見出し画像

夏コミケ初日で体調を崩して救急車のお世話になった件について

表題の通りの話で、その晩の自分のツイッターにも書いたのですが、そんなものを皆が読んでいるわけもなく今も心配される方もいらっしゃるようなので、こちらにまとめておいてツイッターやブルースカイから引用できるようにします。

結論

結論を手短に言えば「熱中症というか脱水症状で、病院で横になって点滴を一本打って休んだらそのまま帰れた」ので、心臓の持病持ちのアラカンとはいえ過剰に心配していただくほどではないかと…以下、詳細。


コミケ開始までの状況

先立っての入院

もともとGW明けから体調を崩して5月23日に心不全由来らしい「肺に水がたまって」入院して、6月11日に退院。ただしまだ足の炎症(心不全由来?)が酷く「まともに歩けない」状況で自室でPCの前に座っているのも不可能な状況だったので、やむなく6月・7月は休職。そこからは自宅リハビリに専念したものの7月中旬にもなるとさすがに「歩行はできる」「歩行に支障のない」状態に回復したので8月から復職しつつ、コミケも通常参加をすることに。

コミケ初日の前日~当日の朝

当日のすべての準備は終えていたので、特に徹夜で何かをするというわけでもなく早めに就寝。この老齢になると「長く寝るのも体力を使う」ので4時間も寝ると目が覚めてしまうのが普通なんで、まあ睡眠は不足気味と言えなくもないけど…。
6時に起きてピザの残りを食べ、会場へ。もとよりすでに体力には自信はないので、おカネで買える楽はするということでタクシーをGOアプリで呼んで会場まで。7時半には到着します。

1人だとタクシーとか贅沢はようやらんですが、夫婦2人だとバスやJRやゆりかもめを使って安く済ませても2千円はかかるので、行きは体力温存を重視します。なおメーターは7000円ぴったりでした。追加5千円ならOK。

設営から開始まで

自分の(女房の)スペースで新刊の到着を確認。西館のアラジンさんに委託をお願い出来た状況なので、自分で新刊2種(ビデオ本50、旅行本5)と、身内配り用を持参して西館まで。これは何事もなく終了。開場前の東西移動は普通に館内通路を通れるので、つらくないです。
あとは西館から東館の今日来ているサークルへの挨拶回りと新刊交換。
そしてスペースの設営が終了。
今回の目玉であるフリーレンのスタッフ本の列に並んで貰うべく、女房を送りだしてから自スペースに座って待ちます。
そして10:30、コミックマーケット1日目の開始です。

コミケ1日目開始

売り子

基本、自分はのんびり座って売り子。新刊「廃レンタルビデオ屋の中身を落札した話」はやはりの好評で、列こそできなかったものの開場直後からぽつぽつと立ち寄ってご購入いただけるかた多数。

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2484230

昼食

女房が最大手のフリーレン本の列から帰ってこれないので、買っておいた穀物バーをもぐもぐ。まあ、これで充分。

委託在庫回収に西館へ

廃レンタル本はそこそこ売れることが予想されたので、西館メインのひとむけに西館スペースのアラジンさんに「50部でも行けるかな?」を朝に委託したけど、昼過ぎに「いま15部くらい出た」という報告に「あ、そーなんだ…」な感想。

西館での委託は「でかいポスター」がないので、通りがかりの人にまずそこに本を置いてあることに気がついて貰うのにハードルがあるという気づき。手に取って貰えたら、あとは割と買って貰える感じなんだけど。
もちろん委託の事実は自分のツイッターなどで告知したけど、そんなものをわざわざ見てくる人はそんなに多くないという気づき。

いずれにせよ「そろそろ撤収」も考えるアラジンさんの所で委託在庫が余るのは確実だったので、これは回収に行かねばならんな、ということで女房が13時過ぎに遠征から戻ってきたタイミングで座らせて、自分が西館へ。
完売していれば、明日に売り上げだけ貰うでもいいんだけどね…。

なお女房もフリーレン本を買えた後で、屋内で座り込んでしまって勧めに応じて救護室で休んでいたという報告をあとで聞きます。

開場後の東館から西館は、例によって「行き」は館内通路の最短でほぼ楽なんだけど、例によって「帰り」はよく分からないルートで外で直射日光を浴びながら大回りさせられ、かつ東館入りするなり、まだ行っていなかったUGO(完売してた)だの紫宸殿(ゲ謎セット買えた)だの、リリィ先生(ゲ謎は完売したらしく撤収済)も立ち寄ってから自分の所に戻ります。

