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62.シュークリーム

夢がたくさんたくさん 詰まっていて はじの方を噛むだけで溢れてしまう 手をベタベタにして夢を舐めとる 尽きることのない夢物語 アイドル、youtuber、天国旅行 溢れ出る夢は叶うこともなく ただあり続ける 夢が本当に叶うということはないのかもしれない 叶った気がするけどなんか違う だから夢を見続ける アイドルになっても youtuberになっても 天国旅行をしても なんかちょっと違う 溢れ出る夢は叶うことなく ただ夢であり続ける 本当に叶った夢はほんの僅か それ

    • 61.カツ丼

      格好いいカツ丼 カツ丼は削ぎ落とされて磨かれて格好よく カツ丼なら ちょっと高くても食べるよ 決まってるからね 可愛いカツ丼 カツ丼は似合う衣を纏って可愛い カツ丼なら 肉が続いても食べるよ 魅力的だからね 覚悟を決めるよ 寿司屋とカツ丼屋に入る時は そんなに軽くない食事 重いから色々思う 消化能力を高めて 五感を研ぎ澄ます セブンセンシズが目覚めたら 頂きます 磨かれて格好いいカツ丼 お洒落して可愛いカツ丼 勝負事の前に縁起を担いで食べると 緊張するから 辞めとき

      • 60.大きなハンバーグ

        ふわふわで溢れ出る肉汁 箸でも切れる柔らかさ 洋食の中でも美味しい部類のハンバーグ 大きなハンバーグでも直ぐに食べ切れてしまう そして思う ステーキより美味しいかも知れない 頭を過ぎる 我思う、ゆえに我あり やっぱりステーキ屋に行ったらステーキを頼まないと 軟弱なハンバーグ 子供向けのハンバーグ 大人は繊維を噛み締めるステーキ そして思う 連れが頼んだハンバーグの方が美味しいかも知れない 脳内を駆け巡る 我思う、ゆえに我あり 肉に拘泥するのは狩人の血か 狩りの成功を祝

        • 59.豚丼

          ああ豚なんだと思う 牛じゃないんだ なんでだろう 昔の豚肉はもっと硬かったけど 硬い牛肉もあるよ ああ豚丼なんだと思う 牛丼じゃないんだ やっぱり サシの入った牛肉と比べると 豚肉は立場が悪い ああ豚だ 走り回る牧場の味がする 牧場はなんのメタファー クラブDJ 豚肉は安いベッド 納屋にある ちょっとへたったマットレス 牧草が舞って、三角窓から光が入って来る 急いでるから 急いでるから 美味しいけどああ豚なんだと思う 美味しいけどああ豚なんだと思う ああ牛だ

        62.シュークリーム

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        • 日々の茶筒
          62本
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        記事

          58.豚骨ラーメン

          ラーメン 官能的な響き コッテリしたりあっさりしたり 胡椒を振ったり、振らなかったり ニンニクを入れたり、入れなかったり ラーメン 官能的な響き 大事なのは気合いを入れること 食べる前から気合い入れて 麺が伸びないように 気合いを入れながら食べる 気の抜けた惰性で食べるラーメンは美味しくない チャクラを回しながら気合いで食べる 前髪はヘアピンで押さえる 気合いが入るから ちょっと量は多めの方がお腹に力が入り気合いが入る 毎日食べない方が気合いが入る 気の抜けた惰性

          58.豚骨ラーメン

          57.イサキの刺身

          初めて食べる 柔らかい 美味しい 食べきっちゃった 柔らかくて美味しいものは直ぐに食べてしまう おかわりが必要だ あまりよく分からなかった 上品な味がする 白身はコリコリしてた方が美味しいと思ったけど 柔らかくて上品で美味しい ふかふかのベットと枕とシャンパン 君の体温 柔らかくて美味しいものは直ぐに食べてしまう おかわりが必要だ 初めて食べた時は 美味し過ぎて ぐるぐるして あまりよく分からなかったよ 柔らかくて美味しいものは直ぐに食べてしまう おかわりが必要だ

          57.イサキの刺身

          56.鰹の刺身

          鮮烈な血の匂い 口の中に溢れる血の味 紙一重の刀の音 鉄の味 絶対に武士の味 溢れ出た血の色 研ぎ澄まされた赤い色 獣の血とは違う透き通った武士の血 命を殺めたら地獄へ行くなら 獣が行く地獄は粘りつく様な地獄で 武士の行く地獄は透き通った地獄だ 殺し合って地獄へ行くなら 抜き身の日本刀の様な 武士の地獄へ行きたい 泥の様に眠り 泥の様な地獄へは行きたくない 紙一重の世界なら 刃の上を渡り 鮮烈な世界へ行きたい

          56.鰹の刺身

          55.鰻丼

          蒲焼になった鰻のタレがご飯に染みて 掻っ込む丼飯 絶対に鰻に骨があっちゃいけない ふわふわの鰻 ゆっくり食べたいなら鰻重の方がいい 鰻重の方が未だ引き留めるものがある 自制心のない食べ物鰻 リミッターを超えた食べ物 超えちゃいけない一線を越える ぬるぬるぬらぬらと這って超えて行く 柔らかく蒸して、香ばしく焼き上げ、タレにドボン ここまで美味しくする理由は何 夏を越える為 日本の夏はどれ程の過酷 一線を何度も超えて行く 失った自制心 リミッターを超えた先へ 超えちゃいけ

