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25歳喪女がマッチングアプリを始めてみた件

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好きな人に4か月片想いし続けてこじらせた失恋の記録です。
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25歳喪女がマッチングアプリを半年続けてたどり着いた“恋愛”についての思考

はじめまして。 まもなく26歳になろうとしている “一般会社員女性” です。 決して大きくはなく、小さすぎもしない企業に勤め、不満のないサラリーをもらって好きなことにお金を使う。趣味は読書と映画とラジオ。見えないなにかに急かされて料理教室に通ったり、友人と仕事の愚痴を言い合いながらお酒を飲んだりして週末を過ごす。平凡な生活を送っています。 でも、人と違うところがあるとすれば、つい数か月前まで喪女だったこと。 誰とも付き合ったことがない以前に他人に恋心を抱いた経験がほとんど

13歳で洗脳して人を好きになった挙句、恋愛感情を放棄。いまだに「好き」がなにかがわからない

「好き」がなにかがわからなかった。 人を好きになるということは、どういう状態を指すのかがわからない。 これは私の人生の永遠の問いで、いまだに答えが出ていない。 中学生の時、“人を好きになることをやめる”という選択をしたことが間違いだったのだろうか。 13歳で「人を好きにならない」と決断した中学生以前の「好き」に意味はないと思っている。アイデンティティが確立されていないから。 幼稚園児の頃から「好きな子」とカウントした男の子は数人いたが、足が速いからとか、頭がいいからと

人生で二度目の恋をした。聡明すぎる彼に魅了され、劣等感にさいなまれた夜

それは唐突な出来事だった。 知り合って1週間後にはすでに恋に落ちていた。4年間も失っていた「好き」という感覚を、たった一人の青年が鮮やかに蘇らせた。 「あっ」と思った時にはもう手遅れ。私は彼に恋をした。 アプリで出会い、初めての電話で5時間話し続けたはじまりはマッチングアプリだった。 「いいね」をくれた人のプロフィールを黙々と読んでいると、気になるワードがあった。 「京都にある大学院で変な人たちに囲まれて勉強してきました」 無類の変人好きである私は、このワードにアンテ

恋の魔法にかけられた喜びから一転、片思いは玉砕し、やがて連絡が途絶えた

坂元裕二さん脚本のドラマ『カルテット』にこんなセリフがある。 好きな人には好きって言わずに会いたいって言うでしょ? 会いたいという感情は、「好き」を意味するのだろうか。 会いたい。すごく会いたい。もう一度、彼と話がしたい。 多くは望まない。ただそれだけを願っていた。 心が浮き立つ、恋とは「魔法」だ彼と会った日から1週間が経過してなお、あの日のことが鮮明に思い起こされるのは、それだけ彼に魅了されていたからなのだと思う。 強烈に惹かれるものがあった。それは、恐ろしいほどの

失恋とはなにかを悟った夏の記憶

4日連続で酒を飲んでいる異常さに、心が穏やかでないことを知った。 酒は強くないから普段は飲んでも週に1回、金曜の夜にお笑い番組を見ながら缶チューハイをちびちびと、毎回飲み切れずに1/5くらい残して寝落ちする程度だった。 それが、今では遥か昔のことのように思う。「酒がなければ人生やっていられない」と、言ってみたかった台詞を吐いては胃に酒を注ぎ続ける。 そもそも彼が言ったのだった。「お酒が飲めるかどうかは肝臓のアルコールの分解能力だから。肝臓は鍛えられる」と。だから飲んでいる。彼

失恋を断ち切れないまま3か月が経ち、衝動で石垣島へ逃亡した

この世にはいろんな人がいる。 いろんな人それぞれに気持ちが存在する。 恋愛とは、それぞれの気持ちが互いに向き合うことで成立する。 だが、私の経験上、双方の気持ちが向き合うことは極めて稀で、多くが一方的に気持ちを相手に向けている。 悲惨なのは、相手の気持ちがこちらに向かない限り自分の想いは永遠に一方通行で、なにかのタイミングで終わらせなければ、自ら息絶えるまで路頭に迷い続けるということだ。 はたして、なにをもって終わりにすることができるのか。 さまよった感情は、いったい

4か月引きずった失恋相手に捨て身の告白をしたのも、全部、石垣のせいだ

東京から約5時間。 沖縄で飛行機を乗り継いで、到着した石垣島は雨だった。 ただの雨なら「残念な天気」で済む話だが、傘が裏返るほどの豪雨を目の前にしたら笑いが込み上げてきた。自分の心境を反映しているかのように荒れ狂う空を見て、ただならぬ「なにか」を予感した。 思えばこの時から、石垣旅がただの旅行にとどまらない、私の人生の転機になることを予期していたのかもしれない。 思いもよらぬ展開によって動き出した未練だらけの失恋を、石垣の記憶とともに書き残しておく。 心情を吐露したメモと

幸福な恋が終わりを迎えた日

仕事終わりの帰り道。 スマホの通知を確認すると、彼の名前が表示されている。 返信がきた。3か月ぶりに送ったLINEのメッセージに返事がきた。 叫びだしそうな気持を抑えながら駅へと向かう。はやく見たいけど、落ち着いて見られるところに着くまでは我慢。 次第に速まる鼓動を鎮めながら、駅のホームで電車が来るのを待つ。ファーーッという音とともに滑り込んできた車両に乗り、座席に腰を落ち着けてからスマホの画面を開いた。 息を飲んだ。 彼は丁寧に、私ではダメだった理由を書いてくれていた