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【俳句連作】さいしょからいない

豆を挽く手にあなたの手秋の朝

夕霧の三叉路に立つ新婦かな

松虫や名のらなくても名を呼んで

見も知らぬおとこと寝たの猫じやらし

手鏡の虚像は飽かず秋ともし

愛ばかり吐く口檸檬もてふさぐ

人混みにかるい違和感そぞろ寒

残る菊どこにも触れてないうちに

抜けがけはとてもずるいねどくきのこ

暮の秋きのうのわたしもういない

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