、行為です。

本当に、女性ミュージシャンと一緒にライブしてると、失礼のオンパレードを見てきています。私自身は比較的少ない方だと思うんですけど。
ある女性プレイヤーに、「失礼なお客さんいるけど、瞳ちゃんにはちゃんと接している」と言われたことがありますが、それは私がいつも「おかしい」「失礼」「なめんな」って言いそうな態勢でいるから、人を見て態度を変えているのだと思いますよ。
そして、私は物申す人間だから慎重に付き合わないといけないという風に思ったのなら、男女問わず全ミュージシャンにそうするべきなのだし、まじそうして欲しい。

先日、ある場所で「先々週、写真と全然違うって言ってすみませんでした。セクハラでしたね。」とおっしゃった方がいらしたんですね。
なんだっけ?と思ったんですけど、そういえばそういうことがあったなと。その時は、喉元まで「失礼ですよ」と出掛かったのですが、かなり年齢が上の方ということと、業務の関係上スルーしたんですよ。それで、そのまま忘れた。
こういう時、ほとんどの場合、指摘したって相手の反応でさらに自分が気分悪くなることを経験則として知っているから、女性はなかなか言わないですよ。十中八九、余計嫌な気持ちになるし、だから受け流すのが身に付いてしまう。痛みは長いより一瞬の方がいいもの。

そうしたら、2週間後にご自分からそのようにおっしゃったので、指摘しても良かったんだと思いましたし、私自身にも、ちゃんと指摘したら相手が変わってくれるという相手への信頼とリスペクトが足りなかったなと反省しました。

そういうこともあったので、今日はスルーせずに言いました。
気軽に人の見た目や写真について色々いうのは、良くないです。自分も言わないように気をつけていきたいし、言われる方は昔は「これも仕事のうちなのかな」などと我慢していましたけど、時代が進んできて、全くそんなことなかったことに気づきました。私の仕事は音楽だよ!
ちゃんと、ルッキズムやめようと伝えることのできる人間になりたいと思います。

考えるきっかけになった眼鏡の話、ご覧になったことない方はぜひご一読頂ければ幸いです。

あと、へこたれないように育ててくれた両親に感謝です。



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