これはもちろん疲労ポイントを加算する行動だったけど、救急車のお世話になった原因とは言い難いことは申し添えておきます。

撤収開始

引き続き新刊「廃レンタルビデオ屋の中身を落札した話」はぽつぽつ売れていたけど、さすがに15時を回るとチェック済の方は立ち寄っていただいたようで、足早に帰ろうとする方がポスターを見て手に取って、のパターンが割と露骨に(手に取ったけど買わなかった人の比率も増えた)ので「明日もあるしすこし気分も悪くなってきたし、16時まで頑張ることもないか…」と撤収作業を開始。
すでに明日のスペースのサークルも撤収済であることを確認できたので、スペースを解体して荷物を積んだり借りた椅子を返却して15時半には会場を離脱。ただしすでに決断が遅かったようでした…。

帰宅難民

まーぶっちゃけ、結果論としては体調を崩した主因は「水分を十分取らなかった」ためですけど、行動的にはここからの2時間くらいだと断定できるんですけどね(笑)。

タクシー乗り場

幸いにして、大荷物は明日のスペースに置いたので手荷物で帰るだけなのですが、当然のように疲れているので「タクシーでよかろ」と思いつつ乗り場に移動する。
すでに乗り場の折り返し乗車待ちの列が4列あったので最後尾に並ぶも、あまり流しがガンガンと来ている感じもなく、列が動くときは動くがイマイチ感。
ちょっとあと1時間やそこらで乗れそうな感じがなかったので「…かもめにすっか」ということでタクシーの待ち列を離脱。ただのロスタイム

ゆりかもめ(東京ビッグサイト駅)

当然ながら、ゆりかもめも長蛇の列。ただしこちらは列がほぼ止まらずに動いているので、あまりストレスを感じることなく進み、やがて改札を通ってホームへ。
あとは新橋行きに乗って帰るだけではあったのだが、この頃にはだいぶ気分が悪くなってきた

それでも乗車して動き出した新橋行きのかもめは満員ながら、さすがにこの傍目なのでほどなく席を譲ってくれる方が居たのだが、やれありがたやと座ろうとして足がふらついて床に尻をついて崩れる。あかん。
誰かが車中ベルを鳴らしてくれて連絡し、とりあえず青梅駅で降りてベンチに座る。確認のため数分間の遅延をした模様(申し訳ない…)。

このへん、すでに記憶があやふやなので(だめじゃん)女房の証言をもとに再構成。

ゆりかもめ(青梅駅)

ベンチで座って小休止。すこし落ち着いた。
どうしたものかと駅員に相談すると「では、すいてて座れる豊洲行きに乗って、豊洲駅でタクシーを拾って帰ってはどうか」という提案。
ああ、そうしようかなと思って豊洲行きに乗車。ふつうに座れた。

タクシーはみんなビッグサイトに行くので、青海駅から拾うのは無理だろうとの駅員の判断あり

ゆりかもめ(豊洲駅)

豊洲に到着。やれやれ、じゃああとはタクシーを拾って帰ろうと思いつつ改札を出るも、どうも「タクシー乗り場」の案内が見当たらない。あれ?
改札を出た所の窓際で足を止めてタクシー乗り場を女房に探しに行って貰ったが、とりあえず周囲に座れる場所がないので窓際で寄りかかって立って待つうちに状態は悪化し、眩暈もしてきた
このへんで心が折れて、これはあかんなと思いつつ、女房が戻ってきたので「すまん、目の前のセブンで、とりあえずガリガリ君かICE BOXを買ってきてくれないか」と身体が欲するままに要求して少し待って口にするも、それを全部食べる前に周囲の世界が白くなってきた。
過去の経験からも「あー、これはもうあかんね。あと半歩で失神するわ俺」という自覚があったので「もう立っているのは無理。やむをえん。みっともないけどこのまま床に横になろう」と判断し、女房に氷菓子の残りを渡して言い添え、救急車を呼ぶことを女房に依頼して横になりました。

床で横になっているうちに視界は正常に戻り、意識もはっきりしてきたものの、当然ながら周囲は「ざわ…ざわ…」という状態になり駅員らしい方との受け答えをします。別に呂律が回らないわけでもなく、過去に心筋梗塞をやってるなどの情報を伝えます。

