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伝えることの大切さ


最近、「閉院」の話題が大きく報道された上越市の新潟労災病院。

今、ここの病院の歯科の先生にお世話になっていて、閉院になると、先生はどこに行ってしまうのかな…と心配しています。

新潟労災病院


もう30年も前の話になりますが、ここは、母親がくも膜下出血で倒れて運ばれてから4ヶ月間、家族と親戚総動員で毎日看病に通い続けた思い出深い病院でもあります。

母は、私と弟が社会人となり母親としての役目も一段落し、人生をこれから楽しもうとしていた矢先だったに違いないし、私たち家族も母を失いたくない一心で、眠り続ける母に寄り添いました。

意識がないまま60歳の誕生日を迎えた母。


母親の患部は、糸魚川の病院では手術が困難なほど脳の奥深い部分で、労災病院へ転院となり、手術に執刀して下さったのが、当時、県内ではナンバー1と言われるほどの「脳外科の名医」でした。

先生との出会いに感謝し、すがる思いで聞いた手術前の説明は、「最善を尽くしますが、命が助かるかどうかは、この患者さんが持っている運です。」で、
お医者さんでも「運」という言葉を使うのか…という大きな衝撃と母親の死を覚悟した瞬間をはっきり覚えています。


幸い手術は成功し、母は奇跡的に目を覚まし、その後16年間は不自由な身体ながらも、家族に囲まれて母親らしい人生を過ごすことができました。

右半身不髄、左顔面麻痺でしたが、病気になっても強かった母
(そして…みんな若い…笑)


「名医」と呼ばれた先生への感謝、母親に生きてほしいと願い続けた家族の思い出が、この病院の前に立つと今でも鮮やかに蘇ります。

医師は、外来や臨床で、より多く、より困難な症例に出会うことで、医療技術や患者さんとの向き合い方を経験として積まれて、やがて多くの命と向き合う名医になられるのだと思います。

緊急を要する「高度急性期」「急性期」と、病気がある程度落ちついた予後のための「回復期」「慢性期」を集約し、医師にも私たち市民にもよりよい医療環境を整えようと動き出している「地域医療構想」

冒頭の私のように、「慣れた先生に診てもらいたい、何かあった時に近くに病院があってほしい」と願う市民の気持ちや不安や不便を解消し、1人でも多くの大切な人や家族を守るために、都道府県行政を後押しする、市町村の果たす役割は大きいと思います。

行政施策をしっかりと理解して、その大切さを市民の皆さんにお伝えし、安心を促すことも、私たち議員の役割のひとつだと考えています。


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