お雑煮の記憶が走馬灯のように頭の中を駆け巡った

だから書き記してみることにした。

今年は結局まだお雑煮を食べていない。好きなのに、じゃあ作ればいいのに。自分のための料理めんどくさい!!おしまい。

チーーン
だめじゃん!!
あかんやん!!

元気が出なくて、仕事以外グダグダ寝て、買ってきたものをモサモサ食べて、それだけしかしていないのにヘロヘロ。そうやって日々を終わらせてしまっている。ダメなんだけど許してください……自分の身体や宙に向かって呟いている。

そんなイケてない前置きは終わらせて、お雑煮の話を始めます!!

実家のお雑煮
焼き角餅入りのおすまし仕立て

出汁は特にこだわりがなくて、だいたいは出汁パックをお鍋にポン。出汁パックはお魚系の出汁。そこに酒、醤油、塩で味付け。
具は紅白の蒲鉾(元日は紅白、その後は白だけだったり紅だけだったりということも)と、なにか青いもの(三つ葉、茹でたほうれん草、さやえんどうのどれか)

わたしは好きだけど、作ってくれる母上は「うちのお雑煮はちょっとさみしいよね」と言っていた。
 全国お雑煮マップみたいなのを見たら、うちの地域は焼き角餅におすましの地域らしいけれど、確かに周りの人に聞いたら具をもっと色々入れている模様。けれど同じ地域のよそのお家のお雑煮って食べたことがないから、うちの地域の一般的なお雑煮ってどんなんなんだろうというのが長年の疑問だ。

わたしが作るお雑煮
煮丸餅入りの白味噌仕立て

昆布出汁(昆布の用意を忘れたら出汁なし!)、京都の白味噌をたっぷり(京都から地元に戻って、京都産じゃない白味噌を使って同じように作ったらしょっぱくてあれれ??となったので、白味噌でお雑煮するならばどうやってでも京都の白味噌を用意して使う!と決めた)

具は京都にいた時は雑煮大根と人参。雑煮大根って正式名称じゃないかもしれないけれど、年末にだけスーパーでこの名前で売っていた。七草粥の大根よりは大きいけれど、普通のよりずっと細くて小さい雑煮大根。何も考えずに切れば可愛い輪切りになる。人参はいつもの人参をわたしは使った。

金時人参は少々お高いし、心なしか独特のクセがあるから、年中買える西洋人参を使用。人参が細めの時はそのまま輪切り、でっかい時は型抜きして、抜いたのと抜かれたの両方使う。

京都を離れて雑煮大根にお目にかからなくなってからは普通の大根の細い部分を輪切りしたり、ほんまはちゃうねんけど…と思いつつ銀杏切りしたり、人参だけにしたり、もういいやと具無しにして、白味噌のお椀にお餅だけにしたこともある。

京都のお雑煮は雑煮大根と人参と頭芋が入っている事が多いらしい。わたしのはあくまでも京都風なので、頭芋の扱いがよく分からなくて入れたことがない。京都で暮らしていた時に、見よう見まねで作り始めた。“京都大好きなよそさんの京都風お雑煮”だから、これはこれでよしとしてほしい。

よそさんって冷たい言葉なのなもしれないけれど、わたしは京都にいた、よそさんな自分が好きだったし、楽しかった。またいつかよそさんとして上洛する事が相変わらず夢だ。

残念ながら生まれも育ちも京都人の人にこのお雑煮を食べてもらう機会がなかったので、京都人の目にどう映るんかは知らしまへん。

ちなみに京都人のおうちで一回お雑煮を頂く機会はあった。お鍋をした後だったからかもしれないけれど、大根と人参と食べやすいサイズの里芋と焼き豆腐が入っていた。美味しかったです。その節はごちそうさまでした。

母方のばぁちゃまのお昼ご飯のお雑煮
焼きあん餅の上にとろろ昆布か鰹節を乗っけて(両方でも可)、お醤油ちょろり、ポットのお湯じゃー

あん餅が好きで香川県のお雑煮にはあん餅が入っていると聞いた祖母、「そうよね!お雑煮のお餅があん餅でも良いじゃない!」と、ある日ひらめいて作ったという即席お雑煮。

全国のお雑煮マップのようなものを見て、香川のお雑煮はあん餅入り味噌仕立てらしいと知ったのは祖母が他界して数年後。うちのばぁちゃまは香川のあん餅入りのお雑煮が味噌仕立ての部分は知らなかった(あるいは聞いていなかった)のか、それともあん餅をいつもと違う食べ方で食べれたら良かったのか。真相は分からない。

