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届くといいな

 1年に1度、その季節になると『外国人は今こそ日本に来るべきだ!』となぜか強く思う。
 それが、初夏。
 新緑に萌ゆる植物たちの鮮やかさ。あの黄緑色や萌葱色。植えられたばかりの田んぼのみずみずしさ。日本の国土が緑にみるみる埋め尽くされていくような感覚。この生命感溢れる季節をぜひ体感してもらいたい(特に外国に知り合いがいるわけではないのだが)。

 しかし、近年ここに『秋』が加わった。
 透明感に満ちた眩しい日差しが、少し斜めに降り注ぎ、木の葉をきらびやかに縁取っていく。風に揺れる葉は、光を拡散してますます輝く。
 それまでの蒸しっとした暑さから一転、空気は乾き、空の青は澄み渡る。夜は、スズムシたちの合唱で、賑やかな静寂に包まれる。なんと清らかな季節だろう。
 秋晴れが続くと、感動のあまり、そんな思いが駆け巡って仕方がない。

 今こそ、ぜひこの日本の秋を感じてもらいたいと思う。

 世界は、美しい風景に溢れているが、日本の片隅もその例外ではないのである。

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