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5月2日の夢日記

夢の中で小さい頃の自分に会ったのは初めてだった。


私の夢にはよく「小さい子ども」が出てくる。
その配役は架空の弟妹とか自分の産んだ子とか全くの他人とか様々で、とにかく知らない子だということだけが共通している。ある時、夢占い的には何かの象徴なのか?と調べてみたら「それは自分自身である」という回答を見つけて、腑に落ちるほどではなかったけどひとまずそう思っておくことにした。
というのも、知らない子どもたちと私はけっこううまくやっているからだ。夢に出てくる子どもは毎回別人だけど、だから同じ存在のようにも思える。私たちは一緒に住んでいたりどこかの街で出会ったり、手を繋いで散歩をしたりする。無条件で私を信頼してくれる、無防備で愛おしい架空の子どもたち。

それで、昨日の夢に出てきた子どもは最初からどこかが違っていた。テーブルに1人で座る彼女の顔を見た瞬間に私は「あれは私だ」と思った。
小さい私はきょとんとした表情でこちらを見ている。私はなぜだかとても緊張して、彼女を怖がらせてしまったらどうしよう、などと考えている。ゆっくり近づき、並んで座ってみたら嫌ではなさそうだったので安心した。小さい私は1人で何かを食べていたが、私はそれをしっかり見つめることができない。
黙って隣に座っていた私はようやく彼女に向かい合って、その腕に触れた。そのまま何か声をかけると小さい私は膝の上にのってきてくれ、でも私は抱きしめるとか楽しませるとかせず、膝の中に座らせているだけ。結局それ以上は言葉を交わすことも顔を合わせることもなかった。
夢の記憶はそこで終わっている。

駆け寄ってこない彼女と、抱きしめられない私。それでも黙って一緒にいてくれてたあの子どもは、たよりなくとも確かに特別な存在と思えた。