端的に言って、豊洲駅の改札を出たところに座れる場所があれば、そこで少し冷たいものを飲んで休んでからタクシー乗り場に移動すれば、救急車を呼ぶ羽目にはならなかったと思います…。今度はコミケで混んでいて座れなかったとかいうのではなく、単にベンチやらが何も見当たらなかった…。

ともあれ、これで床に横になってしばらく待ってから、救急車を待ちました。

救急車

収容先を探す

やがて救急車が到着し、搬入されました。普通に会話ができる状態であったので横になって今日これまでの経緯や、過去の心臓の手術、心臓の疑いなども伝え、三井記念病院で今も定期的に経過観察中であることを伝えます。

とはいえ救急車はタクシーでなく行き先を指定できないし、三井記念病院のある秋葉原は豊洲からはそこそこ距離もあるため、緊急性も含めてまずは「心臓を診られるこの近くの収容可能な病院」を探すところから開始します。

しかしやはり近くに心臓を診られる所はなく、三井記念病院からは「OK」が出たようなので「三井記念病院に行きます」という話になりました。

病院

収容

三井記念病院に到着。女房はどこかで待機していた模様。
救急車の車輪つきベッドのまま院内に入り、ベルトを外して院内ベッドに持ち上げて貰って横になります。

検査や問診

基本的に、すでにこのときには意識は鮮明でしたので、受け答えもよどみなく行います。

ともあれ心筋梗塞の手術歴などもあることを改めて伝え、まずは心臓がヤバくないだろうかということで、血圧測定と採血から行います。採決は「ちょっと血管が分かりにくいので手の甲からでいいですね」と言われてから手の甲から(痛みがすこし強い)。

さらに「今日はこれまで何を」と聞かれたので「えー、ビッグサイトのコミケットというイベントに…」と伝えると「ああ、コミケット」と言われて心なしか医師やスタッフの空気が変わった感じ。
おそらくここで「ふつうに熱中症じゃね?」というフラグが立ったと思われ、医師がふくらはぎを触ってきたり、点滴がセットされます。

心臓ってふくらはぎ関係あったっけ?と思ったけど、そういえば熱中症の兆候として「足がつる」というのがあったよね…。

さらに「今日はどれくらい水分を取りましたか?」と聞かれたので「えーと、ペットボトル2本は飲んだから1リットルは飲んでいた筈ですが」と答えると「1リットルじゃ少ないです」と即座に返される。
このあたりで「脱水症状でしょうね」と診断がつきました。

1.5リットルは最低でも取らねばという感じのようです。この酷暑だし。

とはいえ念のため、胸部レントゲンを撮影したり、「痛むところはありませんか?」「えーと、前に心臓をやったときのように、左肩甲骨の下あたりに肩こりがありましたが、今はそれも消えました」と返答。

入院のすすめ

やがてレントゲンと血液の結果も届き、どうやらそちらは問題になりそうな結果でもなかったようで、どうやら今回は心臓はセーフでただの脱水症状であろうという結論になりました。やれひと安心。少々バツが悪いけど。

「ただし」
「ひろじさんは腎臓の機能が低下しているので(え、そうなの?)、大事を取ってこれから入院することをお勧めします」と言われました。
いつものパターンです。

これは「廃レンタルビデオ屋の中身を落札した話」ではごく簡潔にオチの最終章で3ページほど書いたんですが、実は本来は「入院編」ももう少し詳しく書く予定でもありました…まあ正直、読んでてそれほど楽しい内容ではないと思われたので、本の完成度のうえでも詳しく書かなくて正解だったけど。

医者が立場上「安全側」に振るのには理解を示したいんですが、5月23日の入院は本来の「体調不良」である肺の水は一週間もすれば完全に抜けていたので退院できたと思うんですけど、そこで本来は心臓に関係なさそうだけど入院後に悪化した「足の炎症」が酷くて歩けなくなったというのはともかく、抗生剤が効いて歩けるようになって退院後の自宅療養の目途がついてからも「念のため来週頭に判断」とか「念のためあと3日」とか引き延ばされたのよね。結果的には6月11日に退院したんだけど、これも抗わなければ6月10日の朝に「とりあえず6月12日退院ではどうか、あるいは6月18日まで様子見」とか言われたのを、さすがに断って「いえ、同意書書くんでもうなるはや明日の6月11日で」と何度も抗って強く主張したうえでやっとOKを出して貰ったんだよね…。
はっきり言って入院のメシマズで病院食がほとんど喉を通らず一日ベッドの上に居るだけのストレスは明確に体力を奪われつつあった自覚があったので「もう耐えられない」という気持ちが大きかったわけですが。
しょーじきなところ、医師や看護師の方には基本は感謝しかないんですが「入院生活というものがいかに巨大なストレスと24時間戦う必要があるものであるか」についてはもう少し、理解を示していただければと…。

