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復路の最重要区間が9区である理由


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今日はですね、「復路まとめ 最重要ポイントとなる区間は9区?」こんなテーマで話していきたいと思います。データを使ってできるだけわかりやすくお伝えしようと思うので、ぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。本題に入る前に、まずは9区と10区についておおまかに振り返ります。
その後、今日の本題として9区が最重要区間であった理由について解説したいと思います。


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それではまず、9区の振り返りです。

区間10位~20位のタイム範囲大きい。多くの大学にとって試練の9区になりました。
創価石津 区間記録に迫る。生麦の定点まで区間新記録ペースと快走を見せました。


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区間記録の分布を見ていきます。
創価大石津は2位以下を引き寄せない、圧巻の区間賞となりました。
また、区間上位より区間下位の方が範囲大きくなっており、ここ2年は試練の9区として、差がつきやすい重要な区間になっています。

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ペース変動を見ていきます。
創価大石津は、最初の3定点間を一番早いペースで走り抜けました。
帝京大橋本、早大小指、東洋大小田は、最後の定点間でその前の定点間よりペースが上がる、粘りの走りを見せました。


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創価大石津と区間記録の走りを見比べていきます。
権太坂では石津の方が速く13秒差、横浜駅前では区間記録の方が速く23秒差、生麦では石津の方が速く9秒差、しかし、鶴見では区間記録が13秒速いという結果でした。


次に10区の振り返りです。


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10区のトピック1つ目、神奈川佐々木1年生区間2位の快走。中盤2定点間トップの走りでした。
2つ目、帝京、早稲田、順天堂、國學院の6位争い。國學院序盤からせめて6位争い絡みました。
順番に解説していきます。


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10区のペース変動です。
中盤2つの定点間、蒲田から新八ツ山橋までの7.4kmと新八ツ山橋から田町までの3.2kmで神奈川大の1年生佐々木がトップのペースで走り、区間2位となりました。
また、学生連合の芝浦工大松川は連合唯一の区間トップ8入りと、好走しました。


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國學院大の木付は9位で襷をうけ、シード権が確実なものではない展開の中、序盤からせめて6位争い絡む走りを見せてくれました。
東国大の杉崎は、粘りの走りで明治寄せ付けず、シード権をもたらしました。
2人の主将が良い形で10区を締めくくってくれました。


さてそれでは、今日の本題、復路最重要区間が9区であった理由ついて解説していきます。


まずは、2つの数字を紹介します。標準偏差と平均順位変動です。多少難しいところもあるかもしれませんが、こことても大事なところなので、ざっくりとでも良いので掴んでいただければと思います。できるだけわかりやすくお伝えするので、みなさん頑張ってついてきてください。
標準偏差と平均順位変動、順番に解説していきます。


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最初は標準偏差です。標準偏差はこの式で求められる数値です。あーもうなんだかわからん、って方もいると思うんで、わかりやすく説明すると、

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わかりやすくいうと、この丸のばらつき具合を示しています。ばらつきが小さい、各大学間の差が小さい、拮抗していると標準偏差は小さい。ばらつきが大きい、各大学間の差が大きいと標準偏差は大きい。ということになります。標準偏差は、区間タイムにおける『各大学間の差のつきやすさの指標』と理解して頂けたらと思います。


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つぎに平均順位変動について例に沿って解説します。1区終了時点で1位A大学、2位B大学、3位C大学という状況でした。
続く2区で、Aが2つ順位を落とし3位、Bが1つ順位を上げ1位、Cが1つ順位を上げ2位と順位変動がありました。
さらに3区では、Bは変わらず1位、Cが1つ順位を落とし3位、Aが1つ順位を上げ2位となりました。
2区の平均順位変動を求めていきます。2区ではB+1、C+1、A-2でしたので、変動した順位は、Bが1つ、Cが1つ、Aが2つです。この1と1と2の平均値1.33。これが平均順位変動です。変動した順位の平均値となっており、順位変動の起きやすさを表しています。
同じようにして3区の平均順位変動を求めてみましょう。3区ではB±0、A+1、Cー1でしたので、変動した順位は、Bが0、Aが1つ、Cが1つです。この0と1と1の平均値、0.67が平均順位変動です。この場合、2区の方が3区より順位変動が起きやすかったことを示すことができます。


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2つの指標について説明したところで、復路における2つの指標がどのようになっているか確認していきます。
ばらつきの指標、標準偏差は、6区1分14秒、7区59秒、8区1分5秒、9区1分27秒、10区58秒でした。9区が1番大きく、2番目が6区、1番小さかったのは10区です。
平均順位変動は、6区1.4 、7区1 、8区0.75 、9区1.25、 10区0.6でした。 6区が1番大きく、2番目が9区、1番小さかったのは10区です。


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2つの指標を踏まえて9区が復路最重要区間であった理由を解説していきます。理由は2つです。
1つ目。9区は、1番タイム差がつきやすく、 2番目に順位変動が起きやすかったと言えます。つまり、9区は攻略が難しいかつ勝負の流れが大きく動く区間でした。これが9区が最重要であると考えた1つ目の理由です。
2つ目。10区はタイム差がつきにくく、順位変動が起きにくかった区間でした。つまり、9区でおおよその順位が決まる展開だったと言えます。これら2つが9区が最重要であると考えた理由です。

どうでしょうみなさん。理解していただけましたでしょうか?


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さらに9区の重要性について、少し別の見方をしてみましょう。前回のnoteで、2019年以降、7区8区の高速化、標準偏差・ばらつきの低減が起きていることをお伝えしました。もしよろしければ前回のnoteも見ていただけたらと思います。つまり、繋ぎ区間の7区8区のランナーも揃えられる選手層の大学が多い時代になった。これを踏まえると、今年良い結果を掴んだのは、9区にも状態の良いランナー、強いランナーを配置できる選手層のある大学であると考えることもできます。



今日の内容をまとめます。今日は「復路まとめ 最重要ポイントとなる区間は9区?」というテーマで、9区10区の解説と本題に分けてお伝えしてきました。

9区のトピックは2つ。
区間10位~20位のタイム範囲大きい。多くの大学にとって試練の9区になりました。
創価石津 区間記録に迫る。生麦の定点まで区間新記録ペースと快走を見せました。


10区のトピックも2つ。
神奈川佐々木1年生区間2位の快走。中盤2定点間トップの走りでした。
2つ目、帝京、早稲田、順天堂、國學院の6位争い。國學院序盤からせめて6位争いに絡みました。


2つの指標を踏まえた9区が復路最重要区間であった理由は2つ。
9区は、1番タイム差がつきやすく、 2番目に順位変動が起きやすかった。つまり、9区は攻略が難しいかつ勝負の流れが大きく動く区間でした。これが1つ目の理由。
10区はタイム差がつきにくく、順位変動が起きにくかった。つまり、9区でおおよその順位が決まる展開だった。これら2つが9区が最重要であると考えた理由でした。


以上、9区が復路最重要区間である理由、みなさん理解していただけましたでしょうか?
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それでは本日の内容は以上になります。今日もありがとうございました!



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