          54.缶コーヒー

          中毒性があるのは分かる ホットでも冷たくてもいい香り でも大人向け シロップの咳止めみたいな味がする 美味しいのか不味いのかは分からない 完全にマーケティングの外にいる時に感じる不思議な感じ 私にとって缶コーヒーが美味しかろうが不味かろうが どうでもいい 私は相手にされてない 缶コーヒーを飲んでも眠気は飛ばない 何本も飲んで仕事をしてる人たちとは違う世界の住人 自販機の半分を占める缶コーヒーは私向けじゃない 薬みたいな味 なんに効く薬なんだろう 咳嗽、喋るな、猿向け

          54.缶コーヒー

          53.とろろご飯

          ちゃんと芋の味がする 白くてドロドロしてるけど紛れもなくこれは芋だ ドロドロの芋 ドロドロの芋 蛹になった幼虫の中身みたいな味 溶けてまた蝶の姿に変わる 芋っぽい変身中の味 芋ジャージを着て街を歩く お早うからお休みまで芋ジャージ ちゃんと芋の味がする 飲み込むのにちょっと抵抗があるけど紛れもなくこれは芋だ ドロドロの芋 ドロドロの芋 蛹になった幼虫の中身みたいな味 溶けてまた蝶の姿に変わる 芋っぽいからモテない そうでもないぜ芋ジャージ お早うからお休みまで芋ジャ

          53.とろろご飯

          52.雑炊

          一から作るとそんなに美味しくない 鍋の締めで作ると美味しい かなり贅沢な出汁を必要とする 鍋を楽しんだ後の旨みたっぷりの出汁で作るとかなり美味しい カニとか鶏とかの旨みが出てるから 雑炊はサンプリング・リミックス ちょっと職人的 葱とか三つ葉とか薬味のアクセント 新鮮さを蘇らす 眠い味になったら失敗 目覚める味になったら成功 美味しいものの足跡を辿ると眠くなっちゃうから S字スラロームでパイロンを飛ばす はみ出して新しい味になったら成功 眠い味になったら失敗 目覚

          51.パスタ

          パスタを作れるとモテる気がするんだ 結構上手いんだ トマトソースをアレンジしたパスタ 情熱的な味がする パスタは結構一人で練習した Aglio, olio e peperoncino ニンニク焦さないでね 花を飾る花瓶も無い部屋だけど 映画のポスターが殺風景な部屋だけど 君がいると喜びに溢れる そして触れるのが怖い 見る前に飛べ 高く遠くへ 君がいると喜びに溢れる そして君に触れる キスをしよう 何度も 君がいると喜びに溢れる そして君と旅に出る 手を繋ごう

          51.パスタ

          50.おにぎり

          厚手の鍋でご飯を炊いて 手水をつけて 指先に塩を付けて おにぎりを握る シーチキンマヨネーズを具にする 後は梅干し 最後に海苔を巻く 二個はラップを巻いて冷凍する 二個は直ぐに食べる 自分で握ったおにぎり 圧倒的に美味しすぎる食べ物になってしまう こんなの毎日食べて良いのかなあ 炊き立てご飯 こんな美味しすぎる物が主食なんて あまりにも贅沢な国だな 油断大敵 灯台下暗し 一寸先は闇 ほか弁屋のご飯はパサついていた 虫の知らせに感じる コンビニのお弁当は味が濃すぎた

          50.おにぎり

          49.あまり物

          そんな大した事じゃないけど あまり物を食べると 一回食事を損した気分になる 自炊するとあまり物の処分だらけになるので なかなか色んな物が食べられずに損した気持ちになる 一回分食費が浮いてるので得してる筈なんだけど トータルイコールで考えると 新しい何かを食べるのは食費以上の価値がある 新しい何かとは食べるべき何かだ あまり物は機会の損失になる あまり物で色々考えるのは難しいのだ 何も考えずに食事を楽しむ人はあまり物でも美味しいのかもしれない 食べずに考えなさいと言われ

          49.あまり物

          48.火屋

          君みたいな人は他に知らない 喜ぶかどうかしらないけど 個性的だね 不思議な味 何味  海の味 美味しい そんなにいっぱい食卓に上がらないけど いっぱい食べていいものかどうかしらないけど もっといっぱい食べたいな いっぱい食べたら個性がなくることもなく やっぱり君は個性的だと思うよ 似てる人を知らないから 不思議な味 何味 海の味 美味しい 不思議な味 何味 海の味 美味しい

          47.饅頭

          歴史の菜譜 地層から発見される化石 いつかこの宝石を名店で注文するんだ 今は私の中にしかない饅頭だけど 涙が宝石に変わるまで 恋するように思い続けて いつか本物の宝石をこの目で見るんだ 冷たい肌触りと滑らかな舌触り 今は饅頭を食べる 大判焼きでもたい焼きでも食べる 黴が生えたら大変だから 地中深くで眠る 目覚めの時は近い 眩しい宝石たちが この胸に輝く 一生忘れないように目に焼き付ける 色とりどりの宝石 涙が宝石に変わるまで 恋するように思い続けて いつか本物の