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【生活感想文】「自分がしたい」のか「世間の押し付け」なのか

娘は髪型にこだわりが無く、今までだぱーん!と伸ばしてヘヤドネーションでバッサリ切る、というのを2回ほどしました。
しかし今回は「伸びてきたけど31㎝にはまだまだだし、もう洗うのも乾かすのも面倒になってきた」との事で、どうしようねぇ、とネットを調べていたら、ヘヤドネーションを主催している方の

本当はヘヤドネーションがなくなって欲しい。別に髪が無くたって良くない?

とうような記事を発見して「!!」となりました。
そういえば私「髪が無いよりウィッグでもあった方が良いよね」と勝手に思っておりました!やだ、無意識バイアス!危ない危ない。

そういえばセックス&ザシティという有名ドラマで、乳癌を患ったサマンサという登場人物がウィッグが煩わしくてスピーチ中に放り投げる、というシーンから既に20年も経っているのに、女性には髪があった方が良い、という考え方はなかなか変わりませんね。

昨年あったウィルスミスのオスカービンタ事件(と勝手に名付けました、奥様の髪をジョークのネタにした司会者をビンタした事)も色んな見方がありますが、事の発端は女性は髪が長い方が良い的な考え方ですものね。

別に髪が無くても良いし、ウィッグを付けたければ付ければよい。丁度ハイヒールを制服等で強制するのは良くないが、ハイヒールを履きたい人は履けばよい、みたいな感じでしょうか。

と、ここまで考えて、何だかちょっと違う気がしたのです。
うーん、もうちょっと問題を身近に考えてみる為に、私が今煩わしいと思っている白髪染めに置き換えて考えてみます。

昔の人は「人生50年」なんて言っていましたが、確かに白髪染めも老眼鏡も無かったら、私は既に白髪の目の見えない老婆です。無ければ無いで諦めもついたろうに、今は技術のお陰で何だか未だに現役世代気分です。

今3週間に1度ぐらい白髪染めをしていて、それが面倒臭い、と娘に愚痴ったら「まだ親が白髪は嫌だ」を言われたので今は娘の為に頑張っている、という事にしています。

でもよく考えると中学生の子を持つ親世代で、地毛が白髪交じりでない人なんて3割ぐらいではないでしょうか?7割ぐらいは白髪染めのはずです。親同士でもその話になったりします。
圧倒的マジョリティーのはずなのに、保護者会で白髪の方に会う事はほとんどありません。皆さん染めてる。

自分がやりたいから染める、なら良いと思うのです。でももはやそれが
「自分がやりたい」
なのか
「世間からの押し付け」
なのか自分でもわからない。
娘が「もう白髪で良い」と言ったら私は白髪染めを止めるのか?うーん。

中学生の親はまだ髪も黒くて元気、みたいな世間の常識があるのでしょうか。確かに顔がまだお若くて白髪の方を見かけた事がありますが、何だかちょっと不思議な感じがしました。

ここまで考えて「あ、私はマジョリティーに入っていたいのだな」と気付きました。主義主張のある事はマイノリティーでも良いけれど、どうでも良い事はマジョリティーの方が楽だと思っているのですね。
でも白髪は中学校ではマジョリティーのはずなのにみんな染めてる。
あ、世間様の「若い方が良い」バイアスって事か。

で、ウィッグの話に戻ると、今「髪が無い」のは圧倒的マイノリティーで、批判的では無いとしても、世間は慣れていないから、髪の無い状態で歩いていたら見られたりするのでしょう。
(丁度私がお若いお顔の白髪の方を見てしまったように。ああ、ごめんなさい。)
その煩わしさと、ウィッグの煩わしさ、どちらを取るか?と聞かれたら私はウィッグを取ってしまう気がします。自分がしたい、というより世間様に馴染みたい。
ファッションで髪を剃るなら良いけれど、不可抗力で髪が無くなってしまったなら主義主張は無いのでマジョリティーに入りたいな。
ああ、だから私は「ウィッグでもあった方が良い」と思っていたのだな。

こんな私が「髪が無くても良いじゃない」なんて言えないよなぁ。どうすればいいのかなぁ。主義主張の無いマイノリティーの方なんて世の中に沢山いらっしゃいますよね。

希望が見えるとしたら、世の中が少しずつ変わっている事。
20年前よりも白髪でOK年齢は下がって来ている気がします。白髪染めをやめた70代の義母は「むしろやめた方が優しい感じで良い」と皆に言われて、もっと早くにやめときゃ良かった、と言っています。

そのままの方が良い、という考え方は確実に広まっていて、私の生きている間ぐらいには限界値を超えられるのでは、と楽観的に思っています。

あとは自分が思うほど人は自分の事見てない、ってのもありますよね。

それから「マジョリティーの方が楽」っていうのも変えたいなぁ。

とにかく自分が意識できていない差別、というのが一番厄介なので、色々気付いていくのが私に出来る事なのかな、と思いました。

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