ぼくの入院費などしれたものなので「おカネ目当て」ではなかったと思います。あくまで「安全側に振ってる」だけでしょう。何かあったときの責任問題がとは言いません。

なので、今日倒れた時点で自分でも「明日のコミケは欠席して、自宅でのんびりするしかないな」という覚悟はしていたものの、今ここで入院したらいつ退院できるか分からないし有休残ももう心配。何よりもすでに横になって回復した自覚のある自分は、すでに喉も乾いてるし空腹感もあるしさっさと家に帰って、思いのままに冷たいものを飲んで夕食を取って寝たいという気持ちのみだったので「ここで入院させられてたまるものか」とこれは内心で全力で拒否
それは表に出さずにとりあえず「すみません、もう有休残もないので再度の入院は難しいです。帰ったら家で静養するようにしますので今日はこのまま帰れればと思います」とやんわりと断り退院の同意書にサイン

結果論から言えば「そもそも豊洲駅で横になって救急車を呼ばなくても、地べたに座り込んで休めばなんとかなったのでは」と思えなくもないです。騒ぎを起こして申し訳ない。
最近は「地べたに座っちゃう若い人」も多いという報道も見ましたし、やっぱりコレは「公衆の場所にベンチが少なすぎる」問題なのでは…? 当時の豊洲駅はおよそ「コミケ後の混雑」とは無縁な状態だったし。

帰宅

入ってきた女房と「入院せず帰る」という話を確認してから、病院を離脱。
診察券やら保険証は持ってこなかった(会場で落とすリスクを回避)ので、1万円を仮払いして後日精算ということで。
それから病院までタクシーを呼んで貰い、そのまま帰宅します。秋葉原からのタクシー代は5千円くらいだったかなー。
明日の昼食にするなどの思惑もあるので、帰るなりピザを注文して夕食にします。コーラをがぶ飲み。ピザをもりもり。

コミケ2日目

幸いにして女房の友人に自分のサークルには売り子に入って貰えることになったので、自分は終日、自宅で回復に努めることにしました。
新刊「廃レンタルビデオ屋の中身を落札した話」は挨拶代わりに、自分のチェック済の2日目サークルに配って貰うことは女房に依頼してこなして貰いましたし、友人に購入依頼もしましたが、自分で購入予定だった同人誌の大半をロスしたのは残念。ま、しかたないですが。

ていうか聞く限りでは、この2日目も相当なクソ暑さだったようなので、仮に自分が無理を押していっても、おそらくはまたダウンしてしまうか、そうでなくてもダウン気味でほとんど戦力にならなかったのでは…。

幸いにして新刊「廃レンタルビデオ屋の中身を落札した話」は、コミケ持ち込み分が会場で完売したようです(え、あの冊数が)。まあもともと、旅行本のみを置いていた頃から僕が座っていないほうがよく売れるのでは疑惑があったんですけどね…。

帰宅した女房をねぎらって、とりあえず横になった女房が起きてから2人で打ち上げに近所の焼肉屋に。もちろん僕も美味しく大盛ごはんと一緒に焼肉を食べ、コーラをガブガブ飲みました。まあ、回復したと言って良いのでは…。

今後の夏コミケ参加予定

とりあえずみなさまもご存じのように、もうこの夏コミケの暑さと人ごみと帰宅難民ぶりは「フル参加して楽しむのは無理じゃね?ことにわしら年寄りには」と痛感せざるを得ませんでした。

あるいは「コミケは冬のみサークル参加、夏はコミティアにはサークル参加」という速水螺旋人メソッドの採用も考えたんですけど、やっぱり僕は同人誌も会場で買い歩きたいお気持ちが強いので、来年からは「夏はサークル参加はしますが、午後2時には撤収して会場離脱」というルールを自分に課することにしたいと思います。たぶんそれならまだ帰宅難民にはならんでしょ…。

現在のシステムでは「昼から入場チケット」の方もいらっしゃいますけど、まあ、たぶん13時半には「チェックしたサークルには来てくれる」と思いますので…会場で手に取った方にも売りたいのはやまやまなんですが。

まだ同人誌やコミケ自体を止める気はないので、いましばらくおつきあいをお願いします。

(おしまい)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?