これが意外にも美味しかった。ばぁちゃまが「作ってみたらなかなか美味しかったのよ」と何度もおっしゃるから、わたしも食べたい食べたいとお願いして食べたら確かに美味しかった。

「あん餅でお雑煮するなんて…って怪訝な顔をする人が多いと思うけど、香川県のお雑煮はあん餅なんですって!だからやってみたの」と、自分の思いつきに鼻高々で、「だけど一見美味しくなさそうな見た目なのよね」と笑ってもいた記憶がある。

見た目は、確かにあまり美味しそうじゃなかった。特に食べかけだとなんだかな…。でも本当に想像よりずっと美味しかった。お暇なら、あん餅を塩気のあるお汁に入れることに抵抗がない方はお試しください!!孫としてはアリです!!


母の実家のお雑煮
焼き角餅を入れる、おすまし系だけど、毎年どんなスープでなにが入っているか分からない。年とお椀を開けてみてのお楽しみ雑煮!!

さっきばぁちゃまだけ話題に出したけれど、うちからスープが冷めぬ距離の母方の祖父母には幼少期からずっとお世話になっていた。両親が共働きだったので、幼稚園入園までは毎日朝から夕方まで、幼稚園入園後は平日の夕方、風邪をひいた日や長期休暇はまた朝から夕方まで祖父母宅でお世話になった。

この祖父母がそれぞれに美味しいもの好きさんだった。

祖母とはお彼岸にはおはぎ、年末には大量のお餅つき(つくのは機械)を一緒にした。ひな祭りにはちらし寿司、誰かのお誕生日にはお赤飯を必ず作ってくれた。お節も全部楽しそうに手作りしていて、鏡開きの日のおぜんざいも美味しかった。

祖父は超少食なのに美味しいもの情報にアンテナを張り巡らしたグルメさんで、よくどこかに電話を掛けては、何かお取り寄せをして振る舞ってくれた。ほかにもケンタッキーを年に1度たくさん買ってくれたり、喫茶店で銀の容器に入ったチェリーとウエハースが添えられた美しいバニラアイスをご馳走してくれた。

気難しくて口も悪くて、ちっとも優しいおじいちゃんでは全くなくて、あぁ絶対このじぃさまはわたしのことが嫌いなんだろうなと思っていたけれど。それなのに美味しいものをたくさん食べさせてもらった。

そんな美味しいもの好きな夫妻のどちらが見つけ用意してくれたかは思い出せないけれど、めちゃくちゃ美味しい鶏のスープのポトフみたいなお雑煮の年があったり、鮭が入った豪華なお雑煮の年があったり、我が家と同じ超シンプルな蒲鉾と青い何かだけのお雑煮、だけど吸口に柚子の皮が入っている年があったりと、今年はどんなお雑煮が出てくるのかしら?と毎年楽しみだった。

あれ?そういえば父の実家のお雑煮は知らない。車を使えばこちらもスープの冷めない距離で、母がせっせとお年賀を用意したりなんかして新年のご挨拶には必ず伺ってはいたけれど、お雑煮の記憶は全くない。なぜかおでんをいただいた記憶が微かにあるけれど、お雑煮はどんななんでしょう??

父に聞いてもあまりはっきりした返答もなく。かと言ってお雑煮は食べない家というわけではないと思うけれど……これからも知らないままな気がする。それはそれでまぁいいやと思うわたしでした。

さてと、久々に全国のお雑煮マップみたいなのまた見てみようかな。京都の白味噌どっか近くで売ってはらへんか探しに行こうかな。


うーん。でもまだ元気ないや。
自分にご飯作ること、なんでこんなにハードル高い仕事になってしもたんかな。
困りもうした。言うてる間に七草粥の日が終わって成人の日!!

成人式を迎えられた皆様、おめでとうございます!!!

もしサポートをいただいたら……いただくことがあったら……どうしましょう??どうしたらいいのでしょう??その時に考えまずでも良いですか?