US-Japan Leadership Program
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のtakedaです。米日財団のUS-Japan Leadership Program のフェローズウィークエンドでAIのセッション、という河野太郎大臣のツイートを見て、AIのどのような議論がされているのか興味惹かれた。
https://twitter.com/konotarogomame/status/1685150021371740160?s=53&t=kN6hS7zWY5LAL60jaT7gJQ
日米リーダーシップ・プログラムは2000年に立ち上げられ、22回目の会議になる2023年は日本で開催されている。このプログラムは、日米間により大きな架け橋を作るために、多岐に亘る専門性を持つ若いリーダー達の間の継続的な対話の場を設けている。様々な分野から選ばれた若きリーダーにとっても近年急成長してきたAIがテーマに上がるのは自然のことだろう。
AIのセッションということでどのような議論が交わされたか非常に興味深いが、内容は非公表。知ることができるのは参加されたデリゲートの約40名ということで、羨ましい限りだ。ChatGPTに代表される生成AIが誰でも使える時代になり、何だか世界中が振り回されてる感じがする。生成AIが出てくる前のAIは、学習の視点が情報の整理・分類・検索であり、予測やデータの特定に利用されていた。決められた行為の自動化が行われ、人が手作業で行っていたことを短期間で完了することでスピーディに処理が進むようになった。
しかし、この頃のAIは具体的なデータセットを利用していたため、データセットを人が更新しなければならない。ところが、生成AIはパターンや関係の学習に焦点が合わされ、創造を目的としているため、従来のAIと全く異なるものと考えられる。
一番の違いは、構造化されていないデータセットをもとに学習し、新しいコンテンツを生成する点である。生成できるものも文章、画像、音声、音楽、動画など多岐に渡り、様々な情報を組み合わせて、新しいものを生み出せる。自分が作成したいコンピュータープログラムの内容を文章で入力することで、プログラムコードを生成することもできる。また、システム開発のために必要なテストデータも生成できる。
つまり、人が地道に時間をかけて行っていた作業を生成AIに任せられるのだ。こうなると万能だと思う人が出てくるが果たして万能だろうか。生成AIを利用するにあたり一番難しいのは、どのように命令をするか、である。欲しい結果を導ける命令を出すには生成AIの特性をよく理解しないといけない。人同士であれば行間を読むことはできるがAIは行間が読めない。与えられた命令をAIの視点で理解して結果を出力する。つまり、出力された結果と欲しい結果に差異が生まれる。出力された結果が欲しいものになっているかを人の目で確認することが必要である。
時には的外れな結果を出すこともあり、万能には程遠い。最終的に人がチェックするので不便にも見えるが、恐ろしく短時間で結果を出すのは人では到底真似ができない。使い方次第では有益な道具であることは間違いない。
生成AIを道具として活用するには、使い手側の技量が試される。使い手が特性を理解し、道具として利用できるスキルがあれば、革新的な道具なのだ。USJLPには日米の選ばれたリーダー候補がデリゲートとして参加している。次の20年を任せるに値する人材になる可能性を秘めている。このメンバーでのセッションであれば、我々が想像もしない議論が出ているかもしれない。ここで新たな観点や疑問が出れば、今後の技術発展に寄与するだろう。この会議に同席されている河野太郎デジタル大臣には、若い叡智のぶつかり合いの先にどのような未来が見えているのだろうか。
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